第13話
「ちょっと待って下さい…よ!」
私は閉まるドアをなんとか強引にこじ開けようとする。
と、思ったが、扉はすんなり開いた。
「もう夜中だぞ。他の客に迷惑だ。」
キャラと違って案外大人だな~、と感心していると
「しょうがない。入れ。」
と、招き入れてもらえた。
「で?何の用だ?」
「あの、エトさん?ケイはぶっちゃけ詐欺だと思うんです。あんな感じしといて…。だから、逃げるなら今です。私はあなたが嫌々ついていくのを見ていられない。」
「いや、いいよ。約束だからな。勝負して勝ったら、ってな。」
「本当にいいんですか…!?」
「あぁ、二言はねぇよ。」
「…ひょっとしてケイのこと気に入ってます?」
「…あ?」
「とりあえず剣をしまいましょうごめんなさい。」
私は速攻で謝った。
「私はただあいつの強さを叩き潰したいだけだ。」
「へ、へぇ~、なるほど…」
私はそれ以上は何も言えない。そらそうでしょうよ。
「で?他に何かあるのか?」
ビクッ!
「え!?な、なにも、ないですよ!?」
「いいから言えよ。」
ギロッ、と睨まれた。もう怖いんですが。
「で、では…」
私は恐る恐る言う。
「あの…、エトさんはどうしてそんなに強いんですか…なんて…。」
「ん?そりゃあセンスだろ。」
「…え?あ、そうな…」
「冗談だよ。」
む…ムズイ。
「私は負けられない。負けたくない。」
「ど、どうしてです?」
「…まぁ、いいか。」
エトは話す。
「ま、端的に言うと私の両親は魔王の幹部に殺された。私の人生はそいつへの復讐だ。だから負けられん。以上。」
お、おう。予想以上に重たい話を急に聞かされてしまった。
「奴には何か同じものを感じんだよな…。」
「え?」
「何でもねぇよ。」
「そうですか…。」
「じゃ…じゃあ私は行きますね。」
「あ?あぁ、じゃあな。」
私は気まずくなったのでエトの部屋を後にした。
エトもそんな私を察してくれたのかもしれない。何も言わず帰してくれた。
「ケイ様…!」
「…お?なんだぁ~?シャロ。今めっちゃ寝てたんだが…?」
「聞いてください。ごにょごにょ。」
「…へぇ~…そうか。」
シャロの暗躍を、私は気付かずにいたのだった。




