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エッセイ

楽しい自作品スコップ改稿生活~1300本書いたらわりと自分のファンになれた話~

作者: たかさば

 どうも、どうもどうも。


 毎日思いついたことを気ままに文章にしては何も考えずにそのまま公開して、のちのち後悔することがかなり頻繁にあるわりにはあんまり気にしていないものです。


 さてさて、本日はですね、毎日毎日飽きもせず創作に取り組み、作品を発表し続けてきた私が感じた事なんかをまとめてみたいと思います。よろしければお付き合いくださいな。


 私は2020年4月1日からほぼ毎日執筆&公開という日課を続けておりまして、来年4年目に突入するという感じなのですが…、気がつけばいつのまにやら作品数が1300を超えておりましてですね。


 私はノリと勢いで文字を繋げていくクセがあって、なおかつもともとの性質が大雑把で適当なものですから、頻繁にやらかすんですよ。直したつもりが送信ボタンを押してなくて何一つ変わっていないまま公開していたり、不勉強丸出しでおかしな言葉を使いっぱなしになっていたり、漢字の間違いはしょっちゅうで、標準語だと思い込んで見苦しい方言も堂々と使っちゃうみたいな。

 そんな状態なのに、見直しすらしないで気軽に書きあがったものを発表して、へらへらと次の物語を執筆してスパンスパンと公開して、ポンとアイデアが浮かんでさっさか文章化して、見直しすらせずに(以下延々)


 わりと長く、マイペースに大暴走をし続けてきたわけなんですけれども…、ずんちゃか作品を執筆&公開していくなかで、少しずつではありますが自分の意識が変わっていくような事は、ボチボチありましてですね。

 なろうって…感想や誤字報告がいただけたりするじゃないですか。お声がけしていただいたり、誤字報告をもらって修正したりしているうちに、なんとなく、自分の創作の在り方のおかしさを感じ始めたんですよ…。


 作品を発表するものとしてのマナーの欠如に気付いたのはもちろんなんですが、自分の作品に誇りや自信、信念を持つ方がたくさんいらっしゃることをひしひしと感じて、少し慄いてしまった日もありましてですね。

 物語というのはこんなにも真摯に向き合って生み出さねばならないのか的な衝撃を受け、己の狼藉っぷりを知ったと言いますか、こんな気軽にふざけた態度で作品を公開していて、自分は失礼極まりない奴なんじゃないのか的な反省をした日もございました。


 いつか己の不誠実をどうにかしたい…、そんなことを思いつつ、具体的には何をどうするべきなのか見つけられないまま、漠然と創作を続けていたんです。


 で。

 何がきっかけだったかはすっかり忘れてしまったのですが、ふと…思ったんですよね。


 いつかどこかで一度ザバッとチェックし直したいな…。全部一気に見直しをする?いやいや、如何せん数が多すぎる…、サクッと取り掛かってぱっと終わるようなもんじゃないぞ。これはかなり腰が重い…。とはいえこのままにしておくのもマズかろう、少しずつでもいいから何らかの行動を起こしたい。…そうだ、古いのから順番に見直すついでに、改稿してみたらどうだろう。少しは見栄えが良くなりそうじゃない?雑に生み出された物語をケアするチャンスっぽい!


 二年くらい前に、せっかく思いついたんだからあれこれ考えてやっぱやめたとならないよう、即やるぞと…すぐさま行動に移しましてね。なろうで公開した作品の改稿版を別の投稿サイトにて掲載するようになったんです。…ええ、自分の作品と向き合う機会を得たんですよ。


 改稿しながら、

「こんなことをよくもまあ考えついたな…」

「こんなことまで考えて怖すぎる…」

「一体何を考えているんだ…」

「この単語選びはないわ…」

「すごい独断と偏見だな…」

などなど、呆れるようなことも珍しくなかったんですけれども、なにげに…昔書いた自分の作品を時間を置いて見直すと、収穫になる部分が多い事に気が付き始めましてね。


 書きたい欲にまみれて文章がおろそかになっていたとか、自分が面白いと思い込み過ぎて一般論がそっちのけになっていて明らかに空気が読めてないとか、まあおおよそ己のやらかしに気付くことが多いんですけど、新たな発見や展開構想のひらめきなんかもあったりして、非常に有益だと言わざるを得ないんですよねえ。

 思わぬめっけもん感があるというか…、放り出しっぱなしになっていた乾いた泥団子に水をぶっかけたら予想外にテカテカしてテンションが上がるような…、メガネをかけて遠くを見たらゴミ袋が落ちてると思ってたのに白い美猫だったみたいな…、完熟前にもぎ取ったスッパイ果実を追熟させる方法を教えてもらったような…、ちょっとしたマンネリ打破?心機一転感?新たな視点との遭遇?みたいなのがあって、心地いいんですよ。


 改稿を始めてわかったんですけど、時間が経つと…作品の中にいる執筆当時の自分がぼちぼち薄いというか、見失われているというか、昇華しているというか…、なんていうんでしょう、いきり立っていた感情が落ち着いて、真正面から目を合わせる事ができるんですよね。書くことで気晴らしをしたような作品でさえ、執筆当時のやさぐれていた自分を労う感情が湧いてくるから不思議なものです。

 何を考えてその物語を書いたのか覚えているものもあれば、ほとんど覚えていないものもあったりして、これがいわゆる作品に対する熱量の違いなのかなという気もしないでもないんですけども。ソレはそれで、かつてはこんな自分もいたのだなと思えて、わりかし新鮮だったり…。


 改稿するために過去作品を掘り出して、読み返してみるついでにポイントやPV数も確認するんですけど、それもわりと…奥深いんですよ。

 己の知識と経験を総動員してこまかい設定もきっちりやって、徹底的に史実や根拠を調べ上げたような全力投球気合十分で書いたものでも、ほとんど注目も反応もいただけなかった作品というのがわりとあったりしてですね。なんでこうなったとか考察をするなかで、ヤル気がみなぎると言いますか、力がたぎると言いますか、書いたるわという意気込みが発生するというか、なんというか。

 特に問題が見受けられないのに埋もれてしまった作品を改稿する時は、挽回するチャンス到来!!というテンションになって、なんとなく力が入りますしね。たまに改稿することで注目を浴びるようなパターンもあったりするので、侮れないという。


 自分が書いた作品を見直して改稿するというのは、随分日々の暮らしに実にいろどりを与えてくれましてね。


 書き直すことで満足できる結果になったり、どれだけ書き直しても結局納得のできない仕上がりになってしまったり、別の話を思いついたり、己の世界観の広がりを感じたり…、自分が生み出したものというのは、自分が見捨てなければいくらでもまた自分を奮い立たせることができるのだなあと、感心するレベルなんですよ、ええ。


 最近は、自作品に対する意識が少し変わってきましてね。


 ここ一年くらいでしょうか、自分の書いたお話を読み返してみると、なんていうんでしょう…、こう、微妙に不思議な感覚?がするようになったんです。

 確かに書いたのは自分なんですけど、時々、第三者的な感覚になる事が増えてきたといいますか…、作者目線ではなく、読者目線で自作品を見る事が多くなってきたんですよね。


「こんな面白い事書いてたのか…」

「いや、これはないわ、何考えてんだ全くもう!プンプン!!」

「めっちゃ起承転結決まっとるやんけ!いいぞもっとやれ!」

「ちょ、なんこれ!!書きかけ風のオチかよwおもろいやないかいww」

「ちょ、ここで終わるとかマジないわ!続き書かせろや!」

「ちょ、こんな終わり方あるかい!書き直せや!!」

「ええ話や…ぐすん、ぐすん」

「こんなオチで許されると思うあたりがド素人なんだよ…だがそれがイイ」

「マジわかりみ…もっと読ませろや!!!」

「アホや…これ書いた人アホすぎ!あ、自分だった!」


 そう……、自分の作品に、感想を持てるようになってきたんです。


 大量に作品を生み出したことで内容を把握しきれなくなり、記憶の一部が薄くなったことも相まって、自作品を創作時のこだわりや意気込み抜きで見られるようになった感じでしょうか。


 改稿する時、久々に作品を掘り出してじっくり対面してみたら…、純粋に物語そのものだけに向き合えるようになってきていてですね。素直に読んでみれば…けっこう面白いじゃないかという感想がポコポコでてくることに気が付いたんですよ。その結果、自分って『たかさば』の書いたおかしな話が好きじゃん!!と我に返ったと言いますかですね。わりと、私、自分の作品が好き…いや、けっこうファンなんじゃん!みたいな。


 わりと落ち着いて文字化してますが、実はかなり相当めちゃめちゃ驚きました。

 というのも、実は私は自作品に対して『書いたらおしまい、あとは知らん』的な感覚が、ずーっと拭いきれなかったんですよ……。

 私の創作のモチベーションの最たるものは『頭の中の混沌をスコンスコンと文字化して世界中にばらまいてやるぜ!グフフ!』というものだったので、見直す必要もないし思い付きすらしなかったような背景があったりしましてですね。


 過ぎ行く年月というものは実に素晴らしいですね。まさかこんな自分になれるとは、物語を書き始めた当初は微塵も思っておりませんでした。…大変に喜ばしい限りであります。


 ここ最近、自分の作品というものは……、永遠に残る、続いてゆく、変わっていくこともできる、新たに生み出すことにもつながる、非常に汎用性の高い宝なのだなあと…、しみじみ思ったりするのですよ。


 おそらく私は、自分の書いた作品を何度も眺め直し、わりかしご満悦状態でへらへらと過ごしてゆくのだろう…、そんな予感がヒシヒシとしましてですね。

 先の長い人生、たくさんの物語を読んで過ごしたいなとですね。


 ……と、いうわけで。


 私は自分のために…、これからも気軽に物語を書いて、お宝をため込んで、ザックザックと自作品をスコップしていく気満々なんですよ♪というお話でした。


 


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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白かったです。たかさばさんの淡々と書き続けている感じが好きです。あやかりたくそうろう。
[一言] 多数短編を投稿しておられる古参作者様が連載小説の形で自薦(自選)短編集を仕立てておられましたが、たかさばさんもいかがでせう?  【シリーズ化】機能を使うと言う手もありますね。このやり方の方…
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