太陽神
「さっき言ってた俺の素材で作った武器って何処にある?」
「こちらにあります」
席を立ちノアに付いていく。ここはある程度見たがやっぱり広い。財宝が多いせいか何処を歩いているかも分からない。
A:ダンジョンの機能に接続。情報を取得。…マップを作成しました。
管理者さんの声と同時にこの部屋のマップが現れた。
管理者さんは本当に有能だな。俺の権能で一番凄いんじゃないか?
A:それ程でもありません。
「着きました」
光を発する金銀財宝の中で、唯一光を吸い込んでいるような漆黒の刀身をした剣が置いてあった。
俺の鱗は《消滅》を纒いあらゆる攻撃を消し飛ばしていたが、これは俺を殺すために俺と他の世界神が作った《消滅》に耐性のある神殺しの武器。
「これは懐かしい。ん?無名だった筈だが名前があるな」
ーーーーーーーーーー
名前:不滅剣・ロード
クラス:創世級
分類:剣
能力:所有者固定、『不滅』、魔力無限蓄積、全能力強化、全種族特攻、自己成長、威力強化、衝撃増幅、衝撃緩和、連撃強化
称号:不滅の神剣、神殺し
備考:絶対に壊れない不滅の剣。
ーーーーーーーーーー
「ウルス様が転生なさった後、ゼウス様から送られてきました」
ゼウスが名付けたのか。いつかは顔を出しに行かないとな。そうだ、この左腕が吸収した俺の肉体は完全に取り込んだのか?
A:いえ、殆どは《世界格納》に入っています。
ガントレットの"能力拡張"を通して《管理者》で干渉し《世界格納》へ収納しました。
え、そうなの?
A:流石に全てを取り込むと、膨大なエネルギーを吸収出来ずにあの魔道具は壊れていました。もし出来たのなら、世界神の力を取り戻せた筈です。しかし、レベルが低くい今は精神が耐えきれなかったと推測します。
完全な神になると不変の存在になりますが、様々な可能性が閉ざされてしまいます。前世とは違う道を望むマスターにはそもそも必要ないと判断しました。
元々全ては取り込めなかったんだろ?なら別にいいよ。ちなみに肉体を安定させるためにはLv1000だったが、世界神に戻るためにはどのくらい?
A:最低Lv9999に加えて何かしらの条件が必要です。
…うん、無理。それって完全にカンストしてるよね!?
俺は不滅剣・ロードを持つ。俺の肉体を元に出来ているから俺の手足のようにしっくりと感じる。
「これは凄い馴染む」
「それは良かったです。他にも武器や防具を探しますか?」
「んー。面倒だから一回取り込むか?」
「その左腕の力ですか?」
「ああ」
《世界格納》に入れたら一覧で武器とか見れるか?
A:はい、可能です。刺青の状態ではなく、"武装化"を使ってください。『万物吸収』の能力が強化され、触れていなくても収納出来ます。
「"武装化"」
俺がそう言うと左腕に黒と金に少し赤色の加わったガントレットが現れた。進化前より何か装飾が派手でカッコいいデザインになっていた。
「少し下がっていてくれ」
「畏まりました」
A.視界内の指定したものを引き寄せて吸収します。対象を指定してください。
頭を下げノア達は俺から距離をとった。俺は移動を確認すると手を前に突きだし魔力を込める。視界に入る全てを取り込もうとすると、あらゆる財宝が俺に引き寄せられて飛んできた。
怯むことなく魔力を込め続けると、吸収速度はそれに比例して上がっていった。凡そ一分ほどで一面に広がっていた財宝の山が綺麗さっぱりガントレットに吸い込まれた。
続々と吸い込まれる光景はまるで金の川を見てるようだった。そして財宝の山が消えると、マスタールームに"謁見の間"が現れた。
「結構時間がかかったな」
管理者さんからの話だと、この世界の貨幣の価値は凡そこのぐらいらしい。
聖金貨:1億円
白金貨:100万円
金貨:1万円
銀貨:1000円
銅貨:100円
鉄貨:10円
ダンジョンの階層主を倒すと宝箱が出てきてその階層主の強さによって入っている財宝の価値が変わるらしい。
このダンジョンな100階層ともなると白金貨が数枚入っているらしい。
A:聖金貨×926、白金貨×2458、金貨×6582、銀貨×7986、銅貨×8226、鉄貨×9687、魔法袋(特大)×4、……収納させれいます。
貨幣の他にも宝石、魔石、魔道具、芸術品、武器、防具、魔物の死骸など沢山の戦利品があり到底全てを見ることは叶わなかった。それにしても、一般的な日本人としてここまでのお金があると何かビビるな。この世界でと金の心配はしなくても良さそうだ。
まず、服を着たいから何かあるか?他にも伝説以上のアイテムを見せてくれ。
A:畏まりました。
何もないところから黒いコートが現れ、それを身に付ける。
ーーーーーーーーーー
名前:神の衣
クラス:伝説級
分類:コート
能力:所有者固定、『衣服喰らい』、自動清浄、自己修復、環境適応、魔法攻撃耐性、物理攻撃耐性
称号:迷宮産、万能の布
備考:衣服を取り込みその形状等に変化できる。
ーーーーーーーーーー
「とても似合っています」
「ありがとう」
A:伝説クラス以上のアイテムを表示します。
クラス:◼️◼️ 破界槍・メトリア 槍
クラス:創世 法の書 魔導書
クラス:創世 ウロボロスの指輪 魔道具
クラス:神話 太陽結晶 宝石
クラス:神話 神酒・ソーマ 酒
クラス:神話 断罪剣・アール 大剣
クラス:神話 魔剣・グラン 剣
クラス:幻想 鳳凰剣・アバタール 剣
クラス:幻想 聖龍槍・ルーク 槍
クラス:幻想 魔剣・ダーインスレイブ 細剣
クラス:幻想 正義の盾・エステール 盾
クラス:幻想 水龍王の宝玉 魔道具
クラス:伝説 星霊弓・ミラ 弓
クラス:伝説 魔竜槍・ボルガ 斧槍
クラス:伝説 バラン 戦斧
クラス:伝説 蕀剣・ローゼン 細剣
クラス:伝説 妖刀・ムラマサ 刀
クラス:伝説 蒼玉のペンダント 魔道具
凄そうな名前ばっかだけど、中には聞いたことのある名前もある。一番気になるのはクラスが見えなかったやつだな。能力の一部も見えないし。もしかすると世界の母が…。
「これは凄いですね」
「ノアは知らなかったのか?」
「はい。最初の内は確認していたのですが段々と確認しなくなっていたので詳細を知りませんでした」
武具の一覧をノア達にも共有してみたが、ノア達はどんなモノかを知らなかったらしい。五百年も経てば一々確認してられないよな。一覧から少し出してみるか。安全そうなのは宝石のやつかな。
《世界格納》から太陽結晶を取り出した。それは神々しい光を放ち、そのオレンジ色の結晶の中には小さい太陽が爛々と輝いていた。
「綺麗だ。まるで太陽が封じ込められてるみたいだ」
「それは太陽神のみが作れる太陽の源となる結晶ですね」
「知ってるのか?」
「はい、英雄譚の一節に出てきていました。ただの伝説だと思っていたのですが…」
レイネシアが宝石のことを知っていたらしいが、俺は始めて知った。太陽には行こうと思えば行けただろうが、実行しようとは思えなかったからな。眩しいし。
今までの経験上、魔力を込めると何か起こるかもしれないが、やってはいけないと思うほどやりたくなってしまう。
魔力を込めるとズ"ドンッ!"と、まるで空が落ちてきたかのような感覚に陥った。辺りを見渡すとノア達が微動だにせず、時間が止まっていた。
この現象は神の顕現か。
《適正者が現れたのを感じやってきてみれば、まさか貴方様だったとは》
「はじめまして、君は太陽神でいいのかな?」
神のような美しさと炎のような髪を持つ女性は、いつの間にか宙に浮くように存在していた。
《はい、"太陽神ヘリオス"と言います。貴方様は"滅神龍ウルス=ドラゴン"様でよろしいでしょうか?》
「ああ、そうだ。此度の用件は何なのかな?」
《手に持っている太陽結晶は太陽と同じ力が込められており、太陽神との適正が高い者を見つけるための選定機としても使っております。本来なら適正者に恩恵を与えるのですが…》
「俺がその適正者だが、神としての格が俺の方が高いから渡せないと」
《はい。それに高位の神と言えど世界神様と比べると天地ほどの差がありますから不敬にあたると考えました》
「この太陽結晶は貰っていいのか?」
《はい、お渡しします。ですが、私からの恩恵を与えられません。申し訳ございません》
「気にしなくてもいい。あっ、それなら一つ頼みたいことがある」
《頼みたいこと?》
「俺が転生して始めてと会った神が君だ。もしかしたらもう気づいている者もいるかもしれないが、俺が転生したことを隠してほしい」
色々とちょっかいを出してくる厄介な奴を思い出しながら俺のことを隠すように頼んだ。
《そのようなことでよろしいのですか?》
「遅かれ早かれ気づかれると思うが、今の弱った俺がアイツに目をつけられると厄介だからな」
《アイツ?…あの方のことですか?》
「そうだ」
いかに高位の神でもアイツの名は言えないか。
《最近は一切動きませんね。むしろあの方に従っていた邪神達の方が怪しい動きを見せています》
「また何かやるつもりかね」
《貴方様が動くような事態にならなければ良いのですが。もしその時がきたらまた何もかも滅んでしまうかもしれませんしね……すみません。そろそろ時間のようです》
あの戦争、"神魔大戦"のような大規模な戦にならないと願いたいが…。もし世界崩壊規模まで拡大するようなら俺がまた介入しないといけない。
「ああ、情報をくれたこと感謝する」
《いえ。では、またお会いしましょう》
太陽神が消えた瞬間に時間がまた進み始めた。俺は左手で太陽結晶を掴み吸収した。
~~ピコーン~~
(太陽結晶の吸収を確認)(太陽神との適正を確認)(完全に取り込むとこに成功)(結晶内にある太陽エネルギーをスキルに変換)
(魔法〈太陽魔法〉を取得しました)
(固有スキル〈炎熱完全無効〉を習得しました)
(原初スキル〈紅炎之鎧装〉を取得しました)
(原初スキル〈太陽ノ紋章〉を取得しました)
(称号"太陽神の神業"を獲得しました)
やっぱりモノを吸収して俺との適正があれはスキルが得られるようだな。
「魔物との戦闘前にしておく準備はあるか?」
「魔力は完全に操作できているので、"闘気"を覚えるべきかと」
「あれか。人種が編み出した技術だったか?確かノアも使えたよな?」
あまり詳しいことは知らない。でも前世の人種が使っているのを見たが、神からしたらあんなものを使うぐらいなら神力で強化すればいいと思っていたけど。
「はい。人種と神々の大きな差は、魔力を高密度に圧縮した神力を扱えるか使えないかです。その差を埋めるために人種が編み出した技術です。
気と呼ばれる生命エネルギーを攻撃力や防御力に変換したものが"闘気"。その発展系である闘気を飛ばし操る"仙術"。その二つを習得し極めた者が習得する"神闘気"。と言うものがあります」
神闘気は闘気や仙術の上位互換と言うわけか。
「ノアが言うくらいなら神闘気ってのは使えるのか?」
「はい。数少ない神闘気を扱える者の中から稀に、神闘気を用いた特殊な原初スキルを習得します。それがとても強いです。私で言うと〈天王之鎧装〉ですね」
違和感を感じ龍眼を使った。ノアの身体から"無色透明なオーラ"が漏れだし、それが荒々しく動き出すと"緑色のオーラ"へと変化した。それが鎧の化身のようなものに形を変え、身に纏った。
まるで目の前に巨人がいるかのような圧迫感。成る程、魔力とは違うこの感覚…こうか?いや、もっと身体の奥底から引き出すように…。ダメだ、出来ない。なら、気に権能を使えば…。
A:恐らくすぐにでも覚えられるでしょう。私がサポートするので、権能を使ったらすぐに身にとどめるように意識してください。
俺は《無限》を気に使った。まるで身体が爆発したのような感覚が全身に巡った。それを抑えるようにするが、魔力が邪魔をしてうまく操れなかった。全力で魔力と闘気を無理やり押さえつけた。
~~ピコーン~~
(スキル〈闘気〉を習得しました)
(特殊スキル〈魔闘気〉を習得しました)
(称号"前人未到"を獲得しました)
(スキル〈仙術〉を習得しました)
(スキル〈神闘気〉を習得しました)
(特殊〈神闘気〉により派生したスキルを獲得)
(原初スキル〈鋭敏之王〉を習得しました)
(〈鋭敏之王〉により〈気配感知〉〈魔力感知〉〈敵意感知〉〈存在感知〉〈探索〉を取得しました)
「なっ!」
(この圧倒的な気も驚きましたが、この"赤色のオーラ"…まさかもう神闘気を取得なされたのですか!?。それに、魔力と闘気が融合してる!)
〈鋭敏之王〉
ー 全てを知覚し一定領域内の少し先の未来まで見ることができる。神闘気を纏うことで更に広範囲の未来を見る。ー
「凄いな。また感覚が鋭くなった」
進化してより感覚が鋭くなったが、更により鋭敏になった。ノアが此方に寄ってきてるが、遅く感じるし、まるでぶれたように二人に見える。
これは未来を見ているのか?
「う、ウルス様!魔力と闘気が融合していますが、お身体は大丈夫ですか!?」
「無理やり押さえつけたんだが…大丈夫だぞ?」
ノアが物凄く心配した目で見てくるから何かと思えばその事か。
A:本来なら魔力と闘気は反発し合うのでそれを維持し続けると本来なら肉体が壊れます。
え!?そんな危ないことしちゃったの?だからあの称号か。
A:私が〈連鎖支配〉を使い完全に支配したので、危険性はありません。
〈連鎖支配〉は親友から死に際に贈られた権能の一部を使い手に入れた力だ。魔力を通して一切合切を連鎖的に支配するスキル。
あの野郎からの贈り物のお陰か。にしてもこの未来を見えるスキルどうにかなんないかな?物凄く見づらい。
A:私が調整しますので、普段の生活では未来予知にならない程度に制限をして精度を落とします。
おう、頼んだ。未来を見えるのはいいが普段に過ごす分にはいらないからな。
~~取得スキル・称号~~
スキル:〈太陽魔法〉〈炎熱完全無効〉〈紅炎之鎧装〉〈太陽ノ紋章〉〈闘気〉〈魔闘気〉〈仙術〉〈神闘気〉〈鋭敏之王〉〈気配感知〉〈魔力感知〉〈敵意感知〉〈存在感知〉〈探索〉
称号:太陽神の神業、前人未到
〈鋭敏之王〉
ー 全てを知覚し一定領域内の少し先の未来まで見ることができる。神闘気を纏うことで更に広範囲の未来を見る。ー
〈連鎖支配〉
ー 魔力を通して連鎖的に支配する。ー
聖金貨:1億円
白金貨:100万円
金貨:1万円
銀貨:1000円
銅貨:100円
鉄貨:10円