表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元・滅びの神は世界を謳歌する  作者: 流川 綾
第一章 滅神龍の復活
4/7

進化のガントレット


「幸い、ここはダンジョンですので好都合ですね。魔物を倒してレベルアップをしましょう」


「ダンジョン?」


「はい。昔のウルス様はこの古き迷宮の主(ダンジョンマスター)をやっおりました」


 ダンジョンマスター?そんなこともやっていたのか。小説やゲームとかであるモンスターが沢山いる場所かな。


「せっかくなので迷宮の心臓(ダンジョンコア)に登録しますか?今はダンジョンマスター不在ですので」


「登録できるのか?」


「はい、ついてきてください」


 そう言ったノアは財宝を避けながらこの部屋の奥へ奥へと進んでいった。ついていくと財宝の山より高い高さの階段があった。  

 そこには豪華な玉座と更にその奥に大きな台座があり、その台座の上に人一人が入るような大きさの水晶があった。

 デカイ。これがダンジョンコアか。


「これに触ればダンジョン登録されます」


「めっちゃお手軽」


 想像以上の簡単さに思わず叫んでしまった。

 こんな簡単にダンジョンマスターになれるものなのか?いや、俺が反則なのか。普通は攻略するものだよね。でも、コアに触れるだけでいいなんて。

 俺は水晶玉に触れると、力が吸いとられるような感覚を感じた。それと同時に眩しい光を放った。


~~ピコーン~~

(迷宮の心臓(ダンジョンコア)への接触を確認)

(称号"古き迷宮の主(ダンジョンマスター)"を取得しました)


「お、これでできたのか?」


「はい、それで完了です」


 俺は先程の水晶玉に向けて〈世界眼〉を発動した。

ーーーーーーーーーー

名前:迷宮の心臓(ダンジョンコア)

クラス:幻想(イマジナリー)

分類:コア

能力:使用者固定、『メニュー』

称号:攻略者の証、S級ダンジョンコア

ーーーーーーーーーー


 S級?幻想クラスとは違うのかな?


A.幻想クラスは全ての迷宮の心臓(ダンジョンコア)そのものに適用されます。しかし、級はそのダンジョンの評価ランクです。ちなみにS級は最高ランクです。


 流石に世界神が居たところは特別だな。でも最高ランクってことは、規模とか魔物の強さとか難易度はかなり高いんだろ?


A:古き迷宮は大陸に一つしかなく、その全ては攻略不可能と言われています。ここは塔型のダンジョンで、150階層あります。このダンジョンの一階層あたりの大きさは、最低でも大きな街が丸々入るほどの広さです。


 げぇ、そんなに広いのか。他の古き迷宮もこのレベルなら攻略不可能って言われても納得だな。どうせ魔物の強さも異常だろうし。

 俺はコアを持ちその能力である『メニュー』を開いた。目の前に光の画面が現れ、その中には『迷宮管理』『カタログ』『魔物召還』『ランダム召還』と書かれた項目があった。


 なあ、これってこのコアが在るところじゃないとメニューとか使えないの?


A.コアはマスタールームつまりこのフロア以外に持ち出せません。しかし、このフロアの外で使うにはダミーコアと言うものを『カタログ』で手に入れないと行けません。それでも、一部の機能しか使えません。

 ですが《世界格納(ワールドストレージ)》に入れてもらえれは、こちらで解析してダミーコア無しでも使えるようにしますが、どうしますか?


 おー、それは是非頼む。《世界格納(ワールドストレージ)》に入れたままなら持ち出せるか?

 俺は言われた通り権能を使いコアを収納した。すると台座も同時に消えた。


A.いえ、このフロアを出た瞬間にフロアに戻るようになっています。そもそもコアはそのフロアに設置することで様々な機能を使えるようになります。

 …ダンジョンコアの解析を完了しました。『メニュー』やその他の能力はこの部屋以外でも使えます。しかしダンジョン領域内でないと使えません。


 おー早い。コアを設置すれば良いのか?

 俺はコアを取り出し直接地面に置くといつの間にか先程の豪華な台座が現れておりコアが嵌まっていた。

 ちなみに《世界格納(ワールドストレージ)》の容量ってどのくらい?


A.容量に限りはありません。条件が揃えば世界そのものを収納できます。


 え!?そんな強力な力なのか!生物とかも自由に?


A.通常は生き物以外です。《世界格納(ワールドストレージ)》の中は時間が止まっており、条件を満たして世界を収納できた場合のみ《世界格納(ワールドストレージ)》内の収納された世界の時間や環境を調整して生物も収納出来るようになります。


 今は物だけか…。だが、時間が止まっているのは便利だな。

 改めてコアを見てみると、『迷宮管理』は縮小された迷宮全体の構造や情報を見たり操作することができた。

 『カタログ』は日本のモノだけでなく見たこともない物も沢山の物がDPで交換できるらしい。『魔物召還』はダンジョンマスターの系譜に関する魔物や一度召還した魔物を召還でき、『ランダム召還』は物や魔物などランダムに召還できると説明されていた。

 DPってのは?


A.ダンジョンポイントの略です。『迷宮管理』で見ることが出来ますが、今現在のDPは凡そ780億ポイントです。


 それって多くない? 


A.はい。マスターの前世の肉体は魂無き今も魔力を放出しています。それが五百年間、DPに還元されているからだと思います。

 昔は100階層だったのが今では150階層になっているところをみると、ダンジョンが吸収出来ないほどの魔力によりダンジョンが成長したんだと思われます。恐らく魔物も強化されていると思います。


 死んでもなお衰えることの無い魔力。流石は神様。


A.ダンジョンマスターか侵入者からでしかDPを得られません。今は新しくダンジョンマスターがいるため、前世の肉体からの魔力はもらえません。

 暫くはDPの余分がある為大丈夫ですが、ダンジョンの運営にはDPはかなり使うので、ダンジョンマスターが魔力を供給するか、侵入者から魔力を奪わないといけません。


 前世の身体はもう該当しないって訳か。眷属であるノアたちも対象外かな。侵入者ってどのくらい来るの?


A.ここは古き迷宮ですので、野良の魔物が数体程しか入って来ません。


 そりゃあ、そうだよな。進んで危険なところには来ないか。


A.このダンジョンが密林に覆われているのも原因の一つかもしれません。


 そんな場所なら余計人は来ないだろうな。少し対策を考えないといけない。

 俺と管理者で話をしていると、不意にこちらをずっと見ながら動かないノアに視線を移した。

 え?ずっと待っていたのかな?何か言ってくれれば良かったのに。


「ごめん、つい考え事を」


「お気になさらず。ウルス様と管理者様のお話に割ってはいることなど出来ません」


「あんまり気にしなくていいよ?言いたいことがあったら何でも言ってね」


「はい。畏まりました」


 こういう畏まった態度は簡単には直りそうになげど、もう少しフレンドリーになってくれればいいな。


「あはは、まだ堅いね」


「も、申し訳…すみませんでした」


「うん、これからも宜しく」


「は、はい!!」


「そう言えばメア…ちゃんは何処に?」


「そう言えば…」


 いつの間にか消えていた少女は、自由気ままで神出鬼没のようだ。


「何かあれば姿を見せる筈です。後は、武器を選びをしましょう。ここにある武器ならすぐにでもレベルアップできるはずです」


「おー。ここにある財宝のとか武器は全部ダンジョンで手に入れたのか」


「八割程はそうですが、残りはウルス様の所有物です。ダンジョンは一定周期で"魔物氾濫(スタンピード)"が起こるので事前に魔物を討伐していました。討伐した魔物からドロップした物を集めていたら、五百年でここまで集まりました」


A.ダンジョンモンスターを倒すと一定確率でモノをドロップするようにプログラムされています。


 そうなのか。まるでゲームみたいだな。


魔物氾濫(スタンピード)って何だ?」


「魔力が濃い所で良く見られる現象で、魔物が溢れかえって暴走することです。ウルス様が居なくなられてからより頻繁に起こるようになりました」


 やっぱり、俺の肉体から発せられる魔力が多すぎたせいか。やっぱり前世の俺は化け物だな。


「ノアは全ての階層で魔物を狩っていたのか?」


「いえ、私が攻略できるのは100階層までです。そこから上は魔物の数も強さも異常ですので、一人ではかなり難しいです」


 ノアのステータスもかなり高いしスキルや権能も強い、それでも届かないとはな。


「オッケー大体分かった。この中でオススメの武器とかあるか?」


「そうですね。確かウルス様の鱗と爪から作られた剣があった筈です。それなど如何でしょうか?」


「見てみたいな。あと、さっきの…あれも気になっていたんだよな」


 先程の場所に戻り俺が落としたガントレットを拾った。


「それは…。私の鑑定では見えませんね」


「そうなのか?俺は"世界眼"ってのを使っているが」 


「流石です。世界眼には権能や原初スキルなどの隠蔽特化の能力以外では全てを見通せますからね」


「たしか、俺のスキルで貸し出し出来るみたいだから使ってみてくれ」


「よ、宜しいのですか!?」


「うん。スキルの試用運転にもなるからね」


 俺は〈滅神ノ瞳(ルインズ・アイ)〉を使い、ノアを指定して"世界眼"を貸し与えた。

 これで出来たのか?


A.はい。あとは私が調整します。


「どうだ?」


「初めは脳に情報が直接…その情報量が多くて頭が割れそうなほど痛かったですが、今は大丈夫です」


 え、それって俺はそんなこと無かったけど。もしかして管理者さんがやってくれたの?


A.はい。


 おー、ありがとう。さりげないサポートをしてくれる管理者さんは優秀だな!


A.勿論です。


 ふふ、流石。どれ、このガントレットを能力を見てみるか。


ーーーーーーーーーー

名前:ソロモンの隻腕

クラス:伝説(レジェンド)

分類:ガントレット

能力:所有者固定、『死体吸収』、『自己進化』、能力拡張、修復

称号:古代人の遺産、迷宮産

備考:ソロモンにより作られた籠手。それはまだ進化の途中であり無限の可能性を持つ。

ーーーーーーーーーー


 ソロモンってあの?


A.同一人物ではありません。この世界は他の世界とリンクしているため、あちらの偉人たちが此方でも似たような伝説となって存在しているのです。その伝説を元に迷宮から生まれた武具のようです。


 んー、良く分からんな。

 俺はひとまずガントレットを左腕に嵌めてみた。少し大きめのサイズだったが、サイズが自動的に調整されて俺の腕にフィットした。


「へぇー、勝手に調整されるのか」


「所有者固定の影響ですね。条件のある物もあるのでお気をつけてください」


「分かった」


 違和感も特にないし、カッコいい。このクラスって他のランクもあるのか?


A.はい。通常(コモン)希少(レア)特殊(エクストラ)固有(ユニーク)伝説(レジェンド)幻想(イマジナリー)神話(ミソロジー)創世(ジェネシス)となります。


 このガントレットって上から三番目なの!?めっちゃ凄いじゃん。

 俺は改めてまじまじと左腕を見る。少し気になったので、魔力を込めてみた。するとダンジョンに登録したとき以上の勢いで力が抜けて思わず膝をついてしまった。

 次の瞬間、一瞬だけ大きな衝撃波が広がりノアが吹き飛ばされた。何かに押さえ付けられてるかのように、ノアはその場所から動けないでいた。

 そして、どんどん魔力を吸われガントレットの形が変化し始めた。さらに魔力が渦巻き、まるで何かを引き寄せているようだった。おもむろに振り向くと、黒い大きなものが此方に向かってきた。


「あれは前世の肉体か!?」


「ウルス様!大丈夫ですか!」


 少し離れた位置からノアが声を掛けてきたが、それどころではなかった。

 魔力の吸収速度が早すぎて疲労感で動けないのに、このままあの大きさの物が迫ってきたら潰されてしまう。

 すでにすぐ側まで迫っており思わず手を前に突き出すと、あの巨大な肉体がガントレットのある左腕に吸い込まれていった。


「え?」


「ウルス様!ご無事ですか!?怪我はありませんか!?」


「あ、ああ。大丈夫だ」


 左腕を見るとそこにはガントレットは無く"赤い刺青"のようなものが広がっていた。

 すると突然頭に声が響いた。


~~ピコーン~~

(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)…


 くっそ!めっちゃうるさい!頭が割れそうだ。


…(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)(レベルが上がりました)


 おっ?やっと終わったか?


(最上位存在"滅神龍"を確認)(調整を開始…適合に失敗)(error…error…)(《管理者(アドミネーター)》の干渉を確認)("滅神龍"との適合に成功)(《管理者(アドミネーター)》により"滅神龍"の記憶の解析を開始…完了)(記憶のインストールを開始…完了)(肉体の再構築を行います)(肉体を…_


「ぐあぁぁ!!」


「ウルス様!?」


 レベルアップの声が聞こえた後、今度は全身を耐え難い苦痛が広がった。それに耐えられず、俺は意識を失ってしまった。


…(肉体の再構築及び修復が完了)(種族が"人族"から"滅人龍(ルインズ)"に進化しました)(固有スキル〈龍化〉を習得しました)(称号"理を変える者"を獲得しました)






 目を覚ますと、あの痛みが嘘だったかのように痛みが消えていた。


「ウルス様!お目覚めになりましたか!?」


「ノアか?…どのくらい気絶していた?」


「3分程です」


 思ったより時間が経っていなかったな。しかし、マジで痛かった。

 俺はゆっくりと立ち上がると違和感を覚えた。


「これは…背が伸びたのか?」


「はい。ウルス様が気絶なされた後、ウルス様のお身体が光だして…そのお姿が大分変わりました」


 俺を見て姿が変わったと言うノアに?マークを浮かべ首をかしげた。


「ノア、鏡はあるか?」


「はい、少々お待ちください」


 ノアはすぐさま鏡を取りにすっ飛んでいった。

 もしかして顔も変わったのか?心なしか身体も軽いし少し筋肉質になったか?五感の全てがいつも以上に研ぎ澄まされ、いまなら何でも出来そうなほどの万能感。

 途方もない力が漲ってきていた。




~~取得スキル・称号~~

スキル:

称号:古き迷宮の主(ダンジョンマスター)


世界格納(ワールドストレージ)

ー 容量に限りがなく、あらゆるもの収納できる。その中は時間が止まり、世界さえも収納できる。ー


通常(コモン)希少(レア)特殊(エクストラ)固有(ユニーク)伝説(レジェンド)幻想(イマジナリー)神話(ゴッズ)創世(ジェネシス)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ