【閑話】恋心
私はニワトリ。
先日ご主人様にテイムされてネギまという名を授かりました。名前の由来は分からないけれど、とても親しみやすくていい名前です。
私はすぐにこの名前を気に入りました。
ご主人様はまだ戦いも強くなくて、お金も全然なくて毎日が大変なのだと言います。
なので敵が現れれば私が盾になり、冬の寒さに凍えそうな日は私が包むのです。ご主人様をあらゆるものから守る。それが私の宿命であり、生き甲斐です。
最近は寝る時も一緒になりました。
身体の大きな私は頑張って獲得した伸縮スキルでなんとかご主人様とひとつ屋根の下の状況を作り上げたのです。
ご主人様はわーい羽毛布団だぁと、たいそう喜んで下さります。お役に立てているようで何よりです。
主な私の仕事は、みんなを起こすこと、ご主人様のレベル上げの手伝い、食料調達、畑を守ることです。
リシア様の畑を守ること以外はとてもやりがいがあります。
私はあの女がちょっと苦手です。私が朝お花を摘みに行こうとすると必ず着いてきて、畑の肥料にすると言って持って帰ろうとするのです。
ちょっと、いやかなり怖いんです。
それに比べてペトラ様との関係は良好です。
ご主人様にテイムされた後は直ぐに傷の手当をしてくれましたし、話し相手にもなってくれます。
私の言っていることは理解できないようですが、たくさん遊んでくれるので彼女のことは好きです。
勿論、ご主人様の次に、ですけどね。
そして、あの女狐。彼女は私とご主人様の話を聞いていたお陰か私の後輩として色々サポートしてくれます。
私への敬意というよりはご主人様への忠誠故なのだと思いますが、私より力が強い事で威張ることもなく、今のところはまずまずの関係です。
ある朝、ご主人様がこんな事を言ってきました。
「ネギまは卵っていっぱい産めるのか?」
なんてストレートな殿方なのでしょう。
産めると答えると、ご主人様は今すぐ3つ産めと言いました。
こんな朝っぱらから、3つもですよ?
ご主人様はエッチです。
私は恥ずかしがっている素振りを見せないように注意しながら卵を産みました。
殿方に見られながら卵を産むのはそれはそれは恥ずかしいものでしたが、何か胸の内にきゅんとくるものがありました。
どうしよ、もう一個でちゃう……。
いけません。私は気をしっかり持って耐えます。
「あぁ、ご主人様〜」
ありがとうと微笑み、私が産んだばかりの卵を調理する姿はとても素敵です。
今日の朝ご飯は目玉焼きにしたようで、リシア様とペトラ様にお皿を配ると3人で食べ始めました。
「うん。美味しい!やっぱり新鮮な卵はいいな!」
ご主人様はそう言って私に笑いかけてきました。
「ぽっ」
なんということでしょうか。
不意打ちの笑顔に気が緩んだ私は4つ目を零れ落としてしまいました。
はしたない女と思われたくない一心で卵を隠します。
バレてないよね……??
ご主人様に嫌われてしまうこと、それは何よりも怖いことです。
私はご主人様に仕えてからの時間は短く、お互いの事は知らないことばかりですか、この笑顔を見ると頑張ろうと思えて来ますし、愛おしく思うのです。
だから絶対に……
よし、私、決めました。
眷属第1号としていつまでも、どこまでもお供して、そしていつか有精卵を産むのです。ネギまは世界一の眷属だって言ってもらうのです!
それが私の目標です!
「さて、次は人化のスキルですかね!」
私は卵を抱え、そっと教会を出るとクハクと共に狩りへと向かうのでした。
今回の主人公はネギまちゃんでした。
この章はこのお話にて終了いたします。
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