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奴は忘れた頃に



「え、ここでリリムの弟子が働いてるの?」


 俺たちが入ったのは、超高級そうなレストランだった。

 前世では生涯絶対に入る事のなさそうな場所に、俺も理沙も思わず大口を開けて放心する。


「翔太先輩、これはやばいですね」


「やべぇな」


 なんかもう、絨毯の感触とかもすごいのだ。

 ぶっちゃけこのまま床で寝れるレベル。


 天井にはキラキラのシャンデリアが飾られており、ホールで働く人達もピシッとしている。


「ごめんね。流石に今日は貸し切りにできなかったんだ」


 リリムは申し訳なさそうにしているけれど、俺からしたらこんな所でご飯を食べれるだけで俺としてはハッピーだ。


「いやぁー。貴族に嫁いだときのためにテーブルマナー学んでおいて良かったー」


 少し後ろでキノがぽつりと呟く。


「てててテーブルマナー?」


 ななななな何それ。

 

「ちょっと、翔太先輩。何ですかそれ。私そういう知識全くないんですけど?」


「俺もだよ。……どうすんだよ、これ」


 俺と理沙はガクガクと震えながら案内された方へと向かう。


「と、とりあえず、みんなの様子を盗み見しながら食べるぞ」


 俺は不審な挙動で席に着いた。


 程なくして運ばれてくる料理。

 机の上に並べられた複数のフォーク達が俺にマナーを強要しているのがわかる。


 ただ、料理自体もレベルが高く、前菜として運ばれて来たサラダの見た目は華やかだ。

 すごく美味しそう。早く食べたい。


「じゃあ、翔太くん。早速頂いちゃおうか!」


「お、おう。そうだな。いただきます!」


「「「いただきま〜す」」」


 俺はいただきますの挨拶をしてから、みんなの様子を観察する。さて、どうやって食べるのかな?


「……」


 あれ。誰も動かないぞ。


「一応翔太が代表なんだし、一番に翔太が食べるのをみんな待ってくれてるの。私も待ちきれないから、早くして」


 だっダニィ〜?

 俺が、1番、だと? 無理だ。できっこない!


『ふぅ、良かったぁ。私、テーブルマナーわからないからどうしようか困ってたんだよねぇ。我等が主の翔太様が一番に食べてくれるなら安心だぁ』


『主様の食べ方絶対優雅で綺麗なんだろうなぁ』


『ウチ、食べ方分からへんし、真似して食べようかな』


『ねぇ、翔太先輩、どんな気持ち? 今どんな気持ち?』


 あちこちから念話が届く。

 理沙は後で覚えてろ。ぶん殴る。


「こほん、あ、あのーですね。うちの家族は元々身分の高くない人達がほとんどだろ? テーブルマナーを学んでいる人も多くないと思うんだ。だから、食べる前に、キノから少し教わろうか」


『流石ご主人様!』


『私たちに気を使って……』


『優しいなぁ』


 俺を称える声が念話で聞こえてくる。

 ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ心が痛くなった。


『キノ、見せ場は作ってやったぞ! みんなに慕われるチャンスだ!』


 恩着せがましい事この上ないけれど、俺はそのままキノに丸投げした。


「ではご覧に入れましょー」


 結局、ノリノリなキノのお陰で、一難が去った。



 その後は楽しく、美味しくお昼ご飯を食べた。

 めちゃくちゃ美味かった。ハチャメチャ美味かった。

 リリムも今日食べた料理は作れるらしいし、今度頼もうと思う。


 さて、お腹が膨れので、次は再び祭りへと参戦。

 旅の聖歌隊が来ているらしいとの情報を得て、俺たちは広場に向かった。


「聖歌隊は12歳以下の子供たちで結成されてるんだってさ」


「へぇー、ペトラも入れるんじゃん」


 俺はリシアが教えてくれた豆知識をペトラに振る。


「そーかも! あー、でもペトラはいちおー魔王だからきのこを称えるお歌は無理かなー」


 どうやらきのこやたけのこを神聖視するこの世界では聖歌の内容もそこに触れたものらしい。


「きのこの歌か、ちょっと興味あるな」


 俺は内心で少しワクワクしながら聖歌隊を待った。


 そして──


「へぇー、見てよ、なかなか可愛いらしいんじゃない?」


 リシアが感心したように指さした方には白い制服に身を包んだ小さな子供たちだった。

 上限が12歳って考えると俺達日本人から見れば、小学生集団っていうのが、一番しっくりくるかもしれない。


「2列目の1番右の子はリシアよりも胸がデカイな」


「だから何? 殺し合ったら生き残るのは私なんだから」


 そりゃあ、そうだろうよ。


「リシア、しょーた、しっ! はじまるよ!」


 子供たちは指揮者らしき少年に合わせ、息を吸い──


 イェアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア


 Fooooo!!! まぁぁぁっしゅ!


 きっNOKKO! KIっのっこ!!! きのこーーー!!



 頭に響くデスボイスが流れた。

 

「……翔太先輩、これって」


「ヘビメタってやつだな」


 子供からは想像できないような低い声が響き、それを聴いている観衆はぴょんぴょん跳ねている。

 どこのライブだよ。


「なぁ、リシア。聖歌の作詞作曲って……」


「初代勇者ね」


 忘れた頃に出てきたなぁ、その名前。



全くネタが思いつきません。

何書けばいいのかわかりません。

お祭りの話飛ばしちゃってもいいですかね

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