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グレイプニールの制約  作者: ラー油
第1章 ついでの冒険
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第2話




少年の格好はこの世界の物ではなく、困った顔で両手を上げて固まっている。


その姿を見たイェンスは目を丸くし、ミアはフーッ!と毛を逆立てて警戒した後、主人の方に飛び乗った。



「イェンス様、異世界人ですよ!しかも何です?あの構えは!」

「ふふ、あれは降参のポーズなんだ、警戒しなくても大丈夫さ。」



普段あまり表情を変えないイェンスがクスッと笑った。



「なあ、そこのローブの人。イェンスでいいのか?教えてくれここは何処なんだ?英雄だ何だと聞こえたらいきなりここに飛ばされて、俺にはさっぱり状況が……。」

「ああ、申し遅れてすまない。僕は魔導士のイェンス、肩に乗ってるのは使い魔のミア。混乱するのは当然さ。ここは君が居た世界とは別世界だから。」

「へ?流石に冗談だろ?いや、俺夢見てるのかな?」



イェンスは結論から先に述べた。

結果:いきなり突拍子もない現実を突きつけた為さらに混乱させた。



「おかしいな?混乱させてしまったみたいだ。ミア、後は君に任せるよ。」

「ちょっと待ったあ!!説明が面倒だからってすぐ丸投げするの辞めなはれや!?」



パシイッ!!

ミアの猫パンチ!(クリティカル)


しかしダメージを与えられない!

イェンスはほっこりした。



「ボソッ……後で特上ニボシあげるから。」

「ニボシ!?……いいの?エッフン!分かりました承りましょう!」



一体何の茶番を見せられてるのか?と思いながらそれを眺めている少年。

そこに尻尾を立てたミアが猫らしい身軽な歩きで近づいてくる。



「そこの少年!」

「お、俺は少年じゃない!コウだ!」

「ではコウ!今からニボシに免じて、このミアが直々に説明してあげるからよく聞く事!いいね?」

「わ、分かったよ。」



それから怒涛の如く喋る猫による説明が始まった。



要約すると、攫われたお姫様を助けるついでに、世界を滅ぼしかけた魔狼の子孫をボッコボコにする為、旅をするらしい。


その為にこの世界の英雄の生まれ変わりを召喚したら、何故か異世界人である少年が呼ばれました。

By魔導士と一匹


魔導士と一匹は、コウの方を「これで分かったよね?」という顔をして見つめている。



「俺がこの世界の英雄の生まれ変わり?いや既に異世界に来た時点で俺は混乱してるんだけど?」

「チッ……。」

「面倒くさいなって顔しながら舌打ちしないで!?」



すると何やらイェンスとミアはそそくさと距離を取り、こしょこしょ話を始めた。



「どうしますイェンス様?肝心の勇者ポジションがあれだと、格闘家あたりも呼んだ方がいいのでは?」

「却下、これ以上召喚に魔力使うのは僕が疲れる!」

「じゃあ旅人のギルドにでも行って(半ば強引に)確保しますか?」

「そうだね、それで行こう!」



コウが先程の舌打ちを引きずっていじけている間に、サクッと恐ろしい結論が出されているのであった。




お読みいただきありがとうございます。次の更新に御期待いただけると嬉しいです!

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