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門の向こう。

「………………ど、どうする? エリカ………………」

「ど、どうするって………………ガードマンを倒すわけにもいかないだろ………………そもそも倒せるわけないけど………………」

「………………と、なると………………正攻法しかないか………………だけど………………」

「………………うむ、そもそもイツキが、私たちに会ってくれるかどうか………………」

………………でも、いつまでもこうしてたってらちはあかないんだ。

「………………あ、マホロっ!?」

門を守るガードマンに向けて、ずんずんと突き進んでいく。当然見咎められて止められ、睨まれる。

「この家に何の用だ?」

「あのっ………………この家は、椎原さんのお宅で、間違い、ないですかっ。」

負けじとにらみ返す勢いでそう言うと、ガードマンからの圧が強くなる。

「………………間違ってはいない。だが、それを聞いてどうする?」

震えそうな足をしっかりと地面につけて、更に言い返す。

「………………椎原 樹さんに会いに来ました。」

「………………へ? 樹お嬢様に?」

そういった途端、ガードマンからの圧が一気に緩んで、気を張っていた私は思わず前に二、三歩つんのめる。

「い、いつき、おじょうさま………………? 樹が、お嬢様………………」

あの、時間さえあれば何かを「じー」っと見つめてる樹が、お嬢様………………ふぷっ、似合わない………………

その時、強面のガードマンさんが、一緒にいた細身のガードマンさんに後ろからポカッと殴られる。

「だーから言ったでしょ、この子達は樹お嬢様の知り合いかもって。」

「だ、だからと言ってだな………………全く警戒しない、と言うのも不用心だろ。」

「そりゃあそうだけどさ………………あんたはタダでさえ顔が怖いんだから不用意に睨むなっての。………………っとと、話がズレたね。 樹お嬢様への面会だね? ちょっと待っててな、話を通すから。」

と、インターホンの向こうに向けて何かを話し始める。少ししてから、細身なガードマンさんが、

「………………ごめん、名前を確認させてくれるかな? あ、学生証出してね。」

言われた通り学生証を見せると、ふんふんと見比べたあと、インターホンに向けて「間違いないですね」と返す。しばらくすると話が終わったらしく、何やら困り顔でガードマンさんが戻ってくる。

「うーん、せっかく来てもらったけど………………樹お嬢様はお2人に会いたくないそうで………………」

「ええっ!?」

「………………ほ、ほんとか………………」

………………そんな、ここまで来て………………目の前が真っ暗になるような感じがして、二三歩後ずさる。………………い、樹………………ほんとに、私たちのこと、嫌いになっちゃったんだ………………………………

「………………マホロ、帰ろうか………………」

ポンと肩に置かれた手を素直に受け入れて、門に背中を向けようとすると、

「………………おっとと、何もお引き取り願うとまでは言ってないからね? ………………あの見た目通り、樹お嬢様は気まぐれで、かつ寂しがり屋さんだからね。 気が変わってひょっこり顔を出すかもしれないし、それに………………まぁともかく、折角来たわけだし中に入って少し待ってみてはどうかな?」

「えっ、いいんで」

「おい鎌田っ!? なにを勝手に………………」

細身のガードマンさんに強面のガードマンさんが食ってかかる。

「いやいや、これは矢本さんの提案さ。………………あの方は樹お嬢様のことをよく分かってらっしゃるからね。」

「メイド長のか………………よし分かった、2人とも入れ。」

強面の方が門を開けてくれて、私たちはするりと門の内側に滑り込む。

「っと、忘れてた。 軽くボディーチェックと持ち物検査させてもらうね。」

言うが早いか、細身なガードマンさんがエリカの胸から背中にかけてをぺたぺたと触っていく。

「ちょっ、何をするっ!?」

「では荷物を調べさせてもらうからな。」

と、強面の方が私のバッグに手をかけると、

「おい、女の子のバッグを男が勝手に漁るなよ。そっちもあたしがやるからあんたは門の外で立っててくれよ。」

と、細身なガードマンさんがしっしっと強面の方を追い払う。

「………………あたし? 」

「………………ん、あぁ、やっぱ分かんないかぁ。」

そう言うと、ガードマンさんはエリカの手を取って自分の胸に当てる。

「………………じ、女性………………?」

「着痩せするんだよねぇ。………………ちなみにこれでもキミらの先輩だよ。10年ちょい前になるけど。」

「そ、そうなんですか………………?」

「うん。………………ほい、こっちの子は異常なし。じゃあ次は君ね。」

体の上から下までぺたぺたと触られる。特に変なものも持ってないし、荷物検査もすぐに終わる。

「お、お迎えもちょうど来たね。それじゃあ樹お嬢様によろしく。」

その視線を追うと、向こうからメイドさんが歩いてくる。

「ようこそ椎原家に。 樹お嬢様はまだご機嫌ナナメなのでまず応接間にお通し致しますね。」

私とエリカで顔を見合わせる。

………………い、一体樹の家って、どんなお金持ちなんだろう………………

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