表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/87

真夜中のヒメゴト………………?―おわりかけ。

「………………………………」

「………………………………」

月明かりの照らすテーブルで、私たち――私とエリカは向かい合って座る。エリカはどこかそわそわしてて、さっきからお尻のあたりを気にしてる様子。………………………………ち、ちょっと小さかったかな………………

私は、その前のことを思い返す。


「………………へっくちっ」

「………………あ、そう言えばエリカ、服着てなかったんだっけ………………………………」

「し、失礼な………………………………一応、最低限は着てるから。」

「ほんとの最低限、ね………………」

………………うん、このままほっとくと今度は私がエリカの看病することになる。………………確実に。

「待ってて、今換えの服見繕うから。」

なるべく物音を立てないように歩いてクローゼットを開けると、微かにエリカの残り香が漂う。ちょっと酸っぱいような香りは、怖かったからなのかな………………………………うん、全部取り替えてもらった方がいいかも。適当にごそごそ見繕うと、エリカのところに戻る。

「………………………………はい、これなら多分、着られると思うんだけど………………………………って、エリカ?」

なぜかさっきからギョッとしたままのエリカを、現実に引き戻す。

「………………こ、これ………………ほんとに着なきゃダメか?」

「嫌ならいいけど………………その代わり、そんなカッコのままだと風邪ひいちゃうよ?」

「そ、それは困る………………わ、わかった、着るよ………………………………で、でも………………なんで下着まで混ざってるんだ………………?」

「い、いや………………………………けっこう汗かいてる、みたいだから………………そ、その………………………………後ろ、向いてるから。」

慌ててくるんと後ろを向いて、エリカの着替えを待つ。

「い、いや、流石に下着までは………………………………ま、マホーロの、………………とか、触れたもの、だし………………」

エリカが言いよどんで、私も赤くなっていく。………………………………貸したものは当然返してもらわなきゃいけないし、でもそうなると………………そういうことだ。

「………………………………い、いいよっ、それ、あげる、からっ………………………………お、下ろしたてでまだ使ってない、から……………………………き、気にしないで………………………………」

「そ、そう、なのか………………………………でも、貰うのも悪いな………………そうだ、今度見繕ってあげるよ。………………………………あー、でもそうなるとイツキも連れてかないと………………」

「そ、それは多分大丈夫………………樹は暇さえあれば探検してるから、こっそり抜け出してもバレなそうだし………………………………それに、樹の部活の先輩に頼んで引き止めておいてもらえば。」

「………………そ、そうかっ…………………な、なら……………………………また、休みができたら………………」

そんなぎこちない会話を交わしたあと、意を決したようにエリカが自分の背中に手を回す。慌ててエリカにくるんと背中を向けると、

「………………………………いや、見てても、いいから。………………………………それに、ソワソワしてて挙動不審だし。」

「うっ………………」

じゃあお言葉に甘えて、なんて言い出せるはずもなく、私はすこーしづつエリカの方に向き直る。………………み、見たいなんて思ってるわけじゃないし、エリカのことに見とれてたりなんて、絶対にしない、もん………………………………

月明かりに照らし出されたエリカは、さながら動く彫刻みたいで………………足から布地を下ろしてパサリと脱ぎ捨てるだけのことなのに、仄暗い明かりのせいでとても怪しく見える。………………………………ハッ!?わ、私は今何を………………

「………………………………マホーロ、そんなにじっくり見られると、こっちもやりづらいんだけど………………」

薄いトレーナーに袖を通していたエリカが申し訳なさそうに言う。

「………………え、そんなに見てた?」

「………………けっこう、気になるぐらいに。」

「そ、そう………………」

………………自分だと全く覚えがないのに………………

「………………き、着替え終わったぞ………………」

なんとなく申し訳なさそうなエリカの一声で、私の目も覚めた。

「ど、どう………………?」

「………………ぴったりとはいかないけど、まぁこんなもんかな………………」

「そ、それなら良かった………………」

エリカにそっと微笑んで見せる。でもその裏側では、内心とんでもない葛藤に襲われていて。

(つ、使ってないって言ったけど………………………………ホントはこの前付けたことあるやつ………………)

弾けそうになる私の頭を、必死に押さえ込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ