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待ち伏せ。

どうも樹です。磨穂呂が引きこもっちゃって出てきてくれません。




「................なぁ、話だけでも................」

さっきからトントンと扉をノックするけれど、磨穂呂はドアを開けてくれない。

「磨穂呂................あの、悪かったから................とりあえず鍵だけでも開けて?」

中から返ってきたのは、くぐもった磨穂呂の声。

「................いくらノックしたところで、中には入れてあげないから。」

................と、閉じこもってから初めて声が返ってきた................

「マホーロ、................話がしたいんだけど。」

「........................私からは、何も話すことはないですよ。................『エリカさん』」

冷たく冷えきった磨穂呂の声。今まで聞いたことないよ、こんなの................

「ま、まほろ................開けてよ、................と、友達でしょ?」

「................そうですね。確かにエリカさんと『椎原さん』はお友達であり、仲睦まじいです。だけれども、私には関係ありませんので。」

口調までおかしくなっちゃった磨穂呂は、取り付く島もなくて。

「................ど、どうしよう................」

「うむぅ................そうだな、磨穂呂だってお腹空くだろうし、このまま待ってるのはどうだ?」

「うーん................でも磨穂呂のお部屋には、お菓子もジュースもたくさんあったよ。だから、お腹は空かないと思う。」

あれなら2~3日ぐらいお部屋出なくても大丈夫そうだし................あ、でも授業どうするんだろ。やっぱりお休みかなぁ。

「................そうだイツキ、いくら意地を張ってても、マホーロも人間だし................食べ物があっても、何か食べたらしなくちゃいけない事があるだろ?................その、休み時間とかよく行くじゃないか。」

「あ、そっか。................確かにお部屋の中にはトイレ無いし、ここで待ってれば。」

そう言うと、磨穂呂の部屋の前で二人で待つ。時折廊下を通る人に変な顔されるけど、そういう時は笑って誤魔化す。........................けど、磨穂呂は意外に強情で、意地っ張りで。

「ね、ねぇエリカ................こうやってずっと待ってるけど、磨穂呂が出てこないよ................?」

「................うーん、もしかして................寝てるのか?」

こっそりとエリカが扉に耳をつける。

「................一応、物音はするな。」

そう言うとエリカはまた壁に寄りかかるけど、時々足を擦り合わせたりして落ち着かないみたいで。私の方も、さっきからそわそわしっぱなしで................

(................さ、先に私たちの方が限界になっちゃった................)

「え、エリカぁ........」

こっそり目線で訴えると、エリカも目を泳がせる。

「................しょうがない、諦めるか................」

そう言うと、二人で小走りにトイレへと駆け込んだ。


「................ふぅ。」

なんとか、間に合った。

「................エリカ、磨穂呂は出てくるかな?」

「................どうだろうか、................実言うと、私はもう諦めてる。」

「................そっか。」

................でも私は、諦められない。

「とりあえず、私は磨穂呂の部屋の前でもうちょっと粘ってみる。................磨穂呂も根負けするかも知れないし。」

「そうか................なら私も付き合うよ。」

手を洗って外に踏み出すと、後ろで鍵の開く音がする。ギィ、と扉の軋む音に振り返ると、

「................まほ、ろ................」

すかさずエリカが、出口を通せんぼする。けど磨穂呂は、その手をいとも簡単にすり抜けて居なくなろうとする。

「磨穂呂、待って!!」

すんでのところで磨穂呂の手を掴むと、そのまま体重をかけて膝をつかせる。目線が同じ高さになったところで、すかさず磨穂呂の唇にちゅーをする。カッと見開かれた磨穂呂の目と、後ろで立ち尽くすエリカ。

「................これで、あいこ。エリカと磨穂呂、どっちも引き分け。」

「ど、どういう事なの................?」

ぽーっとした磨穂呂のほっぺたをぺしぺしして正気に戻す。

「................ごめん磨穂呂、私もウソついてる。だから................磨穂呂のお部屋で、全部話させて?」

一応問いかけのつもりだけど、私には磨穂呂に拒否権を与えるつもりなんて、さらさら無い。

磨穂呂は、弱々しく頷いた。

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