服選び、スタート。
「ん、ここ................」
「ふわぁ................」
「ほう、こんなとこがあったのか。」
今、私たちはバスに乗って、少し離れたショッピングモールに来ていた。................学園の近くのお店じゃ、そんなに選べる服も無さそうだし。
「じゃ、行こっか................えっと、服屋さんは」
「ねーひじりちゃーん、ワック行こうよー!!」
私の言葉は、後ろから飛んできたものすごい声量の声にかき消される。................あれ、どこかで聞き覚えが........................
「もう、栗橋さん。そんなに大きな声出さなくたって充分聞こえてるわよ。................ほら、みんなが見てるじゃない。」
そう言って私たちの前に現れたのは、
「................あっ」
「あら................」
キツネみたいな、あの先輩。
「奇遇ね。あなた達も買い物?」
「は、はい................。」
とっとっとと走りよる音。
「................もー、聖ちゃん遅いー................って、あれ?あれれ?せいたかのっぽちゃん?」
................ま、まだその名前で覚えてるんですか................
「しかもさらにおっきい子もいるしっ、えーと................電柱ちゃん?」
みんなして盛大にずっこける。................え、エリカは電柱ちゃん................
「もう、困らせたらダメでしょ。................ほら、ワック行くんでしょ。さっさと行くわよ。」
不思議な先輩の首根っこを掴んでキツネ先輩がずるずると引きずっていく。
「................な、何だったんだろ................」
と樹が呟けば、
「................マホーロ、あの先輩を知ってるのか................?弓道部で一番、人気があるという噂の................」
「へぇ、美人さんだなーって思ったけど、ほんとに人気なんだ................」
................なんであの不思議ちゃん先輩と仲良いんだろ?
「................ん、それよりも買い物................」
「あっ、そ、そうだった................」
慌てて、ショッピングモールの中に駆け込んだ。
「................へぇ、こんなのでいいの?」
樹が、売り物の下着を引っ張ったりつんつんしたりする。
「うん。................ほら、中にナプキンをしくとこがあるでしょ?」
「んー、でもなんかかわいくない................」
「それなら、こんなのはどう?」
「................うーん、迷う................」
「まぁ、じっくりと考えてからでもいいんじゃないか?」
そう言うエリカの両手には、どこから見繕ったのか、服が上下握られていた。
「エリカ、早いね。」
「................そもそも、選べる範囲が狭いしな。」
「................ごめん................」
「................ま、いいさ。とりあえず試着してみる。」
「あ、待って。」
樹が顔を上げる。
「................どうせなら、見せっこしない?」
「見せっこ?」
「................うん。自分で服を選んで、それでフィッティングルームで着てみて、お互いに見せ合うの。」
「ほほう、なかなか楽しそうだな。」
「................それ、いいかも。................でも、フィッティングルーム三つも空いてるかなぁ................」
「ああ、それならそこが空いてる。」
エリカが指さしたとこは、5個並んだ衝立のスペースがどこも空いていて。
「とりあえず、先に3つ確保しておくから、早めに戻ってこいよ。」
「わかった。................さ、樹。」
「うん................あ、これにする。」
「はいはい。」
エリカに場所取りを頼んで、私達は別れて走り出した。




