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餌付け................?

またトントンと階段を降りて、食堂に入る。

「あれ、ガラガラだね。」

「まだコンサートの生中継が続いてるんじゃない?」

「................ま、でもいいんじゃないか?久しぶりにのんびりと、Essen................ご飯が、食べられそうだし。」

「ん、それもそっか。」

食券の自販機の前で、今日は何食べよっかなってみんなして迷う。................ふむふむ、今日はサバ味噌の和食に、ヒレカツモードに、焼きそば大盛りセット、焼きおにぎりとスティックサラダ................がっつりしたものばっかりだなぁ。

「................ふむ。このヤキソバとやらを貰おうか。」

「なら私はサバ味噌ー。磨穂呂は? 」

「................うーん、ヒレカツに、しようかな?でも................いいや、焼きおにぎりセット。」

別にお腹周りは気にしてないけど、私自身油っこいものがそんなに好きじゃないし。

ひとまず自販機のボタンを押して食券を取り出す。三種類発券すると、それぞれエリカと樹に手渡す。

「それにしても、タダでご飯が食べられるのっていいね。」

「イツキ、寮のご飯代は、私達のVaterやMutter、パパやママが出してくれているんだぞ。」

「................確か、入寮費とかと、一緒に、払い込むはず。」

「........................そうなの?」

樹はキョトンとしてる。................え、もしかしてほんとにタダだと思ってたの?

「と、とりあえず、ご飯貰ってこよ。」

カウンターに食券を差し出すと、すぐに私達の分が用意される。私達の他には人影なんてほとんど無いし、空席を探す必要もなく空いた四人席に座る。

「................ふむ、これがヤキソバ................Braun、茶色のパスタか?それに、この粉は................」

「食べれば分かるから。それにしても磨穂呂はそれだけでいいの?」

「うん、他のはちょっと、ボリューム多めだから。」

そう言って一つ目の焼きおにぎりにかじりつく。香ばしい焼き目と、まんべんなく塗られた醤油が私を楽しませる。

「................こ、これはっ。」

エリカが焼きそばを恐る恐る口に入れて目を見開く。

「この茶色................Soßeか!?」

続けて二口目を口に運ぶと、その後はどんどんヤキソバの山を食べ進めていく。とはいえ、お上品に箸で少しずつ持ち上げながらだからなかなか減らないんだけど。

「ラーメンみたいにすずーっとやればいいのに。」

「樹、海外だとそれは、マナー違反。」

早くも二個目のおにぎりを食べ終えた私は、スティックサラダに手を伸ばす。ちょうど手についたのは................あ、ニンジンだ。マヨネーズを付けて一口かじると、サクリといい音がする。

「あ、磨穂呂いいなぁ。」

「樹も食べる?」

今度はキュウリをつまんで樹の目の前に差し出すと、そのまま樹はぼりぽりと食べ進める。もう、お行儀悪いんだから。

「ま、マホーロ。私も、貰っていいか?」

やりとりをうずうずしながら見ていたエリカも、ついに声をかけてくる。

「はい、どうぞ。」

と、スティックの入った器ごと差し出すと、

「........................その、イツキみたいに、食べさせてほしいんだ。」

ちょっと赤い顔でエリカが言う。................え、して、欲しいの?

「................ふふっ、エリカって、可愛いとこあるんだ。」

「なっ................は、早く食べさせてくれ。」

「はいはい。」

ニンジンスティックをつまんで、エリカの目の前に差し出す。................あ、なんかこうしてると、ウマにエサをあげてるみたい................?

「ん、エリカずるい。磨穂呂、私もっ。」

樹が口を開けて次のスティックを待っている。

「ちょ、ちょっと待ってっ、」

残りをエリカの口に強引に押し込んで、今度はニンジンスティックを樹に差し込む。

「................ん。今度はキュウリお願い。」

「そっちも!?」

慌ててキュウリをエリカの口の中に押し込む。................って、

「................わ、わたしは、エサ係じゃなーい!!」

立ち上がってぷんすこ怒って、それでも収まらなかったから、食べ終わったトレーを戻しに行く。返却口に向かって歩く私の前を小さな影が横切った。

「あっ................」

「およ?さっきの子じゃん。どうしたの?ひーちゃんの彼女になる?」

「................えと、ひーちゃんさんで、よろしいですか?」

「あはは、フツーにひーちゃんでいいよ。それでどうしたの?」

「あ、いえ........................さっき、お風呂場で、ひーちゃんさんを探してる人がいたので................」

「........................え?待って、もしかして................こう、セミロングな?」

「は、はい................」

「........................ど、どどどどどうしよっ!?知代ちゃんとの約束すっかり忘れてたぁぁぁぁぁ!?」

ひーちゃんさんは、食器を雑に返却口に放り出すと、真っ青な顔をして食堂を出ていった。

........................な、何だったんだろ、あれ................。

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