表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/87

おめざめ。

「................ほろ、まほ、ろ................まほろ、起きてっ」

ゆさゆさと身体を揺さぶられて、私は目を覚ます。

「........................もうちょっと、寝かせて................」

ごろんと反対側を向くと、覚めちゃった目をまた戻そうとがんばる。けど、ゆさゆさ攻撃は止むことはなく、更に激しくなっていく。

「................あぁ、もう................お姉ちゃん、もっと、寝かせて、よ........................。」

いつもの癖でこぼれた言葉。................って、あれ、私は菊花の寮に入ったんじゃ........................。

おかしいなぁ、と思いつつ薄目を開けると、ちょっとむすっとした見知らぬ―――いや、よく知った顔が、私のことをのぞき込む。

「........................ふぇ、いつ、き........................?」

なんで私の部屋に樹がいるの........................? ぼんやりした頭で記憶をたどって................すぐにはね起きると、樹のおでこに私の頭がクリーンヒット。

「いった........................」

「いててて.......................」

二人して頭を抱えてうずくまる。でも、痛みのおかげか、目は完全に覚めた。

「いてて................もう磨穂呂、いきなり起きないでよぉ................頭がスイカみたいに割れるかと思った。」

「ご、ごめ、ん........................」

ちょっとズキズキする頭を抑えて樹に謝る。................ついでに、昨日のことも。

「................そのっ、いきなり、押しかけて................ごめん。」

「................それは別にいいや。磨穂呂に抱っこされるの、あったかくて気持ちよかったし。」

「ひっ!?」

慌てて持ってきたぬいぐるみを探すと、ベッドの下でこてん、と転がってた。................ってことは、一晩中抱っこしてたのは................

「................もう、離してくれなかったから寝返りできなかったんだよ?それに寝息がかかってくすぐったかったしさぁ。」

見ると、樹の目がちょっと赤くなってて。........................もしかして、樹が寝るの、邪魔しちゃってた?

「そ、それなら、起こせば、よかったのに................」

「................すやすや寝てる磨穂呂を起こす勇気なんて、無かったから........................」

「そ、そう................」

二人して目線を逸らすこと、30秒。先に樹が折れた。

「................とりあえず、支度、しよ?」

目線を追うと、時計の針はいつもよりもかなーり遅い時間を指し示していて。

「ちょ、いつきっ、」

「................とりあえず私は制服に着替えるから、ちょっと出てて貰えるとありがたい、かな................」

「ごめんっ、私も、部屋、戻るっ」

挨拶もそこそこにして、廊下を短距離走して階段を駆け下りて自分の部屋に戻り、ハンガーをひったくってパジャマを脱ぎ捨てて制服を着る。................ああっ、ボタンかけ違えたっ!?

やっとのことで制服を身につけると、扉の外から遠慮がちなノックが聞こえてくる。

「あのー、磨穂呂................?」

返事も待たずに開けられた扉のスキマから、樹がちょこんと頭を差し出す。

「................鍵、私の部屋に落っことしてたよ。」

「................へ?」

................そういえば、私は昨日鍵を持って出たはいいけど、肝心の鍵をかけてなかったような................

「................うわっ、磨穂呂、そのカッコ................なんでパジャマの上からスカート履いてるの?」

「えっ?」

慌てて見ると、確かに................後ろを向いていそいそと脱ぎ散らかすと、樹にチョンチョンと背中をつつかれる。

「................髪、ボサボサだから直してあげる。................とりあえず、しゃがむか座って?」

言われた通りにその場にしゃがむと、樹が不器用な手つきで櫛を入れていく。何回も引っ掛けては髪が犠牲になるし、ガリガリされて痛かったけど................一生懸命にやってくれてるのは、伝わった。

「................と、とりあえず、こんなもん?」

そう言われて鏡の方を向くと、ひとまずはいつも通りの髪型に戻っていた。

「ん、ありがと、樹。」

何気なく差し出した右手はちょうど樹の頭の辺りで、途端に樹がむすっとする。

「................磨穂呂、私の方がお姉さんなんだからね?」

「................は、はーい................。」

そう言いつつも、樹は素直に撫でられていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ