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立ち話。

今回もゲストさん多めですのん。

(................やっと、逃げ出せた................)

私は、樹の部屋のドアを後ろ手に閉めてから、ようやく一息つく。................私の中のこの気持ちは、やっぱり『スキ』だったんだ................。

(........................まさか、初めての恋の相手が女の子、だなんて................。)

................お父さんとお母さんが知ったら、どう思うかな。................何をバカなって言われるかも。でも................樹のコト、スキなのは確かみたいだし................。

揺れる私の心を引きずって、今日三回目のニアマートへと足を運ぶ。

(................アイス、アイス................)

あった。................けど、バニラは一個しか残ってなくて。................しょうがない、もう片方はイチゴにしよう。

ニアマートを出ると、そのまままっすぐ寮へと歩いていく。................待たせるのも悪いし、ね。

そして、寮への道を横切ろうとした時、横から不意に人が突っ込んできて、慌てて立ち止まる。................も、もう................危ないなぁ。

「........................なんだお前は。私の走り込みを邪魔するな。」

頭の下から不機嫌そうな声が飛んでくる。私に体当たりしようとしたその人は、全部バッサリと切り落とされた黒髪で................それが逆に、目線の鋭さを和らげる。

「................おいお前、聞いてるのか。」

私の方へと一歩踏み込んで睨みつけてくる。................わ、私は................

「................しかもその制服................お前、一年か................?くそっ、私よりも背が高いだと!?い、一年のくせに................」

................いや、背の高さは私にはどうにもならないんですけど................それなのに、その人は私のことを上から下まで見て更に腹を立ててるようで................

「................わ、私のことを見下ろすんじゃないっ。それにどけっ、邪魔だっ」

................ひ、引き止めてるの、あなたですよね................?どうしよう................と迷っていると、

「................須々木さん、何をしてるの?」

どこかで聞き覚えのあるその声に振り向くと、

「................あら、また会ったわね。」

「あ、さっきの................」

................キツネ目の人だった。けど、さっきと違うのは、今は胸当てを付けて弓道着姿ってこと。

「................砂塚先輩................」

................あれ、さっきまでの威勢はどこに................?

「................いや、走り込みしてたら急に目の前に出てこられて................」

「それはそうでしょ。ここ、寮の玄関口だし。................走り込むのはいいけど、人の迷惑にならないようにしなさい。あと須々木さんの場合は下半身じゃなくて上半身を鍛えなさいって何度言わせるの?................また巻藁運びさせるわよ?」

「................わかりました。」

私に突っかかってきた方は、ぶすっとした様子で返事をする。 ........................わ、私もちょっと怖かった................。

「................全く。なんとなくモヤモヤするから外に出てみたのに、................もっと調子乱しそう。」

凛とした空気が更に強まる。................わ、私にも飛び火しないうちに逃げよう................。

「ひーじーりーちゃーん!!」

わっ!?................後ろからいきなり大きな声が飛んできて、思わず振り向く。................あ、合唱部の人。

「................栗橋さん。恥ずかしいから大声で名前呼ぶのやめて、って何回言ったら分かってくれるのよ................。」

今度は、弓道着の人が頭を抱えた。................あれ、凛とした雰囲気はどこに?

「聖ちゃん、練習もう終わり?ならクタバ行かない?」

「まだ終わってないわよ................それにクタバなら昨日行ったでしょ?」

「えー................なら今日は聖ちゃんち行こっかなぁ。」

「................もう。クラス同じになったんだから毎日会えるでしょ。それにうちに来たって何も面白いものは無いわよ。」

一転して柔らかくなった空気に、もう一人の方は目を白黒する。................こ、このスキに................

「あー!!昨日のせいたかノッポちゃんだー!!」

せ、せいたかノッポちゃん、って................

「ねぇねぇ聖ちゃんと知り合いなの?名前なんて言うの?合唱部来ない?」

マシンガンのように次々と繰り出される質問に、私は答えを作る余裕もなく立ち尽くす。

「もう、困ってるじゃない。質問は一個にしてあげなさい。................あ、ちなみにさっき顔見知りになっただけだから。」

「そ、その................合唱部、は................今のところ、考えて、ません................すい、ません................」

とりあえずの答えを呟いて、向こうの反応を見る。

「えー!!いい声してるんだから絶対来た方がいいよー。おやつもたべほーだいだしっ。」

「................その辺にしときなさい。ほら、行くわよ................もう、しょうがないわね。」

と、合唱部の人を弓道着の人が引っ張っていく。................なんとなく楽しそうなのは、なんでだろ................?

........................って、いけない、早くしないとアイス溶けちゃう!?

私は足早に階段をかけ登ると、ノックもせずに樹の部屋の扉を開ける。

「ごめん................遅く、なっちゃっ........................て................」

私の視線の先には、樹が素っ裸で立っていて。

................この階中に、樹の悲鳴が響いた........................。

須々木 舞衣はうちの3期のお嫁さんキャラなのです。音沙汰が無いのでひじりんのお供として連れてきましたのん。

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