緑色のトレーナー
また、冬がきた。
口数少ない私が出来る、ささやかな決意表明。
お気に入りのトレーナー。緑色のトレーナー。
何時もにしちゃ派手でしょ。
気持ち足取り軽くなる。
アスファルトの街、畦道の残る街。
何処でも馴染む緑色のトレーナー。
とてもお気に入りのトレーナー。
苦手な春だけど、そこに輝く葉の緑色。
うんざりする夏だけど、そこに輝く草原の緑色。
悩み多い秋だけど、そこに輝く海の緑色。
荷が重い冬だけど、ここにたなびく緑色。
いつでも、どこでも、お気に入りの色を探してる。
見つけると、それだけで恋心味わえる。
温かくて、淋しい。
心細くて、やさしい。
恥ずかしながら、恋してる気持ち。
少し濃いめの緑色のトレーナー。
肘のところ、淡くなった緑色。
恥ずかしながら、恋心に包まれる。
遠くなった君を思う時、肘をついて思いを支えてる。
緑色のトレーナーに包まれて。