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怪 談   作者: 冬月 真人
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【始まり】

 


その家には居候がいる。

ひとりなのか不特定多数なのかは分からないが、とにかく住んでいる。

…いや、棲んでいる。


沢木和恵と小6の息子の透、そして小4の涼子はお隣りの家にお邪魔していた。

すぐに戻るつもりで鍵も掛けずに出ていた。

気が付けば1時間。

ふと窓から我が家を見れば、主の英雄の車が停まっていた。

「お父さん、帰ってるわ!」

和恵は慌てて『おいとま』すると自宅へ戻り、玄関のノブを握った。

…開かない。

鍵を掛けられていた。

インターフォンを鳴らす。

締め出された事にカチンときたのか鳴らし方が荒い。

やがてドアの向こうでドタドタと音が聞こえ、鍵が開いた。

和恵がドアを開くと腰にバスタオルを巻いた格好で英雄が立っていた。

「お父さん、随分陰険じゃないの!そりゃぁこんな時間までお隣りに居たのは悪いけれど鍵を掛けるなんて酷いでしょ!!」

和恵がヒステリックにわめいた。

英雄はキョトンとした様子で二階を見上げた。

「なぁ、上に居るのは誰だ?」

次にキョトンとするのは和恵の番だった。


英雄の話はこうだった。

帰宅した英雄が『ただいま』と玄関を開けると二階で笑い声がした。

なんとなく『おかえり』とも言われた気がして、まぁとにかく皆が二階に居ると思って施錠をして風呂に入っていたとのこと。

そして風呂から上がって冷蔵庫のビールを物色しているとインターフォンが鳴ったということだった。



その晩は家族全員が居間で並んで寝たのは言うまでも無い…





新築1年目。

これが始まりだった…




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