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怪 談   作者: 冬月 真人
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【真夜中の訪問者】


自宅のベッドで寝ていた透に異変は起きた。

人生初の金縛りだった。

呼吸が浅く早い。

体は鉛のように重たくて(まぶた)すら動かす事は出来なかった。

『あぁ、金縛りか…』

別段慌てる事は無かった。

透はいつか読んだ金縛りの科学的メカニズムを反芻していた。

恐怖はない。

そう、次の瞬間までは…


突如気配がした。

ヘッドボード側の壁付近から何かが来た。

見えてはいない。

だが何故か分かるのだった。

15cm四方位の扉が現われてそこから何かが出て来たのだ。

両開きの扉の軋んだ音は、確かに聞こえた。

そして出て来た何かは黒い影の姿でベッドの上を通って足元の方へと移動した。

見えていないのに黒い影だと分かった。

直後ベッドが激しく揺れた。

上下するマットレスに合わせて身体が跳ねる。

すくんで声も出なかった。

透は間違っても目が開かないように強く力一杯、瞼を閉じた。

時間にして数分…

正体不明の何かは今度はベッドの脇を通ると再び小さな扉へと帰って気配が消えた。

それでもまだ、目は開ける気になれなかった。

透は手探りでリモコンを探すとテレビと照明をつけた。

そこでようやく目を開けることが出来た。

日テレのニュースヘッドラインが流れていた。

時間は午前3時。

もちろん地震等は起きてもいなかった。



それから数日後。

透は無線仲間と交信していた。

通信相手が唐突に少し前に起きた出来事を話しだした。

『俺が寝ていたらイキナリ金縛りに遭ってよ、そしたら壁から女が出て来たんだよ』

「見たの?」

透は数日前の自身の体験を思い出していた。

『いや、怖くて目は瞑っていたけど女だって…髪の長い女だってことは何故か分かったんだ』

「ああ、なんか分かる」

透は強く共感した。

『でよ、ベッドに上がって俺の顔をずっと覗き込んでるんだよ。俺は絶対に目を開けないように力いっぱい閉じてたんだ。そして暫くしたらまた壁から出て行ったんだ』

「・・・・・・・」

あまりに似すぎた話に声が出なかった。




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