はじまり
これが正真正銘の処女作です。
初めての投稿なのでお手柔らかにお願いします。
「えーと、よし。 これでだいじょうぶかな?」
そうつぶやき、ズダ袋の中にかびたパン、水、小綺麗なナイフが入っていることを確認し、3〜4歳ぐらいに見える少年、カトは周囲を気にしながら歩き始めた。
この少年、カトは冒険奴隷であり、奴隷の身分から逃れるために、なけなしの食料とここで拾ったナイフを持ち、この世界で一番大きな転生者が作った都市、オルレアに行こうとしていたのである。
この少年がいたのは新しく見つかったダンジョン。
この少年の様な奴隷を集め、冒険者の私利私欲のために鉱山のカナリアとして使い潰す。
もしここで運よく生き残ったとしても冒険者の保身のために殺され、逃亡しようとしても死亡判別と場所把握用のタグがつけられているため、ここにいる者たちは皆死ぬしかないのである。
だが、カトは他の自分の境遇を嘆き、何も考えずに死へと向かおうしている人間とは違い自分達のことを連れてきた人間の話を聞き、生き残る道を探そうとしていた。
「コイツラが死ぬおかげで俺等は明日から英雄だ!おれらのことを見下す転生者どもに一泡吹かせてやる」
「ええ、そうね。たしかにわたしたち未来の英雄、その上転生者を見返して上げる存在のために死ぬだなんて幸運なことよね。もっと感謝してくれないと。」
「この呻くだけのゴミどもにも利用価値があるとは思わなかったぞ!こんなことを思いつくのはお前か転生者ぐらいのものだ!」
「それはお前らが考えようともしないダチョウのような脳みその馬鹿だからだ」
「「「あ”?」」」
などと軽口を叩きながらも、嬉しそうな雰囲気を隠せていない人間が4人。
コイツラは全員、奴隷を集め未踏破のダンジョンを攻略し、名を上げようとするクズどもである。コイツラのパーティランクはCで、パーティ名は「ルーラー」本来なら未発見の何があるかわからないダンジョンに入っていいランクではなかった。
だが偶然このダンジョンを見つけるだけの運があり、その後ギルドに報告もせずに違法行為をすることを考えつくぐらいには馬鹿で下劣なパーティであった。
今現在においてこのパーティにとって至上の幸福な時間であったことであろう。 まあ巻き込まれた哀れな奴隷達においては真逆であろうが。
そんなことはどうでもよく、ここにいるカト、この物語における主人公は、物心がついたのが最近であり、まだ知識がなく、一般常識も怪しかった。
だが、カトは自分が生きるために冒険者が話していることを聞き、少しだけだが知識を手に入れた。
・オルレアという都市がこの世界で一番大きく発展した都市であり、ここの攻略に成功したらそこで「王様」に表彰を受けるであろうということ。
・ここの攻略が終わってもし生き残っている奴隷がいたら証拠隠滅のため全て殺そうということ。
あとはここを攻略したらカジノに行くやら、やれあいつを殺してやるだのあいつを犯すだのという話しかしておらず、自分たちが失敗することなど考えていなかった。
カトはこの様な内容を聞き、逃げ出し、その後オルレアに行くことを決めた。どうせ死ぬのなら何かしらしてから死のうというのと、少しでも生きのこってやる道を探して少しでも幸福に生きようという考えからだ。
カトが決心を固め終わって少ししたあと、ルーラーのリーダーであろう人物から奴隷達に向かって声がかかった。
「お前ら、ダンジョン探索の開始だ!さっさといけ、ゴミどもが!!」
「ほら、ジジババから行きなさい、老いぼれが先に死んだほうがイイ動きをするやつをめんどうなところに当てられるんだから」
と言い、カトを含めた同年代の奴隷たちは真ん中あたりの列に並び、指示に従う他なく、ダンジョンの先へ歩いていくのだった。
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未踏破ダンジョン 深層
カトを含めた奴隷たちは先頭の方の奴隷をトラップやモンスターによって何人か失いながらも、被害は6〜7人ほどであり深層まで来ているとは思えないほど順調に進んでいた。
「おい、やったぞ、このまま進めればほぼなにもせずに行けるじゃねえか!」
「そうね、奴隷が想定より多く残っているけれど、まあ問題ないわよね」
「そうだな、3人とも!」
「ふん。まぁ、そうだな。このままうまく行けば今日中にでもダンジョン踏破をギルドに報告できるかもしれんな」
と、上機嫌に後方で言いながら歩いている冒険者たち。
一方カトは、初めて人が死ぬところを見せつけられ、軽く恐怖していた。
(な、何なんだよ、あれ!)
まぁ、当然であろう。どんな人物であっても、初めて人が死ぬところ、自分より圧倒的に強い怪物、それをいとも簡単に倒す人間を見てしまったら、どんなものであろうとも、大なり小なり感情はブレてしまう。ましてや最近物心がついたばかりの子に精神性を期待してはいけないだろう。
だが、この子は頭が良かった。自分が生き残るためには今この感情を少しでも忘れて自分の生き残る道を模索するしかないということがわかっていた。
どうにか切り替えていつ逃げ出すかを考え初めるのとほぼ同時に、先頭の方で声が上がった。
「お、お〜い分かれ道だ。分かれ道があるぞ〜!」
ルーラー達はその言葉を聞くと同時に、全員めんどくさそうな顔をした。
「まじかよ、分かれ道か」
「面倒ね、今は1分1秒が惜しいのに」
「どうする、ボスがいるか確認するためにも両方の探索は必須だ」
「わかっている。ちっ、しょうがないから一旦策を考えるぞ。 おい!ゴミども!方針が固まるまでお前らは待機だ」
急に待機にされたが、それは良い。今の間に色々考えられる。ただ...俺はあんな化物たちからどうやって逃げれば良いのだろう。今のところ策は3つあるがそのどれもがそこまで有効とは全く思えない。
1、列が動き始めたあとシンプルに逃げ出す。(おそらくこれが一番愚策。冒険者は後方にいるため列が乱れたらすぐわかるし、移動が気づかれなかったとしても集団から離れるときに確実にバレる)
2、今前に冒険者達が行っている間に逃げる(今ほど状況の良いときは多分もうない。これが一番いいと思うが..)
3、もう人生を諦め、何かが起きることを期待する(論外。)
そんなことを考えていたら、
「アイツラに従って死ぬのは御免だ」と聞こえてきた。
「あいつらが前に行った今のうちに逃げ出しちまおうぜ」
僕が考えていたことをやろうとしている。ただ..何か、無性に嫌な気がする。僕はどうしよう、アイツラに便乗するべきなのだろうか。今ぐらいしかチャンスがない!!そんな事を考えている間に、話している二人が逃げ出してしまった!ああ..くそ、冒険者たちには気づかれてない!僕も今のうちに逃げるぞ、t
「ビーーー! ビーーー! ビーーー! ビーーー! ビーーー! ビーーー!」
けたたましい警告音が鳴り、息をするのを一瞬忘れてしまいそうになった。
「ああ?逃亡かぁ」
「仕事を増やさないでよ、いま忙しいのに」
と女の冒険者が言い、
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何か変な..言葉?を唱えたと思ったら、不自然に土が動き、逃亡した二人の足に大地がまとわりついた
「なんじゃ、こりゃぁ!」
「くそっ、なんで!?」
冒険者たちが、
「だから、おれはああいう輩が出てこないようにするためにも強制命令権をつけてから奴隷を買うべきだといったんだ」
「だが、別にこれだけでも十分不届き者の処罰ができるのではないか?」
「万全を期さねば困るのは俺等全員だから言っているんだ。少なくとも、今逃亡しようとしたやつは出てしまっただろうが」
「まあ、そうだな。ま、いまはとりあえずあの不届き者どもをさっさと殺そう。議論するのはそれからでよいだろう」
「ちっ、そうするか」
なんて言っていた。
僕は、あれほど血の気が引いたのは初めてだった。周りの人も僕と同じ様なひどい顔をしていた。自分の直感をもう少し大事にしないと。あのままだったらぼくは、あの二人と同じことになって今頃死んでいたんだ。ただ、なにの効果であの音はなったのだろうか?
「おらぁ!死に晒せやゴミクズが!」
「ゴミが私にスキルを使わせるなんていい度胸ね!殺してあげる!」
「あ゙、ぁ゙ァ゙、や゙、やめでくべ、ごろざないて」
「や゙、やめで、いや゙だ」
「ゴミクズが喋んな!」
「さっさと死ね」
「「ごばぇ、ぎゃああああ嗚呼嗚呼あ亜嗚呼嗚呼嗚あああ」」
「お前ら、もう良いだろ、時間の無駄だからさっさと殺せ。作戦会議だ」
「えー?もう?もうちょっと痛めつけたらだめ?」
「まだ飽き足りないぞ」
「だめだ。俺等には時間がないだろう」
「はーい、わかりましたー」
「しゃーない、わかったよ」
「あーそうだ、お前があのゴミクズどもに一応警告しとけ、リーダー」
「確かにそうだな。おい、ゴミクズども!お前らは大人しく死ねよ、俺たち人間様にゴミごときが手間かけさせるんじゃねえ!」
そう言って、逃亡者を殺してから冒険者たちは話に戻っていった。
こっちの空気は最悪だ。だって眼の前で自分と同じ境遇のやつらが自分たちに生き残る可能性はないと思い知らせたうえで無惨に殺されたんだ。誰だってそうなる。絶望しているだろうな、と思った。
ただ、ちょっと落ち着けた。僕は千載一遇のチャンスに浮かれて、冷静に考えられていなかったんだと思う。だって、もしここから抜け出せたとしてもまた新しくモンスターが現れている可能性があるし、トラップもすべて覚えられている自信はない。それにここにくるまでの記憶がほとんどない。どっちにしろ今の脱出は無理に等しいということがわかった。1と2の選択肢は無理そうだし、3にならないためにも、なにか考え続けて正気を保ちながら脱出方法を模索しないと。




