錬金術師
「金属」ってゆうくらいですから、金は金属の王様!
きみが黄金の輝きを
おのれのなかに練りあげたいと志すなら
霧 を彷徨い歩くことを厭うようではいけない
五里霧中のさきには
霞や靄ひとつない明瞭と明晰が
それと教えてくれる 黄金郷が聳えていて
砂金の敷かれた道を踏みしめてめぐれば
これまでの困難を乗り越えてきたきみは
おのれのなかに練りあげた輝きを宿すのみならず
万物のなかにも輝きを見出して
触れるものすべてを黄金に
変えてしまう術を身につけていることだろう
そこはミダス王にはたどりつけなかった境地
飾り立てた金属の光沢を黄金と呼ぶのではなく
おのれのなかに練りあげて 万物のなかに見出すことで
手に入る輝きのことを黄金と呼ぶのだ
五里霧中の歩みは その真髄を会得するための旅
乗り越えねばならない困難なのだから
それまでは けっして挫けることなく 霧を彷徨い歩け
厭わずに
ウォーク・イン・ミスト
歩けミスト
乗り越えねばならない困難を
乗り越えて行ける精神こそが
求める黄金への処方箋に記された
欠くことのできない たったひとつのものなのだ
美しさ以外にも価値が高いのが素敵。