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【書籍版】錬成七剣神(セブンスソード)  作者: 奏 せいや
第七賞 未来の君へ、愛よ届け
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悪魔の大群

 俺は悩むがみんなは顔を見合わせている。無言で確認し合い星都が頷いた。


「相棒、お前はさきに行け。やつらは俺たちがやる」

「え」


 驚いて星都を見るが真剣だ。星都だけじゃない、みんな俺を真っ直ぐな目で見つめている。


「これは時間との勝負だ。もたもたしてられねえ。安心しろ、道は俺たちが開けてやる。お前は沙城を救え」

「でも、あの数だぞ?」


 俺を引けば四人しかいない。あまりにも多勢に無勢だ。


「なに言ってんだ」


 なのだが星都は余裕の表情だ。


「俺たちはセブンスソードに集ったスパーダ様だぜ? これから悪魔と戦争だっていうのにこんなところでやられるかよ。むしろ、俺たちの強さを連中に見せつけてやるぜ」

「大丈夫だよ聖治くん。言ってくれたよね? 頼りにしてるって。それが今なんだよ」

「ま、私がその気になれば全員ボコだから」

「あんたは香織を助けて。それが目的でしょ」

「みんな」


 みんなは強い。でも悪魔と戦うことが危険なのは変わりない。それでもみんなは俺や香織のために集まってくれた。

 みんながいる。仲間がいる。一人だった時とは違う。


「ありがとう」


 仲間がいるというだけで、こんなにも心強い。


「そうと決まれば行くか」

「ああ、急ごう」


 俺たちは走り出した。香織をさらった悪魔はただでさえ強いのにさらに他の悪魔と合流なんてさせられない。その前にたどり着かないと。


 町の大通りを走る。廃墟と化した建物が並ぶ車道を進んでいくと先に悪魔たちが見えてきた。黒い行列が並ぶ。


 悪魔も俺たちに気づき振り返る。人間である俺たちを見るなり驚きつつも武器を構え叫び声で威嚇してきた。


「おうおう、連中やる気満々だぜ」

「人間を見るのが懐かしいんじゃない?」

「それはあると思うんだな、この時代にはもう人間はいないかいても少ないはずだし」

「自己紹介でもするか?」

「それならいい方法思いついた」


 星都の質問にそう答えると日向ちゃんがミリオットを取り出した。聖王剣を片手に前に出る。その刀身に光が集まっていき、そして、


「ミリオットォオオ!」


 極大の光線を悪魔に向かって撃ち出した!


「日向ちゃん!?」


 自己紹介じゃなかったのか!?

 ミリオットを受けていくつもの悪魔たちが倒れていく。もろに受けた悪魔は蒸発し跡形もなく消えていった。

 ミリオットを撃ち終え日向ちゃんはスパーダを軽く振って肩に乗せる。


「これで伝えたいことは伝わったでしょ」

「言えてる、時間もねえしな」

「おいおい」

「乱暴なんだなぁ」

「悪魔に義理立てもないでしょ、来るわよ!」


 先制攻撃を受けたことで悪魔たちが走ってくる。中でも犬型の悪魔が最初に襲いかかってきた。荒れた道路の上を四本の瞬足が駆ける。


「させねえよ」


 それを、上回る光速が切り裂いた。


 星都のエンデュラスが犬型の悪魔を倒していく。如何に速いといえど星都のスパーダはそれを越えている。それも七本の状態ともなれば止まってるも同然だ。


 だが敵は犬型の悪魔だけじゃない。遅れて多くの悪魔たちが波のように押し寄せてきた。


 星都はエンデュラスの力で、さらには日向ちゃんもミリオットの身体強化を使い高速で悪魔の隙間を通り切り倒していく。


「ヘイヘイ、どうしたお子ちゃま。俺についてこれるかよ?」

「ちくしょぉおお!」


 日向ちゃんも速い。一筋の光みたいに走りながら悪魔を倒しているがこと速度勝負となれば星都の方が勝っている。


 が、相手の数も多い。二人がいくら倒してもまだまだいる。


「二人とも下がって!」


 此方が走る。星都と日向ちゃんは急いで引き返し立ち位置が入れ替わる。

 此方のスパーダ、カリギュラが光った。


「カリギュラ!」


 赤いオーラが悪魔たちを飲み込む。破滅の能力は悪魔たちの生命を吸い取り死を量産していく。

 赤いオーラがなくなった時、此方の前は悪魔の死体で溢れていた。


「上だ!」


 空を飛んでいたコウモリ型の悪魔が此方に襲いかかる。空にいたから無事だったのか。何枚もの黒い翼が迫る!


「ミリオット!」


 迫る黒翼を白い光線が撃ち落とす。


 日向ちゃんが放った対空放火が悪魔たちを落ち落とす。日向ちゃんは振り返り親指を立てると此方はつまらなそうな顔で肩を上げていた。


 その時、地面が揺れ動き体勢が乱れる。その正体は見れば分かった。


 でかい。建物ほどの巨体を持つ悪魔が俺たちを見下ろしている。腕を持ち上げ此方の頭上に拳を振り下ろした。見るからに重い一撃。それをくらえば無事なはずがなく押し返せるはずもない。


 だけど、彼なら出来る!


「グラン!」


 力也は緑の大剣、グランで巨拳を迎え撃つ。


 力也は此方の横に立ち鉄塊王グランで悪魔の攻撃を受け止めていた。力也の何倍もでかい悪魔に攻められているのにびくともしていない。さらにはグランを振り抜き拳をはじき返した。悪魔が姿勢を崩し後退していく。


「逃がさない」


 力也が片手を前に出し手を握り込む。その動作の後下がっていた悪魔の体が引力で引っ張られる。力也は重力を下げた地面を蹴って跳躍するとグランを振り悪魔を一撃のもと倒していた。


 力也が着地する。巨大な悪魔は塵となって消えていた。

 着地した力也のもとにみんなが集まる。それぞれ特色のあるスパーダが手元で輝いていた。


 強い。なによりすごい。これだけの戦力差だというのに負ける気がしない。


「聖治、今だ!」


 みんなのおかげで悪魔の群に穴が開いた。そこを通れば先に行ける。


「みんな、気を付けろよ!」


 俺はシンクロスを水色に変え悪魔たちの隙間を通り過ぎていった。


 胸の中でありがとうとつぶやく。俺はみんなに支えられてる。だからここまで来れた。本当にそう思う。胸の中が感謝の気持ちで一杯だ。


 そして香織、待ってろよ。今すぐ助けてやるからな!

 俺はスパーダの反応を頼りに進んでいった。


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