表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍版】錬成七剣神(セブンスソード)  作者: 奏 せいや
第六章 未来に架かる七つの光
48/69

兄の背中

 この日、最後の家族が出て行こうとしていた。


「なんで行くんだよ!?」


 玄関で軍靴を履いている背中に叫ぶ。真後ろで呼んでいるのに軍服を着たその男は振り返らない。


「父さんはそれで死んだんだぞ? 母さんだって亡くなって、もう俺たちしかいないのに。行ったら兄さんだって死んじゃうって!」


 涙が零れる。このままではこの人は行ってしまう。俺を一人残して。それが嫌で泣きながら呼び止めるのに、その人はなにも言わず家から出て行ってしまった。


「大っ嫌いだ、あんたのことなんて! 大っ嫌いだ!」


 扉が閉まるその間、俺は大声で叫んでいた。


 仲がいい兄弟ではなかったけれど、それでも俺には兄さんしかいなかったのに。

 なのにあの人は行ってしまった。

 捨てられた。そう思った俺は悔しさと悲しさに泣いていたんだ。


 昔、俺を守ってくれるって、約束してくれたのに。



 うるさいほどのアラーム音が響く。その音に起こされて俺はハッと上体を起こした。


「これって」


 部屋を見渡す。学習机にお気に入りアーティストのポスター、見慣れたいつもの天井。


 間違いない、俺の部屋だ。日時は!?


 すぐにスマホを掴み時刻を確認する。


 2019年〇△月15日。それはセブンスソード始まりの日だ。


「戻ってきたんだ」


 実感がふつふつと沸いてくる。大丈夫、ぜんぶ覚えてる。今まではみんなとセブンスソードを生き延びる、未来を変える、それを叶えるために頑張ってきた。けれどそれだけじゃない、俺には新しい目的が生まれていた。


「兄さん……」


 魔堂魔来名。彼は、兄さんだった。どうして兄さんが魔来名だったのかそれは分からない。名前もそうだが顔だって違う。ほんと分からないことばかりだな。


 とはいえ考えていても仕方がない。目の前のことに集中だ。

 この日は通学路で星都と力也に合流してから登校。香織が転校してくる日だ。とはいえ本当にそうか確認しないと。いろいろあってタイムリープに不信になってるな。


 俺は着替えに取り掛かり家から飛び出す。この日は遅刻気味ですでに二人は通学路にいるはずだ。俺は走るがふと見慣れた景色に目が留まる。なんだろう、久しぶりに故郷に戻ってきたような感覚がする。いつもの通学路なのになんだか嬉しい。


 そんな気持ちを抱きつつ走っていくが、そこに二人の姿はいなかった。


「え」


 おかしい、立ち止まる。以前はここで出会ったのに。


「どうして」


 なんで今回はいないんだ? 二週目の時だってちゃんといたのに。


 まさか、今回もなにか違う!? 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ