年下の幼馴染が性癖ストライクで困っているお姉さんの話。
洗濯機がいつまで経っても終わらない。
さっきから何度も脱水が繰り返されている。
洗濯物が少なすぎたせいだ。
なぜ技術が進歩しても、洗濯物の偏りは改善されないのか。
阿久津 唯は、イライラしながら煙草に火をつけた。
部屋の中には物が少ない。
痩せっぽっちの胸のない身体。
自分の身体を見下ろしながら唯は思う。
物に、お金、友達が少ない。挙句には乳まで無いとか、いっそ笑えてくるわ。
ついでに髪の毛もベリーショートなので、髪も人より少ない。
いや、それは薄毛の人に失礼かしら。
結局脱水を諦めてビチャビチャのままの洗濯物を取り出していると、外から玄関の鍵が開けられた。
「唯ちゃん。お菓子持ってきたよ」
扉を開けて入ってきたのは、近所にある高校の制服に身を包んだ青年だった。
「遙。アンタ、試験は」
時計の針は午後2時を指している。
まだ高校が終わるような時間ではないし、彼の通う高校は現在試験の真っ最中である。
「いやだなあ。今日は最終日だから早く終わるって言ったじゃない」
数度瞬きをしながら、言わなかったっけ。と記憶を辿るような表情を見せる遙を、唯は冷たい目で見つめた。
「聞いてないし、関係ないし、ウチに来るのやめて欲しいし」
クリッとしたアーモンド色の瞳。
柔らかな金に近い茶色の癖毛。
しなやかな体つき。
「ところで、唯ちゃんさ。
薄い唇が近づいてくる。