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カノアゲーム  作者: 朔
9/11

甘党のケンチャン

イツキの紹介で来たのが、アルルのお店だった。

「こんにちはー、っと人が多いな」


ケンチャンも合わせて十人もお客さんがいる。流石表通りにお店を構えるだけのことはある。


「お客さん、初めましてだね。どんな御用だい?」

「アルルさんですよね?初めまして。イツキさんに紹介されて来ましたケンチャンと言います。武器か防具にエンチャントをお願いしたいのですが、構わないでしょうか?」


「なんだ。イツキの紹介かい。最初の方は防具にエンチャントすることをオススメしているよ。ケンチャン」

「・・・」

「どうかしたのかい?ケンチャン」

「違和感なくケンチャン呼びされたのが初めてで嬉しくて嬉しくて」

そう言って俺は肩を震わせる。


「なるほど、みんなに気を遣われてケンチャンさん、なんて呼ばれていたんだろう。俺はそんな呼び方しないから安心しな」

ガハハと口を大きく開けて笑うアルル。


「それで、防具はイツキのところで買ったものだね。どんなエンチャントにする?筋力アップ、スタミナアップなんでもござれだ」

「そうだな。賢さアップでお願いする」

「ほう。珍しいな。素早さ重視に見えるが・・・」

「確かに素早さ重視だが、スキルを連発するのに賢さが足りないんだよな」

「それなら固定値アップが良いだろう」

「他にはどんなアップ方法があるんだ?」

「他にはパーセントアップだな。数値が高ければ高いほど効果が高い」

「なるほど、だから固定値アップなんだな」


「それじゃエンチャントしてくるぞ」


その間店内を見て回るケンチャン。そうすると、「綿のシャツ素早さ50%アップ」という装備が200Gの破格の値段で売っていた。手にとって確かめてみるが、そうそう破けそうにない。それにインナーだから攻撃の対象になることもないだろう。


「エンチャント終わったぞ。1000Gな」

「ありがとうございます。こっちのインナーも頂けますか?」

「ケンチャンは目の付け所が良いねぇ」


「丁度売れ残ってたんだ。そっちはタダで良いよ」

「そう言うわけにはいきません。200G払います」


そういって1200G渡すケンチャン。


「まあ、それなら貰っとくけどよ」

そう言って懐に入れるアルル。


これで賢さ20アップと素早さ50%アップだ。数値にすると素早さ23アップなのだ。これが200Gで買えるとなるとお買い得以外のなにものではない。


「いやぁ、良い取引だ。ありがとう、アルル」

「こっちこそ良い取引をありがとう、ケンチャン」


素早さ50%アップの効果は凄かった。普通に歩いているつもりでも街中の人をどんどん抜かしていく。

「素早さ70近くもあるんだから当然と言えば当然か」


ここで思い付いたのが、マリリンの運をエンチャントで更に引き出して貰おうということだった。


すぐにマリリンにチャットする。

「アリアに来れるか?」

「はい、大丈夫ですよ」


アルルのお店の場所を伝えると30分もあれば着くということだった。


暇になった俺は近くのNPCが営む喫茶店で時間を潰すのだった。


喫茶店で飲むオレンジジュースは美味い。あえてコーヒーではなく、オレンジジュースなのはケンチャンが甘党だからだ。果汁100%なのだろう。他のオレンジジュースとは甘味が違う。と飲んだこともない他店と比べてしまっている。


次に飲んだアップルジュースも美味い。見かけに依らず子供舌なケンチャンだった。


次は何か食べ物でも食べようかという時だった。遠目からでも分かるマリリンがやって来ていた。


「シュークリーム二つ。持ち帰りで」

と言って会計を済ませる。


そして、マリリンにシュークリームを手渡すのだった。

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