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カノアゲーム  作者: 朔
2/11

難易度鬼裏

難易度鬼は最高レベルの難易度だ。これはクリアまで三ヶ月以上かかるんじゃないかと思っていると、

「難易度鬼だって!?クリアさせる気ないだろ」

「そうだ、そうだ」

とちょっとした暴動が起きていた。


「皆様、落ち着いて下さい。これは厳正なる抽選の結果、決まったことです」


難易度は五つある。一つ目は易しい。二つ目は普通。三つ目は難しい。四つ目は鬼表。五つ目は鬼裏。どれくらい難易度に差が出るかと言うと易しいのラスボスが鬼表の第一のボスくらいの強さなのだ。


「それで表なのか、裏なのか。教えてくれ」

「えーごほん。大変伝えにくいのですが、出たのは鬼裏です」


ここで一層ざわざわしてきた。


「鬼裏だって!?クリア出来るはずないだろ?」

「いやでも、これだけ人数いるんだしどうにかなるんじゃない?」

「いやいや、鬼裏はヤバいよ」


「皆様静粛にお願いします」


静かになるまで四~五分かかった。


「この世界には適応率と言うものがあります。適応率が上がれば上がるほど現実と同じ動きが出来ます。なお適応率100%を越えますと現実離れした動きが出来るようになります。動きの具合は人によって違います。キャッチボールも出来ない人と、甲子園に出るような人ではそもそも現実離れの基準が違うのです」


とここで一度呼吸をはさみ、話を続ける主催者。


「しかしながら、キャッチボールも出来ない人は上達速度が違います。技能をスポンジようにぐんぐん吸収し、あっという間に中級者程度にはなれるでしょう。逆を言えば、甲子園に出場出来る人でもプロレベルになるには、それなりの努力が必要なのです」


「攻略するもしないも皆様次第です」


「では最初にボーナスとして、バトルロワイアルをして頂きます。これで攻略組になれるか決まると言っても過言ではありません。なぜなら、勝ち残った人には武器の贈呈があるからです。チーミングは禁止とさせて頂きます。チーミングが発見され次第、敗北とさせて頂きます。チーミングは絶対にダメですからね。なお入賞は残り百万人からとさせて頂きます。それではどうぞお楽しみになってください」


ゆうに八百万人はいるであろう会場の中から、百万人に残るのは難しいと考えるか?否、ケンチャンは高校生まで器械体操部に所属していた。避けの技術はある。それにVRゲームはこれが初めてではない。攻撃パターンもある。そして何より、土木作業員として肉体労働で体を鍛えてきた自信がある。


「それではゲームスタートです」


八百万人が木の剣を振り回す。あれだけチーミングはダメだと言われたのに、チーミングで敗北している者の多さよ。普段から仲が良いから、余計にチーミングしてしまうのだろう。


一方の俺は、順調に敵を倒していた。会社からの参加人数は俺一人だったし、誰に気を遣う必要性が全くもってない。


適応率が100%になった。ますます敵を倒すスピードが上がる。


とここで、バトルロワイアル終了となった。生き残った数が百万人になったのだろう。


俺は当初の目的どおり、双剣を手に入れた。これで序盤のモンスター相手に引けを取らないと思う。


百万人は各々自分に合う武器を手に入れられたが、残りの七百万人程度は序盤を木の剣で戦うしかない。序盤早々に詰んでしまうことはないと思うが、ちょっと心配だ。


そして俺達は最初の街、アリアへと転送されたのだった。アリアは人でごった返していた。 最初に支給されたお金2000Gを銀行に預け、雑魚敵がリスポーンする街道までやって来た。ちなみに銀行にお金を預けておかないと、やられてしまった時に八割のお金が取られてしまう。引き出す時に手数料がかかるが、全然マシである。


さあ、最初の戦闘だ。気合いを入れて行こうか。


スライムがこちらに向かってくる。チュートリアルの時とは違い、戦闘する意思もあるようだ。体当たりしてきたスライムを、その場にとどまって串刺しにする。それだけでスライムは蒸発して消えた。


おそらく武器の性能が良いんだろうな、と感じた。鬼裏は木の剣でスライムを一撃では倒せないはずである。それほどまでに難易度が高いのだ。


スライムを倒して1G。お金の貯まりにくさも危険だな。アイテムが購入出来なくて、進めなくなる恐れもある。

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