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カノアゲーム  作者: 朔
10/11

気がきくケンチャン

シュークリームを頬張りながら、アルルのお店へ再来店する。

「ケンチャンがこんなに気が使えるとは思いませんでした」

とマリリンが言うように、ケンチャンはどうやら甘党には見えないらしい。


「この子の防具にエンチャントして欲しいんだ」


アルルにそう言うと、


「どんなエンチャントが良いかね?」

と返してきた。


「私はとにかく運を上げたいです」


「それじゃあ運50%アップをインナーと防具にエンチャントしよう」


「武器は・・・何だ、これは!?」

「それはラストを倒した時にドロップした武器です」

「今の俺にはこの武器にはエンチャント出来ない。難易度が高すぎるんだ」


そう言って武器へのエンチャントを辞退するアルル。


とりあえずインナーと防具にエンチャントを施してもらった。


「両方で1200Gだ」

「はい、これでお願いします」

「丁度、まいどあり!」


マリリンの運の数値が凄いことになっている。運216だ。


アルルのお店を後にして、雑談しながら歩く。

「運216とは驚きだな」

「ええ、どんなことになるのか楽しみです」


アリアには絶望しながら、さっさとゲームが終わるのを待つ者達がいる。それは初日に、木の剣を武器にされた者達である。


「どんなステータスでも、スライム一体なら倒せるだろう?なぜ動かないんだ」

「そんな事武器持ちのアンタに言われたって、答えたくないね」


武器が木の剣の彼らには、全うなことを言ったとしても、武器持ちというだけで耳を貸してもらえない。


そこで青年が答える。

「最初は動いたさ。木の剣でも努力すれば追いつけると思ったんだ。でも現実は違った。パーティーを組んでいても、オーガ一体が怖いんだ」

「それならゴブリンを倒せば良い。収入効率はゴブリンの方が上だろう。そして武器を買えば良い」

「簡単に言ってくれるぜ。そうそう武器が手に入るくらいは収入がないっての」

「なに言ってるんだ?2000Gあれば、武器と交換出来るぞ」


そう言うと広場が一気に盛り上がった。

「そんな事知らなかったぞ!なぜ武器が買えることを知っているんだ?」

「もう少しNPCと仲良くする必要性がありそうだな」


広場の角にある小屋を指差す。

「あそこに2000Gと武器を交換してくれるNPCがいる。数量限定とかではないはずだから、マナーを守って買うことだな」

ケンチャンの一言で動き出す集団。


だが、それでも動かない者もいる。

以前ケンチャンに敗北した者だ。


「おい」

声をかけると身を振るわせ、

「もうゴールドは持ってないぞ!」

と必死の弁明を始めた。


しかし、

「ここに500Gある。残りは自分で真っ当に稼げよ」

と言って、立ち去った。


正直懐が痛いが、一人救ったと思えば安いものだろう。


こうしてケンチャンとマリリンはパーティーを組み、ファイヤービーと戦うのだった。あっという間に1000Gが貯まった。


ボス戦だが、最初はやはりケンチャン一人で挑ませてもらうことになった。


ボスはボーンメイドという、骨を作り出して戦うモンスターだった。双剣とはあまり相性が良くない。骨を切断出来るか分からないからだ。

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