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スキル

 コボルト討伐、オーガ討伐の依頼を受けた。

 コボルトは、街道沿いに現れ馬車を襲うらしい。レイと二人で城下町を出て、コボルトが出現する街道に向かって歩く。

 歩きながら、レイは教えてくれた。


「まさか、スキルを知らない冒険者がいるなんてね」

「す、すまん……」

「ま、いいわ。先輩が教えてあげる」


 レイは、自信たっぷりに答えてくれた。


「スキルっていうのは、その名の通り『技』ね。スキルはある程度ならギルドで買えるわ」

「買える!? スキル、買えるのか!?」

「ええ。初級剣術、初級火魔法とかね。でも、スキルレベルは1だし、レベルを上げるのに数年かかるわ。最初からレベルの高いスキルを買えればいいんだけど、普通の冒険者じゃ手が出ないわね」

「買えるのか……」

「それと、生まれつき宿しているスキル……『ユニークスキル』っていうのもあるわ。あたしも一つ、ユニークスキルを宿している」

「おお、すごいな」

「まぁね。あ、そうそう……スキルを買ったり宿したりできるのは十六歳からよ。あたしはまだ十五歳だからユニークスキルしか使えないけど、十六になったら『魔法系』のスキルを買って、魔法を使うわ」

「魔法スキル……」

「あと、全てのスキルは魔力を消費して発動する。魔力値が低いと、消費魔力が多いスキルを買っても使えないわ。魔力値はギルドで測れるから、依頼を達成した後に確認したら?」

「ふむふむ」


 僕はメモを取る。すると、レイが笑った。


「め、メモって……あなた、真面目ねぇ」

「そうかな。っと……この辺か」

「ええ、着いたわ」


 話しながら歩いていると、コボルトが出るという街道付近に到着した。

 レイはしゃがみ、地面を確認する。


「足跡……間違いないわね」

「さて、待つか」

「馬鹿ね。待ってたら日が暮れる」


 そして、魔導バッグから小さな肉片のようなものを取り出し、投げる。


「それは?」

「撒き餌……ほら、もう来た」

「!!」

『ゴゥルルルルルル……!!』


 現れたのは、身長150センチくらいの二足歩行の犬、コボルトだ。

 手には棍棒を持っており、よだれをダラダラ垂らしている。

 知性は低そうだ。


「じゃ、お手並み拝見」

「ああ」


 僕は剣を抜いて逆手に構える。


「……変わった構え方ね」

「こっちのが持ちやすくて。指導してくれた先生の真似だけどね」


 態勢を低くし、身体強化。


「……え!?」

「行くぞ!!」


 地面が爆ぜた。

 剣を振ると、衝撃波が発生。剣が触れる前にコボルト数体が両断された。

 僕は急ブレーキをかけ跳躍。残ったコボルトのど真ん中に着地……したと思ったら、地面が爆発し、コボルトが十メートル以上吹き飛んだ。コボルトは動かない……死んだようだ。


「終わった……ふぅ」

「ふぅ、じゃない!! な、何よ今のアホみたいな魔力量は!?」

「だいぶ抑えたんだけどな……」

「あ、あなた……おかしい。今の魔力量、あたしの数倍、数十倍……」


 エンシェントドラゴンの闘気、コントロールが難しいな。

 今は振り回されているけど、ちゃんと使いこなさないと。

 それには、スキルが必要かもしれない。


「こほん。ま、まぁいいわ……というか、剣は必要なかったかもね」

「……確かに」


 衝撃波でコボルトは両断されたからな。

 それに、着地の衝撃でコボルトは吹っ飛んだ。

 これなら、殴るだけでよかったかもな。


「さ、討伐の証を取ったらギルドに報告ね」

「えーっと、牙だっけ」

「そう。コボルトの牙、いい値段になるわよ」

「やった」


 僕はさっそく牙を集めた。

 レイも手伝ってくれる。


「……ね、もしよかったらだけど。オーガ退治、来る?」

「行く!!」


 さて、次はオーガ退治だ!!

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お読みいただき有難うございます!
脇役剣聖のそこそこ平穏な日常。たまに冒険、そして英雄譚。
連載中です!
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― 新着の感想 ―
[気になる点] そんな力があればロイは殺されなかったって普通は思わない?? 主人公が元々弱いなんて誰も知らないんだし
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