表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただただ君のことが好きだ  作者: 澤岸裕三郎
1/1

〜好きだと言えない男の子〜

第一話

          第一話


俺は松川祐介。青葉第一高校に通う高校一年生だ。部活は昔からやっていた空手部で仲のよい良い友達もいる。そして昔から勉強は嫌いだが定期テストで10位以下を取ったことはない。自分で言うのもなんだが昔から俺はけっこうモテる。1年で5回は告白される。充実した高校生活を送れていると言ったら送れているのだろう。だが、俺はこの年まで彼女ができたことがない。だから決して充実したいるわけではない。

「おっはよーう祐介。今日も相変わらず空手の動画か?」

「ちげーよ。お前こそ、その女子観察グセをやめんかそろそろ。」

こいつは<田川覇道>。覇道と書いてロードと読む。しかし、誰もがそう思うように田川自身この名前を嫌っているから田川と呼んでいる。

「おはよう。お前らもう学校ついてたのかよはえーな。」

「いやお前が遅すぎるだけだろ。それとその天然パーマいい加減どうにかならんのか?」

「んな簡単に直ったら苦労しねーよ。」

この癖っ毛の強い天パは<佐世保弘大>。抜群のルックスと身長で女子を虜にするスーパーイケメンだ。女子はこいつの何もかもがイケメンだという。しかしこいつ自身モテることはどうでもいいらしい。2人とも俺とは中学からの付き合いで、昔からの友達だ。

「今日の部活終わりにさ、駅前にできたドーナツ屋行かない?あそこのストロベーリーリングが最高だって噂になってるんだよ。」

「じゃあ7時に校門前でいい?」

「オッケー。」

「そういえば今日委員決めがあるからめんどいな。」

「俺はもう学級委員なんかやんねーからな。あんな面倒くさい委員会やってられるか!」

「おいおい来たぞ!上永さんだよ!」

今学校に入ってきて、おそらくほぼ全員の男子に振り向かれた女子は<上永美沙>。この女の子は俺と小学校から同じ学校で俺ずっと想いを寄せている女子だ。しかし、なかなか自分の想いを伝えることができない。今もそこらじゅうから『上永さんが学年一可愛い。』という声がする。まあ実際そうだ。この子に敵う女子は日本にも数名しかいないだろう。自信を持って言える学年一の美少女だと。

「おはよう美沙ー。今日も相変わらず可愛いですな。」

「やめてよ菜々子。」

「その反応も可愛いですな。」

「もう!夕美までー。」

『ガラッ』

「よし、全員いるな!今日委員決めだ!一年間通して同じ委員会に所属するからしっかり選べよ。じゃあまずは学級委員。誰かいないか?」

田川と弘大がにやけた。なにか嫌な予感がする。そう思った時にはもう遅かった。

「松川は、前の学校で3年間学級委員やってました。」

「僕も彼はリーダーシップがあるため適任者かと思います。」

やりやがった。ここまで言われれば反論の余地なしで俺に決まってしまう。最悪だ。

「では松川頼めるか?」

「はい。やります。」

そう言うと、俺は席を立って教壇に登った。

「女子学級委員やりたい人いますか?」

その時、すっと手を挙げたのは…

「あたしやります。」

上永さんだった。

「ほかにいませんか?…では上永さんに決まりました。」

その時小さな声で

「祐介くん、よろしくね。」

と上永さんが言ってきた。俺は動揺する心を押さえ込んで、

「こちらこそ。」

と落ち着いて返した。




ー部活終わりー

「今日は疲れたー。」

「サッカー部大変そうだな。」

「今日はレベルが違う。ずっと外周だったからな。」

「空手部は?」

「もう大会が近いからメンバー決めだったよ。決めることが多くてほんと大変だよ。」

「でもその点お前は強いから問題なさそうだな!」

「まあね。」

「もう着くよ。あそこだ。」

「やっと着いたー。」

俺はあまり甘いものが得意ではないので一個だけドーナツをとって会計を済ませ、開いているテーブル席を取っておいた。座ってドーナツを食べようとしたとき、後ろから話し声がした。

「美沙は好きな人とかいるのー?」

「あたしはいるよ、同じクラスに。」

間違いない。この声からして上永さんだ。

「以外だなー。あのトップ3の中にいるの?」

ここで言うトップ3とは俺と、弘大と田川のことを指す。中学の頃につけられたモテる男子トップ3の略称だ。後ろにいる女子たちは昔から俺たちを知っているからこの呼び名も知っている。

「いるよ。」

またどうせ弘大だ。もうその話を上永さんから聞きたくないという考えのあまり、俺は席から立ち上がり田川と弘大を呼んだ。

「待ってろ。もう少しで会計終わるから。」

女子たちの会話はストップした。それもそのはず。何故なら今、自分達が話題に出していた人たちがここまで近くにいたのだから。しかし…

「なーんだ。トップ3じゃん!一緒にドーナツどう?」

こういうノリは田川が大好きなノリである。

「いいね!じゃあ祐介移動しといてくれ!」

2人ともニヤニヤしながらこっちを見てくる。まぁ最悪の事態は避けられたからよかったと言うべきか。

「お待たせー。まさか菜々子ちゃんたちがいるとは思わなかったよ。」

「あたしたちもびっくりしたよ。久しぶりだよね。みんなで集まるの。」

「まあ受験があったからね。でもみんな同じとことかあるんだねー。」

「だいたいお前たち俺と、鈴木以外ギリギリで受験合格したんだろ。定期テスト近いし、勉強してんのかよ。」

「つらねーな祐介。そうだ!お前と夕美ちゃんが勉強教えてくれればいいじゃん!」

「ナイスプランだよ田川くん!じゃあ土曜日に美沙の家でいいかな?」

「別にあたしはみんなが来ても平気だけど…。」

「美沙が言うなら決まり!じゃあ土曜日に美沙の家の前集合ね。」

「オッケー。じゃあまたー。」




ー帰り道ー

「弘大、お前ひたすら食ってただけじゃねーかよ。もっと女の子と話さないのかよ!(笑)」

「しゃーねーだろ。今日は本当に楽しみにしてたんだからさ。」

「じゃあ俺ここで。」

「おう!またな祐介。」





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これで第一話は終わりです。

一話目はあまり展開が大きくないと思いますが、次は<ドキドキ勉強会編>美沙の家で展開される勉強会という名の恋話大会。そして、今まで勇気を出せなかった祐介は美沙との関係を築くことができるのか。また美沙は祐介の気持ちにどう接していくのか。そして、この二人以外の関係にも変化が…次回から3話連続の、<ドキドキ勉強会編>是非楽しみにしていてください!




キャラクターの情報が分からない人のために…

<ここまでのキャラ情報>

…キャラ情報は、新キャラが出たらその時にまた行進します。


松川祐介→青葉第一高校の一年生。空手部に所属していて、昔は県大会3位という実績も残している。誰に対しても基本優しい性格なため、結構友達もも多い。勉強は嫌いだがもともと地頭がいいので要領良く勉強をして毎回のテストで10位以内には必ず入るほどの実力。そして女子にもそこそこモテている。


田川覇道→青葉第一高校の一年生。祐介とは中学の頃からの付き合いで、性格は女好き。また、なかなかのいじられキャラで女子受けもなかなか良い。しかし、本人も自覚ありの超絶バカ。毎回テスト前に勉強してもワースト30位には入る。しかし運動は学年でも群を抜いてできる。


佐世保弘大→青葉第一高校の一年生。祐介と、田川とは中学の頃からの付き合いで、芸能事務所のスカウトが度々来るほどの超絶イケメン。一年生ながら3年生からも告白されていた。という中学時代の伝説もある。(ほんと)大の甘党でパティシエを目指している。運動も田川と同程度にできている。しかし、勉強はやる気がないのか全くしない。そのせいもあって毎回テストで30位以下と覇道並みのバカだ。


上永美沙→青葉第一高校の一年生。祐介とは小学校から同じ学校で祐介がずっと想いを寄せている美少女。中学校の頃は学校一の美少女と言われたほどである。また、少しお茶目なところがある。学力においては定期テストで毎回平均よりよりやや低い点数をとる。運動はそこそこできるが料理は苦手。


鈴木夕美→青葉第一高校の一年生。学力は群を抜いてダントツトップ。中学の頃から学年トップ以外とったことがない。運動はあまり得意ではないがピアノの全日本コンクールで4年連続優勝を果たし、将来はピアニストを目指す天才少女である。顔は美人顔だ。本人は気付いていないが普通にモテる。


加藤菜々子→青葉第一高校の一年生。勉強はからっきしできない。毎回定期テスト20位以下をとるほど。陸上部に所属していて、足の速さは男子顔負けだ。陸上の全国大会で優勝するほどだ。活発で明るい子だが、男子みたいな性格のため、なかなかモテない。本人はそのことをかなり気にしている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ