第二十話 「よくやった」
「やぁっ!」
とにかく一発。一発は食らわせてやる。
そんな心持ちで突っ込んでかつて父から学んだ技を繰り出す。
「はいダメー」
重い服のせいで生まれた隙を容赦なく突かれた。
痛い。
立てない。
立ちたくない。
「この修行はね、普通の人は十年かけてやるものなんだ。パパは十二年かかったけどね」
嫌な唾液を垂れ流しながら苦悶するカレンを尻目にアレンは話を続ける。
「それ……を……。一年で、やれって……?」
「ううん、百日。百日でやってもらう。できなかったらそこで修行はおしまい」
できるわけがない。
心の底から湧き上がった感想がそれだ。
もう一年も一緒に過ごしているのだ。父の強さはよく知っている。
つい先日の武闘大会でもその雄姿はまざまざと見せつけられた。最後は少し情けない勝ち方をしたが、それ以外は並み居る強豪たち相手に圧倒的な試合運びで勝利したのだ。
自分がまぁまぁ強くなったのは自覚できている。それでも一回戦負けの選手を相手にしたところで、よっぽど運がよくないと勝てる気がしない。
だというのに、たった百日で大会優勝者を倒すというのは無理な話だ。
でも、今は兎にも角にも……
「やって、やるわよッ!」
一発入れるのが先決だ。
「ぐぅっ!?」
蹲りながらこっそり握りしめた砂を投げつけた。かつて頭の形が三角形で悪人顔の男に教わった喧嘩殺法である。
「しっ!」
成功だ! アレンの目が開じている!
カレンは立ち上がる勢いのままバッタのように飛びかかり、
「なんてね」
小虫の如くはたき落とされた。
「全部視えているよ」
「エっ……ヒュッ……」
飛び込んだ勢いを地面に向けて落とされ胸を強く打ちつけた。
呼吸ができない。
苦しい。
助けて。
死にたくない。
「ダイジョブダイジョブ、その程度で死にはしないさ。しっかしどこでそんな汚い戦法を覚えたんだか……。今度会ったらアイツの一番いい酒を塩水に変えてやらんとな」
まだ父としての優しさが残っているのか、悶え苦しんでいるうちはじっと視てくれていた。
ようやく呼吸も安定して動けるようになったがすぐには立ち上がらず、もしかするとこうしているうちは休めるんじゃないかと考えた途端、
「はい立って立ってー。まだ休憩時間じゃないんだから」
脇腹を蹴り上げられた。
全て見抜かれていたのだ。
「サボっちゃダメだよ。強くなりたいんでしょ?」
固い土の上を転がされて木の根元に背中をぶつけ、再び強烈な痛みに襲われた。
整いかけた呼吸が一瞬にして崩された。
おかげでようやく父の優しさなんてものがどこにもないと分かった。
「もぉーいぃーかい?」
ざっざっと聞きなれた足音が近づいてくる。いつもなら不思議と安心するものが今だけはとても怖い。
食肉にされる家畜の気持ちが理解できた。
(早く! お願いだから早く動いて!)
砂漠で累積した疲労はまだまだ残っている、痛みだって取りきれていない、呼吸も完全には安定していない。それでも追撃される前に跳び上がって構えた。
死ぬ気で戦わなくちゃ!
こんなところで終わりたくない!
「そうそう、それくらいの気持ちでやってもらわないとね。それじゃあもう少しハンデをあげよう」
「……え?」
そこでアレンは目玉を抉り取って捨て、さらには両耳に指を突き刺して血を流した。
「これでもう反響定位は使えない。さぁどうぞ」
さぁどうぞと言われても、何か裏があるのではと勘繰ってしまう。
「本当に目も耳も使えないから安心していいよ。……おーい? 聞いてる? そこにいるよね?」
そこまで言われてようやく動いた。強く地を踏んで殴りかかった。
今ある力を振り絞った渾身の一撃。
それをあっさりと避けられた。
次も、そのまた次も。その次は強烈なカウンターを打ち込まれて崩れ落ちた。
何も見えない何も聞こえないはずなのに。
「なんっ……で……ぇ……」
「長く生きているとね、目が増えるんだ。第一第二第三と。今使っているのは第三の目」
またしてもアレンは不可解な言葉を発した。
いや、かろうじて第一第二は分かる。たぶん目と耳のことだ。
だけど第三とやらが見当もつかない。
「これだ」
アレンは両手を突き出して奇術師のように回した。
「この手が、正確には体の表面全体が第三の目だ。触覚ともいう」
そこまで言われてもまだ半分しか理解できない。
カレンは首を傾げた。
「カレンが踏み込んだ時の振動。カレンが動いた時に変わった空気の流れ。あとは予想と勘を併せてよく視える」
「……嘘でしょ」
ようやく残りの半分も理解できた。理解はできたが信じられないし信じたくもない。
「ちなみに第四の目はここ、鼻つまり嗅覚だ。だけどこれはまだまだ正確性にかける。今のところはせいぜい敵意があるかないか、人がいるかいないかくらいしか分からない」
ヒトじゃない。
改めてそう思った。
『時間をかければ誰でも同じことが出来る』
アレンがよく言う言葉だ。
果たして本当にそうだろうか?
時間をかければ目を瞑っても視えるようになるのだろうか? 時間をかければ目と耳が使えなくとも満足に戦えるのだろうか?
無茶だ。百年かかっても出来る気がしない。
それなのにこの、人のフリをした底知れぬ化け物を倒さなくてはならない。たった百日以内にだ。
いつもはどんな無理難題を課されても、なんだかんだできるかもしれないという自信はどこかにあった。
だけど今回ばかりは微塵も湧いてこない。
なにをどうすればいい?
「ねぇアレン、そこまでやったらもうちょっとだけハンデを「悪いね。何か言っているのは分かるけど音までは読み取れないんだ」
今のカレンに出来ることはただ一つ、痛みに耐え抜くことだった――。
「――よし、本日の親子喧嘩はここまで!」
「ハァ……ハッ……ハー……」
本当に辛い修行だった。
昼食のための休憩を挟んだ以外は休まずに組手をさせられた。後半は立っている時間よりも、倒れて悶えている時間の方が長かった。
「終わっ……たぁ……」
大の字になって休息がてら、焼けた空に浮かぶ星々をぼーっと眺めた。こうすると節々の痛みや疲労を少しだけ気にせずにいられる。
十日前の自分に今の状況を伝えられたらどうするだろう。さすがに修行したいだなんて言わないだろうな。そうであってほしい。
緑の匂いがする風が母の歌ってくれる子守唄のように心地いい。母の顔も声も覚えてはいないが。
「まだ終わりじゃないぞ。これでようやく準備完了だ。ほら起きろ」
気持ちよく眠れそうだったところで現実に引き戻された。
アレンの言葉の意味は分からなかったが聞き返す気力さえ湧かなかった。
「アアァ……」
とりあえずは言われるがまま、老人のようになった体に鞭打って立ち上がる。
「あたし……もう、何も……できない……よ」
「何もできないとは砂漠を走った後のような状態を言うんだ。でも今、自分の力で立ったよね? まぁ、そうなるように調整したからなんだけど」
それを聞いて背筋がゾッとした。
ここまで全て計算されているのだと。自分は掌の上で弄ばれている操り人形なのだと思ってしまった。
「…………で、今から……何、するの」
「アレ」
アレンが指差した先には何の変哲もない岩があった。
休憩時間の間にどこからか拾ってきた岩だ。成長期であるカレンの背丈よりも大きい。
「百数える間に割ってごらん」
「魔法を使って?」
「ううん、生身で」
「もう寝ていい?」
「百日以内に割れなかったら修行は終わりだよ?」
「……えっ?」
そこでようやく、ひょっとして思い違いをしているのではと考え付いた。
「ちょっと待って。あの岩を割りさえすれば次の修行に進めるんだよね?」
「そうだ」
「組手でアレンに勝てなくてもいいの?」
「別に勝てなくても構わんが……あぁ、そういうことか」
説明不足だったな、ごめんごめんと照れ笑いで謝罪された。
「なんだぁー……良かったぁ……」
「いやしかし、勘違いするカレンもカレンだぞ。ちゃんと大会観てなかったの? この俺様を倒せるわけないじゃん。今のカレンになら指一本で逆立ちしながらでも勝てるよ」
何一つ言い返すことができない。
怒りよりも悔しさと不甲斐なさがこみあげてくる。
「それに今まで難題を課しても不可能を望んだことなどない。今回だってそうさ。カレンならできると信じているからこそだ」
「……どぉだか」
不可能な課題ではなくなったとはいえ、結局のところそれほど難易度が変わったとは思えない。「翼を生やして空を飛べ」という課題が「尻尾を生やせ」に変わったようなものだ。
立っているのもやっとの状態なのに、身体一つであの岩を壊せるわけがない。
同じ疲労具合でもグリゴールやケイならば難なく割れるだろう。でも、たった百日でその域に達するのは無理だ。想像すらできない。
「まーまー、騙されたと思ってやってみなさい。自分でも気づかないうちに強くなっているかもしれないよ?」
そんな負の感情を読まれてしまったのだろう。
希望を持たされて背中を押され、流れるままに岩の前に立たされた。
「厄介な怪我をしちゃいけないから、一応これ付けてね」
厚皮のグローブを渡されて装着する。
「大丈夫大丈夫。君ならできるできる。今までもそうだったじゃないか。君は野を越え山を越え、恐ろしい魔海と砂漠を抜けてここまでやってきたんだ! 自分を信じろ! 君こそが次の勇者だ! 今日から君は竜哭き峰だ!!」
「…………うん!」
カレンはまだまだ幼く単純だった。
疲労でまともな思考ができないのもあるが、子供騙しのような煽てが通用してしまうくらいには。
「いよぉし……」
ありったけの空気を吸い込んで握り拳を振りかざし、今日はもう動けなくなっても構わないという心持ちで打ちこむ――
「――イったぁあああーーッッ!!」
ヒビすら入らなかった。
♦♦♦
翌日、賢いカレンは考えた。
(とにかく今日は温存しよう)
目的がアレンを倒すことではなくあの岩を割ることならば、組手で力を使い切る必要はない。
可能な限り余力を残して組手をやり過ごそう。
「あーあ、もう手を抜くことを覚えちゃって。カレンは悪い子だなぁ」
なんて浅慮は即座に見抜かれてしまった。
当たりが強くなり、さらには重りが追加された。激しく後悔した。
そうこうして凡そ一月が経過した。
こちらの攻撃は一切通じず痛めつけられてばかりの半ば虐待染みた組手に、
どんなに全力で殴っても手と足が痛むだけで一向に割れる気のしない岩と、
未だ強くなった実感が毛ほどもない。
初め抱いていた向上心や責任感も今ではすっぽり覆い隠され、怨恨にも似た敵意が積もり積もってゆくばかり。
父の名を呼ばなくなって十日と経つ。
またしてもそんな負の感情を読まれてしまったのだろうか。
「今日は修行を、いたしません」
「えっ? なんで?」
「丸一日出かけてくるよ。みんなの様子をこっそり見てこようと思ってね。だから休んでいてもいいしもちろん自主的に鍛えていてもいい。あっ、俺の抜け殻を置いておこうか? 軽い組手ならさせられるよ? ついでに風船もいる?」
「……いらない」
それじゃあ弁当置いておくからちゃんと食べなさい。知らない人に誘われてもついていかないでね。あまり遠くに出過ぎてはいけないよ。本当に一人で平気かい?
などと過保護な母の如く言い残してから、脚を爆破して雲の向こうへと飛んでいった。
「はっや、もう見えない」
急に訪れた静寂。
唐突にやってきた自分一人だけの時間。
ラクサに念話を試みても遠く離れた場所にいるのかやはり繋がらない。
「あー……」
こうやって一人きりになったのは何年ぶりだろう?
修行で毒されたせいか、こういう時に何をすればいいか定まらない。
遊ぶ? 休む? それともいっそ一人で鍛える?
「……そうだ」
カレンの頭にちょっとした閃きが舞い降りた。
「魔法を使う以外は何をしてもいい」という言葉を思い出して、アレンのつなぎに細工をしてやろうと考えたのだ。
「そもそも同じのを着てやってるのがおかしいのよ。ハンデがハンデになってないじゃん」
誰に言うともなく呟いて、岩の上に天日干ししてあるつなぎの袖を引っ張――
「あれ? 動かな……んーっ!!」
どれだけ力を入れてもどういうわけか引きずり下ろせない。
まるで岩の上に貼り付けられているみたいに。
「なにがどうなって……」
岩の上に登ってつなぎの袖や股下を掴んで持ち上げようとしてようやく分かった。
「そんなバカな」
岩の上に貼り付けられてなどいなかった。
つなぎそのものがとてつもなく重くて動かせなかったのだ。
正確には量れないが百や二百キロではすまない。
それが分かった途端にいくつもの感情が込みあがってきた。
情けない。情けない。同条件だと思い込んでいた自分が情けない。
悔しい。悔しい。何もできない自分が悔しい。
アレンは真摯に鍛えてくれているのに、勝手に腐っていた自分があまりにも小さく格好悪く思えた。
「……ばっかみたい」
何かが吹っ切れた。
絡み合って凝り固まって解けなくなっていた悪感情がハサミでばっつりと切られた。
複雑な思いが一本の糸に結ばれて、遠く離れていた初心に繋げられた。
「少し休んでから、がんばろ」
それはそうとしてスッキリしない部分もあったので、つなぎの中に目いっぱいひっつき虫とひっさき虫を入れてやった。
♦♦♦
一つのことに熱中しているとあっという間に時が流れるもので、一月二月三月と過ぎ去った。
「今日の組手はこれまで! 本修行に移りましょう!」
カレンの心は焦りに焦っていた。
約束の期日まで残り三日。
だというのに未だ岩にはヒビの一つも入っていないからだ。
「今日……こそ……」
修行の成果が全くないというわけではない。むしろその逆で三か月前とは比べ物にならないほど体力は付いている。
栄養価の高いとされる魔獣の肉だか臓器だか分からないゲテモノを食べ続け、強い肉体も形成された。
しかしながらアレンはその増えた部分を正確に見極めて組手の強度を上げてくるので、毎回同じように疲労困憊にさせられてしまう。
カレンの筋力でも岩を破壊できる技を教わってはいるが、あくまでそれは疲労のない万全な状態でしか使えない。
手詰まりだ。
奇跡でも起きない限りはどうしようも――
(……あれ? なんで?)
それは覚えのない感覚。
「ねぇ……もしかしてあたしに……魔法でもかけた?」
「ほう? どうしてそう思った?」
なぜかアレンはニヤリと笑っている。
やはり何かされたのだ。でなければこんなことはありえない。
まさに奇跡としか思えない現象が自分の身に起きているのだから。
――驚くほど身体が軽い。
「俺は何もしていないよ。今感じているものはカレン自身の力だ」
「だって……あたし今、すごい疲れてるはずなのに」
「そうだろうとも。体力はほとんど残らないようにしているからね」
「じゃあ、どうして」
「それは君が、上手く力を使えるようになったからさ」
アレン曰く、体力は有限だ。
どれだけ体力に自信のある者でも使い続ければいずれは底をつき動けなくなる。何をするにも体力は使用されるので、休息を挟まず永久に動き続けることなど不可能だ。しかし、永久とはいかずとも半永久的に動き続けることは可能である。
「できる限り無駄を減らせばいい。節約だ」
「節約?」
「例えばカレンの体力が百あるとして。パンチを十回打つのに十の体力を使うところを九に、八に、七にと減らしていき、最終的には限りなく無に近づけてしまえばいい。もちろん、体力の上限を増やすことも大事だよ」
ではどうやって無駄を減らせるようにするのか。
それがこの修行の本質であった。
極限まで体力を削り、残り僅かな力で大事を成せと命ずる。すると身体と頭は考える。
どうすればできるのか? どうすれば体力を残せるのか?
立ち上がる時にここの筋肉は使わなくてもいいんじゃないか? こうやって歩けば消費を抑えられるのではないか? 立ち合いは強く当たって後は流れでよいのでは?
それを繰り返していけば自ずと無駄のない動きをしてくれるようになる、というのがアレンの理論だ。
「だから俺やラファーダル、それにケイやグリゴールも全力で何時間だって走り続けることができる。前に見ただろう?」
「そういえば……たしかに」
「もちろん俺もラファーダルも走り続ければいつか動けなくはなるぞ? 人外などと呼ばれるような者はいても所詮は生物だ。始まりがあって終わりがある。この世界に無限のパワーなんてものは存在しない」
それはそれとして、と。アレンは岩の横に立った。
「その感覚を掴むのが今やってる修行の目的だからほぼ達成したようなものだけど。一応これも割っとこうか?」
「うん!」
軽やかな足取りで意気揚々と岩の前に行くと。
よーい、始めとアレンが時間を数えだす。
「フゥー…………やぁあッ!!」
信じられないくらい身体が軽い!
何の問題もなく技が使える!
これなら、いける!!
これまでの鬱憤を晴らすかのように物言わぬ憎き岩に打ち込む。
今回ばかりはぬかるんだ不安はどこにもなく、ただ一つの確信があった。
「七十、七十い……うむ」
それは制限時間を三十秒近く残して起きた。
ようやく小さな亀裂が入ったと思ったら、そこを起点にピシピシピシと鳴って亀裂が大きくなり、自分の背よりも高い岩が真っ二つに割れて倒れた。
あれだけ強固に思えたものが、驚くほどあっさり割れてしまった。
「あ……えっと…………その……」
ここに至るまでに積み重ねた苦労と感情が一挙して押し寄せてくる。
喜んでいいのか泣いていいのか分からず茫然と立ち尽くしていると、右の方から力強い拍手が聞こえてきた。
「――よくやった」
ただ一言の簡素な褒め言葉。
だけどそれは今までに聞いたどんな言葉よりも価値があると思った。
アレンは優しく笑い、そして右の手を差し伸べてきた。
「ようこそ、こちら側へ」
「よ、よろしくおねがいします。……えへへ」
何か月かぶりに父の胸に飛び込んだ。
たぶん涙は出ているけど、これっぽっちも恥ずかしいとは思わない。
生まれて初めて無理な目標を達成できた喜び。自分の成長を実感できた喜び。そして何よりも、父に認められた喜び。
それら全てがとにかく嬉しくてたまらない。
賢く我慢強く責任感のあるカレンは父を強く抱きしめながらも、さらに先へ進もうとしていた。
「それで次の修行は? 魔法はいつ教えてくれるの?」
「魔法? んなもんまだまだ教えんよ」
「えー、じゃあ何するのよー」
「次の修行はそうだなぁ……判断力を養ってもらおうか。先に言っておくが次の修行は今回よりも数段きついぞ? なんたって死ぬほど頭が痛くなるからな!」
そこでようやく、カレンの喜び舞い上がっていた心は地に撃ち落された。
「――やだぁああああああーーッッ!!」




