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予選通過後・その2

次回3日以内予定です。

 

「とまぁ、こんな感じだ。まだヒロナさんのこととか話し足りねーが、未練…断ち切らないとな。」


「……。」

 何も返答できなかった。とりあえず長い話を聞かされたが、

 ・昔は魔術を使って悪さをしていた。

 ・そのせいでガッツさん自身に討伐依頼がでていたがそれを庇ってくれたのがニコラさん。

 ・前科もののガッツさんを分け隔てなく扱ってくれたヒロナさんや救ってくれたガッツさんに認めてもらいたかった。


 こんな感じだった。

 要約すると本当にこれだけだが本当に話が長かった。

 特にヒロナさんの説明部分だけでどれくらいの時間が経ったかわからない。


「そ、そうだったんですね…。」

 苦笑いを浮かべつつそう答えるしかほかなかった。


「だがそれも今日で終わりだ…。」

 凄い落ち込んでいらっしゃいます。

 お願いですからパーティーメンバーの方々早く来てこの状況を引き取ってくれませんかね?


「い、いやー…、その、ほら、そんなヒロナさんだからこそ今回の結果も特に気にしない、というか…だ、大丈夫だと、思います、よ?」


 その言葉を聞いてガッツさんが掴みかかりそうになった。

「ほ、本当にそう思うか!?」

「ま、まぁ…一方的じゃなくてヒロナさん自身のことも考えてあげればきっと大丈夫、……と思います。」


 …なんとなくだけど。

「お、おう…たしかに今まで一方的だった気がするな…。そうか、ヒロナさんに認めてもらうたい一心だったから焦ってたのか。

 すまねぇ、目が覚めた。礼をいうぜ、ユウト!」


 そんな感じでひと段落したところで、

「リーダー、あれだけあんなやつには負けねーよ、と言ってたのに負けた感想はないのか?」


 火に油を注ぐことを言いながら近づく二人。

 パーティーメンバーのアーファさんとベルタさん。


 絶対落ち着く状況まで待ってたよね!?

 そして落ち着いたところで何してくれてるんですかね!?


 だが思った方向へは転がらず、

「ふん、今はこいつのこと認めてるんだ。

 それに負けは負けだ。コイツが優勝すればそれこそ俺の負けは本戦準優勝と変わらねーんだ。」


 言ってることはもの凄い自己都合満載の言い訳だよね。

「ははは…、それだと俺が頑張らないといけないですね…。」

「応援してるからよ、ぜってー負けんじゃねーぞ?」


 応援しているようで威圧してる。

 お前が一回戦で負けようものなら俺は本当に敗北者じゃねーか、と。


「本気ですか?あのリーダーが負けた相手を応援してる!?大人になりやがったぜ。」

「おいおい、明日は魔獣でも攻めてくるのか?」


 パーティーメンバーの二人は好き勝手に言ってくれる。

 ただガッツさんも嬉しそうに二人と戯れ合っている。

 そんな状況だったので俺はようやく解放された気分で「それじゃ、また。」と言葉を残し部屋に戻ることにした。



 そして部屋の前に着き扉を開けた途端、パーンパーンと数回音が鳴った。

「ユウトさん!」

「お兄ちゃん!」


「予選通過おめでとう(ございます)!!」

 二人が部屋に入るなり俺を祝福してくれた。


 状況的に考えてさっきのはお祝い事に使うクラッカーだろうか。

 ただこの世界のクラッカーは魔術でするみたいだ。


 多分火魔術とかそういうので音だけ鳴らしてるんだろう。

 本当になんでもできる世界、なんだな。


 ちょっとだけ苦笑いを浮かべつつも嬉しくて、

「ありがとう、レナさん。それにユウちゃんも。

 二人が見ててくれたから頑張れたよ。」

 涙が出てきそうになるのをこらえていると、机の上にはたくさんの料理が並んでいるのが目に付いた。



「おおー、美味しそうな料理がいっぱいだ!」

 俺は誤魔化すようにそう言うとユウちゃんが嬉しそうに、

「へへへー、お姉様と一緒につくったんだよー。

 でもどれがユウが作ったか、お姉様が作ったかはナイショだよ?」


 たぶん当てて欲しいのだろう。

 正直なところ味付けが薄味と濃い味で全然違うタイプだから食べればわかる…いや、見た目だけでもあからさまに違うから食べなくてもわかる、が正解か。


 俺は席について、味の染み込んだ煮物の大根みたいな料理を手に取り食べた。

 濃い目の色合いをしたユウちゃんの料理だ。


「ユウちゃんの料理は味が染み込んでて美味しいね。」

 俺はユウちゃんに笑いかけながらそういうと、

「本当にホント!?美味しい!?」

 何度も聞き返してくるがその度に俺は「美味しいよ。」と答え、ユウちゃんの「えへへー。」という嬉しそうな顔を何度もみることができた。


「ユウちゃんの料理を先に食べるんですね…。」

 そんな小声が聞こえた気がした。

 実際はレナさんは笑顔でユウちゃんに「良かったね。」と微笑んでいる。


 俺は慌ててレナさんの料理、おひたしのような料理を手に取り、

「レナさんの料理は素材の味が前面に出てきて美味しいよ!」

「ふふっ、ユウさんのお口にあってよかったです。」


 ニコっとしているが笑ってない気がする。

 どちらの料理かわかる分、食べる順番も気にしていかないとな。

 本戦始まればユウちゃんとも戦うかもしれない。

 こんな機会がこれからあるかは置いておくとしても。


 ユウちゃんとレナさんは和気藹々とご飯を食べているが、空気が重いと感じるのは俺だけなんだろうな。

 俺は空気を変えるためにも、

「そういえば明日オフになったから一緒に街を見て回らない?」


 その言葉にいち早く反応したにはユウちゃんだった。

「行くーー!」

 そしてレナさんも、

「本戦が始まりますからお店も出揃いますし、もう一度見て回りたいですね。」


 これでオフの明日の予定が決まった。

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