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異世界誕生のきっかけは子供を助けたことでした  作者: ひれい
異世界知識編
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今後について

 スキルについての確認を終えたけど、これからどうしていこうか?

 やっぱりスキルの使い方かな?とはいえこんなところで派手なことをするとせっかく異世界きたばかりなのに目をつけられても困る。


「レナさん、スキルの使い方について聞いてもいいかな?例えば魔術とか」

 そう、最初に使うことを覚えるべきは魔術!回復魔術も覚えてるし使い方を覚えることは最優先事項といえる。


 決してジューザさんが目の前で火を起こしたことに感動したからではない。

 しかしレナさんから予想外の答えが返ってきた。

「あ、私はその…魔力を持ち合わせてはおらず魔術系統の素養は高いのですが使用したことがありません。お役に立てず申し訳ございません。」


「こっちこそごめん…。えっと、魔力を持たないということはこの世界ではよくあること、なのかな?」

「今のところ私だけ、のようですね。

この世界で魔力を宿していない、ということ自体ありえないらしいです。

魔術は身近なものとして何かしら使える世界ですので…。」


 レナさんが申し訳なさそうな顔をして俯いてしまったので話題を変えることにした。

「そ、そういえばレナさんって料理人としてのランクってすごく高いって聞いたけどどんなことしてたの?」

「私の場合、最初はお師匠様、あ、えっとこの世界でお店を持たれている方に弟子入りという形で大きなお店で働かせてもらっていました。


 その間にお師匠様から知らない知識などを学ぶ傍ら、コンテストなどで評価を頂いてランクがあがっていきました。」


「なるほど、ランクのあげ方も冒険者や料理人によって違うってことなんだね。」

「ええ、ただ私は冒険者としてはほとんど経験ありませんからGランク、悠斗さんと同じところからスタートとなります。」


 そのあたりはジューザさんに聞いてた通りなのか。ただジューザさんの話を聞いた後だから確認しないといけないことがある。


 高ランクの料理人としての道があるのに危険もある冒険者をやってもいいものだろうか?


 一人で店を持つことを許された有名人であろうレナさんを、冒険者に引き抜くというのは周りの目もある。

 そのことをレナさんに尋ねると


「私は、ずっと悠斗さんと冒険する日を夢見ていました。

 魔力がなく魔術が使えない私が料理人という職業ながら近接武器を扱えるのは私の希望に沿っているからです。


 魔術が使えず悠斗さんのお役に立てるかはわかりません。足を引っ張ってしまうかもしれません。

 それでも、悠斗さんと一緒に冒険していきたいです。一緒に冒険させてください。」


 彼女はまっすぐな瞳で俺を見て、そっと手を差し出してきた。ただその手はかすかに震えているのが分かった。

 正直どうして彼女が俺に拘るのかはわかっていない。

 でも俺はこの手を取りたいと思った。ただ彼女には笑っていてほしかった、だから俺は座っていた体を少し起こし片膝をついて彼女の手にそっと右手を乗せた。


「俺はレナさんと冒険がしたい。知らない世界を知っていきたい。その隣に一緒にいてくれほしい。

 俺だってこの世界に来たばかりで右も左もわからない。お荷物は俺の方だと思うが…。」

 と少し笑って彼女を見つめる。


「俺からいわせてほしい、一緒に冒険してくれないかな?」

 いわゆるプロポーズをする格好だ。正直恥ずかしさもあったがこうするのが一番いいと思えた。


 するとレナさんは出会った時とは違う涙をみせた。

「はい、こんな私でよければ…一緒にさせてください!」

 彼女はそう言って乗せていた右手を握ってくれた。

 俺は立ち上がって彼女に近づき左手で彼女の涙をそっと拭う。

そうすると彼女はこれまでにないほど可愛い笑顔を見せてくれた。


 高ランク料理人としてのことは整理がついたがこれからの方針をたてるとしよう。


 まずは生活基盤の確保、かな?今後の生活もかかっているしいくらこの世界に長いとはいえ会った初日にレナさん頼みというのは気が引ける。

 クエストを受けて冒険者として生活をスタートさせるのが一番かな。


「レナさん、生活基盤確保のためにクエスト受けれるような場所にいきたいんだけどジューザさんのとことは別にあるんだよね?」


「はい、ノース地区セイランに冒険者様が集まるギルド兼酒場があります。そちらでうけることができると思います。

 あと、さきほど話しました魔術に関しても教えてもらえると思います。」


「気にしてくれてたんだ、ありがとう。一応回復魔術をもっているから使えれば少しは楽になるんだろうけど、と思ってたんだ。」


 呪文とかあれば簡単なんだろうけど…例えば“ヒール”といえば簡単に発動した…り?


 そう思っていたら体の周りから暖かい光の粒子があふれてきた。光が消えると同時に少しだけ体が軽くなった気がした。これって…


「あの、それって回復魔術だった気がするんですが…お使いになったのですか?」

 レナさんが驚いてる。俺も言葉も出ないほど驚いている。


 いや、だって火魔術にしても呪文が存在しない世界で“ヒール”って唱えたら発動したんだよ?

 俺だけのルールで発動するのか?そんなのチートじゃないかと思ってもう一度“ヒール”と唱える。

 しかし今回は発動しない。


「心の中でヒールって唱えたらなぜか発動したんだけど、次ヒールといっても発動しなかった。

 ちゃんと発動させるには条件があるんだろうね。」


「唱えたら、ですか。この世界に呪文は存在しなかったはずですが…。

 私は魔術に関して使えないのでお役にたてることがありません。ギルドの方に伺うのがいいかもしれませんね。」


 そうして俺たちはクエストが受けれる冒険者ギルドに行くことになったのだが、その道中レナさんが有名人であることを痛感させられることとなった。

そろそろ冒険にいきたいです。

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