自己紹介と
「まずは自己紹介からしないとな。
俺は柳悠斗だ。よろしくな。」
「そんなこと知ってるわよ!」
千佳にパシーんと叩かれる。
まぁ和ませるつもりでわざと自己紹介したんだがちょっと痛かった。
「いてて…、少しは手加減してくれ。
それで気を取り直して、こちらがこの世界で初めて会ったリーファレナ=リスアミィさん。
俺はレナさんと呼んでるけどリーファさんて呼ぶ人もいたような?」
まずはレナさんから紹介した。
「…ご紹介にあずかりましたリーファレナ=リスアミィです。
皆さんも気軽にリーファやレナと読んでいただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。」
お嬢様と勘違いするのではないかと思うくらい綺麗な佇まいで頭を下げる。
すると千佳がレナさんを凝視するように見つめている。
「あなた、どこかであったことあるような…。」
追随するように七海さんも、
「確かに見覚えがあるような気がするね…。」
また二人して同じような反応だ。
俺が死んだ後のことだろうか?
「あ、あの…。」
あたふたしているレナさんだったが千佳が、
「んーーー思い出せない!でもこんな綺麗な白髪なら印象に残るだろうし多分気のせいね。」
そして結局千佳もそこにたどり着く。
「ふふふ、そうね私も気のせいだとは思うわ。
それで悠斗くん、私達のことも紹介してもらっていいかしら?」
「あっ、そうですね。レナさん、召喚した人たちだけど百花千佳と、こちらが六川七海さん。
俺が元いた世界での知り合いだよ。」
「あたしも千佳でいいよ、よろしくね、レナ!」
「六川七海よ。ふふ、みんながレナさんと呼ぶなら私もそうしようかしら。レナちゃん、私のことも七海でいいからね?」
女の子同士だからかすぐに意気投合したようだ。
俺も羨ましくて一緒にバカをやれるような男の仲間が欲しいなと思ったのは内緒だ。
「さて、そろそろジューザさんも待ち兼ねてるだろうし行こうか。」
自己紹介も終わり、千佳が落ち着いたところで俺たちはジューザさんの後を追った。
「やっときたわね。」
そして出張所に入るとお客さんはへーティさんだった。
「あれ?どうしてへーティさんが?」
「今日になってあなたが召喚魔術を行うってこととかいろいろ思い出してね。だからアタシが来たってわけよ。」
どこをどう「だからアタシがきた」に繋がっているのかわからない。
魔力制御の獲得のためにわざわざ足を運んできてくれたんだろうか?
それなら俺が時も来てくれてるとは思うんだが…。
そこで思い出したが、あの時はニコラさんが仕事してなかっただけか。
「魔力制御の獲得の件ですか?まさかへーティさん自ら来ていただけるとは思っていませんでした。」
「まぁそれもあるんだけどアタシはチカさんとナナミさんに用があるのよ。」
あれ?紹介してないはずだけどなんで名前を…?
「ちょっと悠斗、なんであんな美人さんと仲がいいのよ。あんた異世界にきて何してたのよ!」
俺に聞こえる程度の小声で聞いてくる。
「誤解だ。俺がここに来て1か月、死にかけたっていうかほぼ死んだのと修行しかしていない!」
「死にかけたってなによ、あんたこの世界にきても危ないことやってるの…?」
不安そうに見つめてくる。
そういえば元いた世界では俺が死んだあと、10年くらい生きているらしいから悲しませたかもしれない。
思い出させないためにも少し配慮しないとな。
「最初は危なかったが、今は修行してそれなりに戦えるんだぞ?
それに一緒に戦える仲間が欲しくて召喚魔術を行ったんだが…。」
「それってあたし達も戦うってこと!?聞いてないわよ!?」
この辺りから声が大きくなったのかへーティさんが咳払いをした。
ビクっとして謝る俺たち。
「ごめんなさい!」
「話を聞いてもらってもいいかしら?」
「はい、よろしくお願いします。」
「単刀直入にいうわ。
二人をアタシに預けてくれないかしら?
悪いようにはしない、というよりアタシが彼女たちに魔術を教えてあげたいんだけど。」
そこでジューザさんが話しに入ってきた。
「へーティ殿はその二人が召喚されることを知っていたような話しかたに感じるのじゃが…?」
「ええ、知っていたというより思い出した、というのが正しいわ。もちろんその二人のこともね。……ホント、変わらないのね。」
昔を懐かしむように二人を見つめている。
今度は俺が千佳に聞こえる程度の小声で尋ねる。
「へーティさんと知り合いなのか?」
「さっき来たばかりよ!知るわけないじゃない!
そもそも名前すら知らないわよ!」
そりゃそうだよな。どういうことなんだろうか?
チラッと七海さんの方を見るが七海さんも「んー?」と首を傾げている。知らなさそうだな。
とりあえず二人にへーティさんを紹介するが会ったことはないそうだ。
「どうして二人を知っているのですか?
それに俺は今日従魔を召喚するつもりでした。
だけどへーティさんは二人がくることを知っていたようですし…。」
「簡単に説明すると彼女達に頼まれたからよ。
ただ信じてとは言わないけどいつかあなたもわかる日が来るわ。」
「じゃが二人に魔術を教えるにしても適性があるスキルでないと…。」
「そうね。それなら彼女達の適性とユニークスキルを言い当てましょう。それで納得してくれないかしら?」
この世界は鑑定でも他人のスキルは見れない。
パトでもスキルは予想をつけれても適性まではわからないはずだ。
「ワシの<教導者>ならともかく、いくらへーティ殿でも本人達から聞いていない限りは知るはずない、ですか。」
「ええ。」
「まずチカさんからね。チカさんは火魔術と水魔術と風魔術の適性が高い。
もちろん他の魔術の素養も高いけどこの三つはアタシ以上ね。
あっ、ついでに言うなら土魔術は全然ね、と言っていたわ。
そしてユニークスキル<迅雷者>。
魔術を組み合わせてこの世界でも珍しい、雷を操ることに長けている人だわ。」
続けて七海さんの方を向いて説明を続ける。
「それでナナミさんは回復魔術ね。
あとは不得意がないっていうほど器用に全上位魔術をあつかっていたわ。
それとユニークスキルは<治癒者>。
アタシ以上の治癒魔術師になる人よ。」
ジューザさんが驚いている。正解なのだろう。
へーティさんはやっぱり二人のことを知っている。
だがいつ?その問いは結局教えてくれることはなかった。
毎日(週7話)12時30分投稿予定です。




