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召喚された者達

 

 さっきの発言、この心の暖かさから加護自体が女神ブランそのものだったのだろう。

 ただ今は召喚したもの達のところへ行こう。


「ケホッケホッ…一体なんなの…?」

「もう、なんなのここは…?」

 砂埃が晴れていき俺は召喚された二人を見つめる。


 そして顔がはっきりとわかったところで俺は思い出す。

「千佳と…六川さん…?」


 見覚えがある、なんてものじゃない。

 千佳は俺にとって腐れ縁みたいな幼馴染。

 六川さんは俺が入院した時の担当看護師だ。


「え…?悠、斗…なの……?」

「だれかなー私を「六川さん」なんて呼ぶ悪い子はー?」

 お互いがお互い違う反応を見せた。


「どうして、二人がここに…?」

 いや、この問いはおかしいか。

 なにせ召喚魔術を使ったのは俺なのだ。

 俺が二人を連れてきた犯人で間違いない。


「わからないわよ!いきなりここに来たと思ったら1()0()()()に死んだあんたがそのままの姿でいるんだもの!

聞きたいのはあたしのほうよ!

まさかあたしも死んじゃったの!?」


「私も聞きたいわ。悠斗くんは確かに1()0()()()に死んだはずよ。

 私が担当してた患者さんが外出中に轢かれたとき、私の病院に運ばれてきたんだもの。」


 二人とも共通して俺が死んだのは10年前と言っている。

「10年前…?俺には二人が最後に会った姿から変わってないように見えるけど…?」


「え…?」

 二人して同じ反応で固まった。

 そして最初に動き出したのは六川さんの方だった。


「…っ!!本当だわ!肌がすべすべよ。若返ったみたい!!」

 やっぱり()()()()を気にしてるのだろうか?


 その叫び声にビクッとした千佳が六川さんの方をみて、

「あっ…昔、あなたを見たことあります。

 たしか悠斗のお葬式に来てた方ですよね?」

「あら?そう言われてみれば…、私もあなたをみたことあるわ。確か10年前、だよね?」


「はい、悠斗が亡くなった、10年前…、だったはずです。」

 そう言いながら俺の方をチラチラ見ている。


「なぁ千佳、感動の再会はないのか?」

「あんたね!なんで生きてるのよ!それに昔のまんまだし!入院してた時とは全然違うっていうか元気そうだし!というかここはどこなのよ!!」


「まぁまぁ。」

 俺は千佳の宥めつつ事情を説明する。

「はぁ!?異世界!? そして召喚魔術であたし達を召喚した!?何言ってるのよ!」

「本当のことしか言ってないんだけどな…。」


 どうしたものかと悩んでいるとジューザさんが近づいてきた。

「ユウトよ。お主の知り合いか?」

「はい…。もといた世界の俺の知り合いです。」


「ふむ、とりあえずワシに任せておけ。」

「よろしくお願いします。」


 そう言ってジューザさんが二人に話しかける。

「ワシの名前はジューザじゃ。

 ここの管理人と思ってもらって構わん。

 とりあえず困っておるとこすまないが、少し付いてきてもらえるだろうか?」

「…悠斗?」

 幼馴染の千佳が不安そうな表情を浮かべてこっちを見ている。


 今まで見たことなかったせいか、怯えている千佳を不謹慎にも可愛いなと思いつつ、宥めるように、

「大丈夫だ。俺もジューザさんやレナさんにこの世界のことを教えてもらったから一緒にきてくれないか?」

「悠斗が大丈夫っていうなら…。」


 そう言って俺のすそを掴んだ手は少し震えてるようだった。

 知らない世界に来たのだ。これが普通の反応だろう。


 ただ六川さんの方はさすがは年上のお姉さん、落ち着いているようだった。

「六川さんも一緒にいいですか?」

「ええ、大丈夫よ。ただ…」


「ただ…?」

「私の名前は何て呼ぶのか忘れちゃったのかな?」

 ふふふ、と怖い笑顔を浮かべている。


「ごめんなさい!…七海さんも一緒によろしいですか?」

「よろしい。一緒についていけばいいのね。」


「よろしくお願いします。」

 千佳の足取りが重そうだったので少しゆっくりになったがギルド出張所に向かった。


 途中、出張所内に人がいるのがわかりジューザさんが先に行くことになったが、俺たちは千佳のペースに合わせてゆっくりのままだ。


「…悠斗、あたしってやっぱり死んだの?」

「それは違うと思う。」

「…なんで悠斗が生きてるの?」

「一応一回死んでこっちに来てるんだけどな。」

「やっぱりここは死後の世界?」

「それも違うと思う、けど少なくとも俺は今、ここで生きていると思ってる。」

「そっか…。」


「ごめんな、まさか千佳が来るとは思ってなかった。

 心のどこかで千佳に会いたいと思っていたのかもな。」

「どういうこと?」


 俺は残滓さんが説明してくれた召喚魔術について教える。

 …そう考えると二人とも異世界に来たいと思っていたのだろうか?

「そっか、悠斗はあたしに会いたかったんだ…。」

 少しだけ笑ってくれたような気がした。


 そんな会話をしていると間に入ってきたのは七海さんだ。

「へーそれだと悠斗くんもあたしに会いたかったってことかなー?」

「そう、なりますね。」

「素直でよろしい。私も会いたかったわよ。

 あんな別れ方なんて寂しかったのよ?」


「ちょっと悠斗!あんな別れ方ってなによ!ま、まさかあんた!こんな年上の…

 千佳が少しずつ元気になっていってるのを嬉しく思うがすまん、それは()()だ。


「私の年が、なんですって?」

 ゴゴゴ、と音がなりそうなほどのオーラを放ちながら笑ってない笑顔を千佳に向けている。


 千佳は怯えた表情を俺に向けながら、

「…ゆ、悠斗ぉ…?」

「千佳、後輩をいじめたらダメだぞ。むt…七海さんは17歳、俺たちより年下だ。」

 頼む気づいてくれ。

「…だってさっき看護師って……。」

 やっぱりダメか、と思ったらすぐに理解してくれたようだ。


「そっか、七海ちゃんは後輩だったんだ。

 お葬式のスーツの記憶しかなかったから勘違いしたよ。」

「ふふふ、よろしくおねがいします、先輩。」


 正直無理があるのはわかる。

 だって七海さんは一部…、胸が極端にないことを除いてスラッとした体型で、赤い髪で長身の大人のお姉さんを絵に描いたような人なのだ。


 今の七海さんとの話題のタブーは年齢だけだが、昔は胸の大きさの話題もアウトだった。

 俺が入院中、子供に「おっぱいないからおまえ男なのか!」っと突っ込まれているのをみかけたときのオーラは凄かったな…。


 ただそれから少しして胸がないことは全然気にしないようになっていった。

 だから年齢に関わりそうな話題さえ気にしていれば本当に優しい(一年目の新人)看護師さんだった。


「ねぇ悠斗。ずっと気になってたんだけど、後ろについてきているあの子はあんたの知り合いなの?」

 そういえばここまでまともに自己紹介してなかったなと思い、紹介することにした。


毎日(週7話)12時30分投稿予定です。


ようやく登場させることができた幼馴染と看護師のお姉さん。

1話目から出す予定でしたが、まさかここまでかかるとは思いませんでした。

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