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冥宮殿

 

 ようやく迎えた召喚魔術の日。

 昨日の修行終わりからレナさんが何か言いたそうにそわそわしてる。

 楽しみにしているのかな?

 それ以外はいつも通りの朝を過ごし、俺たちはサウスエリア、カナカナ地区にある冥宮殿に向かった。


 そして到着したがここに来るのは日数でいうなら一か月ぶりだ。

 濃い生活を送ったせいか本当に久しぶりな気がする。


 ジューザさんにも顔を見せると話しておきながら、療養と修行のおかげで全く足を運ぶことがなかった。

 なので俺たちはまずジューザさんへ挨拶に行くことにした。


 もっとも俺がこの世界にきた場所はジューザさんがいるところを通らないといけないから、どっちにしても挨拶はしないといけないんだけどね。


「ごめんくださーい。」

 とりあえず俺たちはジューザさんがいる冒険者ギルド、冥宮殿出張所にはいる。


「よう来たの、一か月ぶりかの?」

「そのくらいですかね。お久しぶりです。」


「こんにちは、ジューザさん。」

「レナも元気そうでなによりじゃ。

 今日は予定が入っておらぬが壊さなければ自由に使って構わんぞ。」


 俺は久しぶりなんだが、レナさんは召喚魔術を行う事を伝えるため会っているらしい。

 こういうところも気が回るんだなっとレナさんに感謝した。


「それでお主はどうなのじゃ?英雄ユウトよ。」

「…知っていらしたのですね。」


「はっはっは。ここは冒険者ギルド、そう言った情報は手に入るさ。

 お主がどうして英雄とよばれるようになったのかもの。」

「なるほど、そういえばそうですよね。」


 こっちで知り得た情報がニコラさんが知っているように、向こうで知り得た情報をジューザさんが知っていてもおかしくないか。


「ずいぶん、大変な思いをしたようじゃの?

 初陣で危険度Bランクの魔物を倒したと聞いた時は心臓が止まるかと思ったぞ。」

「ははは…成り行きで…。」


「まぁ良い。生きている、それだけでいいんじゃ。」


 苦笑いを浮かべる俺にへーティさんが見つめてくる。

 そして青めていく。

「勝手にみたことは謝る。

 じゃがお主、なんだそれは!?」

「えっ…?」


「お主のスキルじゃ!剣聖術や上位魔術を全部覚えておるし、何故ユニークスキルが増えておる!

 それに何故火炎術師と治癒術師のアビリティスキルの加護まで同時に魔剣士のお前が持っておるのじゃ!

 この一か月、何があったのじゃ!?」

 見たものを口に出してみたが信じられない様子だ。


 あー…。そういえばジューザさんは鑑定特化ユニークスキル<教導者>だったね。

 基本的に鑑定は他人のスキルが見えない。

 それを可能としているジューザさんはこの世界でも珍しい。


「密度の濃い2週間をすごしまして…。」

「2週間?ということはそのスキルで魔獣を倒したわけじゃないのか?」


「あの時はジューザさんがみた時と変わっていないですね。

 レナさんがいてくれたからこそ倒せましたよ。」

 俺はレナさんの方に視線を移すと微笑んでくれた。


「まぁよい。今日はゆっくりできるのじゃろ?

 話を聞かせてくれるかの?」

「それは…。」


 躊躇っているとすぐに気づいたのか、

「なに、話せないことは話さんでよい。

 たった2週間でそこまでのスキルを覚えるのは並大抵のことではなかったのだろう?


 それに危ない事をしておったらワシはともかく、ニコラ殿が黙っておらんだろう。

 つまりはそういうことじゃ。」


 そう言われてあそこはニコラさんのお膝元だと思い出す。

 たしかにギルドマスターが情報を知っておかないといけないだろうしね。


「わかりました。話せる範囲でしたら。」

「うむ。聞かせておくれ。」


 そこから俺はジューザさんと別れた後のことを話していった。

 魔獣を戦いを話している時は興奮してくれて、倒した時の話はレナさんと一緒に褒められて、この2週間の修行、特にへーティさんの修行の時は励まされて…。

 魔力切れが日常とかそんな生活はお主だけだぞ、と。


 孫の成長を楽しみにしているおばあちゃんのように話を促し聞き上手だった。

「まさか一か月でここまでの生活を送ったものはなかなかいないだろう。


 討伐魔獣一体だけとはいえ、まさか武闘大会まででることになろうとはのう。

 生きているのも愉快なものじゃ。」


 一呼吸置いたのちジューザさんが話を続ける。

「しかし武闘大会、かの。」

「何かあるのですか?」


「いや、なに。お主が自分で決めた戦い方と同じ戦い方をする勇者がでるという話を聞いておっての。」

「勇者!?勇者ってあの…えっと…。」

 パトから名前を聞いた気がするが抜け落ちている。

 いやいや、男の名前だからとかじゃないよ?


「シュージ・ヤスイさん、ですね。」

 言葉に詰まっているとレナさんが補足してくれた。

 そうそう、そんな名前だった。



 名前は忘れていたが戦い方、俺と同じスタイルだというのは覚えている。

 今は剣聖術のおかげで剣メインになっているが、俺の目指す先にいる人を間近でみれるのは願っても無いことだった。


「普段は出ていないのですか?」

「魔王を追いかけては神出鬼没に街に現れるがすぐにでていくらしいからの。」


「なるほど、勇者が魔王を。」

 実にシンプルで納得できる内容だった。

 何にしても勇者が出ることを知れたのは良かった。


毎日(週7話)12時30分投稿予定です。

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