魔術の暴発
二ヶ月弱でやっとPV10000達成です。
皆さまに読んでいただき感謝しかありません!
今後も頑張っていきますでよろしくお願いいたします!
「…獲得できました。」
俺がそう告げると一瞬驚くへーティさん。
「他人のユニークスキルまで覚えるなんて、間近でみても信じられないわね。」
驚きの表情から笑顔へ変わるへーティさん。
「さて、獲得してもらってからの方が説明しやすいから実戦交えながら説明するわね。」
この人は淡々としているが、個人のみが持つと言われるユニークスキルを他人が覚えることに反感は無いんだろうか?
俺が覚える事を渋ったのはそれが理由だ。
ユウちゃんにしても生きたいと願った結果のユニークスキル<反転者>。
この人だって強い想いがあったからこそのユニークスキルのはずだ。
それなのに嬉々とした笑顔を浮かべて…いや、不快だとかそれ以上に興味の方が強いだけなんだろうな。
そんなことを考えてると話していることをスルーしていたようで
「聞いているかしら?」
「ごめんなさい、ちょっと考え事を…。」
素直に謝る俺。
「よろしい。あなたの身に関わることだからちゃんと聞きなさい。
そのスキル、なかなか厄介で獲得したてのころはアタシでも制御するのに苦労してたのよ。」
「…はぁ?」
素っ頓狂な声を出すしかなかった。
いやいや、持ち主すら制御が難しいスキルってなに?
しかもそんな危険なものを獲得させたのか?
「あはは、まぁ気にすることはないわ。
ちょっと変換した魔力が効率良すぎて、想定以上の魔術が発動して暴発することもあるのよ。」
「魔術が暴発する、ですか?」
「ええ、お手本見せるから少し離れていなさい。」
そう言ってへーティさんは俺を遠ざけた。
最初は軽く離れたつもりだったけどもう少しはなれなさい、ということでへーティさんとはだいぶ離れている。
「いくわよー。」
そう叫びへーティさんは火魔術を発動させる。
発動した時は掌サイズ球体だったが膨張を始め爆発した。
そしてどんどん膨張を続け、そして轟音とともにそれは爆発した。
「へーティさん!?」
あまりの衝撃だったため慌てて近寄るが手を突き出して制止させられる。
よく見ると手が火傷をしたような痕がある。
「へーティさん、手が!?」
「水魔術でガードしてもやっぱり手元だけは無理だったわね。」
そう言って治癒魔術を使い治していく。
「これが魔術の暴発よ。」
あまりに衝撃すぎる光景に驚きを隠せない。
「いやいや、魔術に長けてるへーティさんが暴発するって制御できる自信すらないんですが?」
「大丈夫、その辺も悩んでいたんだけどこれでもあなたの修行を見ていたのよ。織り込み済みだわ。」
俺の不安とは裏腹に落ち着いている。
「どういうことですか?」
「そうね、わかりやすく納得させるなら、アタシが知る限りでは、あなたが今まで魔術を暴発させたことがないってことよ。」
「魔術とは制御できなければ発動しない、ではないのですか?」
「むしろ逆ね、制御できなければ周りにある魔力をも取り込んで膨らんでいくわ。」
こういうことをきくと、いつか暴発させるんじゃ無いかと魔術を発動させるの躊躇ってしまう。
無知は罪だというが知らないで済まされないことだった。
「ただ制御できていれば問題のない話よ。」
不安になっている俺を諭すように優しい笑顔を向けるへーティさん。
「あなたが魔術を発動させているところは今までなんども見てきたわ。
だけどどの魔術をとってしても魔力制御においては安定していた、アタシが驚くほどにね。」
考えてみるがちゃんと発動しているようには思えなかった。
「へーティさんの真似をしている時も歪な形で、きちんと発動しているようには思えなかったのですが?」
「それは魔力量の違いよ。あなたはもともと魔力が少なかったのもあるし経験も違う。
発動させるには込める魔力量が少なかった。
それにも関わらず発動した魔術。
歪だけど、歪だからこそ少ない魔力でも安定している。」
へーティさんは苦笑いを浮かべて説明しているがあまり納得できなかった。
「ちょっときつい言い方をすれば、アタシより適性が低いあなたが、少ない魔力で同じ大きさのものを作ろうとしたら歪にもなるわ。」
そう言われて少し納得できた。
少し言葉を選びながら気を使っていたのだろう。
「そうね…もっとわかりやすいのがアタシに投げつけた火の玉と昨日の小さな火炎魔術よ。」
「なげっ!?いえ、その、両極端な魔術ですね…。」
「ええ、その二つは込めた魔力分がきちんと発動していた。
昨日のは魔力切れで制御を失ったにもかかわらず暴発しなかった。
大きいものも小さいものも制御は難しいものなのよ。」
「なるほど…ってそれは要するに暴発してたら危なかったってことですか!?」
「たしかにいろいろスキルを上乗せしているし暴発したら危なかったでしょうね。」
あはは、笑いを浮かべるへーティさん。
それとは対照的に血の気が引いていく俺。
「もしもの時はアタシが対処するし、それにきちんと制御できているからこそ獲得してもらったのよ。
アタシが保証するから自信を持ちなさい。」
恐怖を抱いたまま魔術を使うより、へーティさんが太鼓判を押してくれることを自信にしよう。
「はい、わかりました!」
「ええ、それでいいわ。
体感したからわかってると思うけど使い方はありとあらゆるものが自分の中に入っていくイメージね。」
「あらゆるもの、ですか?」
「ええ、魔術にしても空気、水、火にしてもね。
ただ限度があるし、効率もある。
もしかしたらあなたの適性の影響でできないものもあるかもしれないわ。
その辺は慣れていくしかないわね。」
「わかりました。いろいろお聞きすることになると思いますがお願いします。」
「もちろんよ。それとこのスキルでの注意点は、さっき説明した通り変換した魔力を使うと暴発するかもってことよ。
その辺の制御はたぶんあなたが長けてる分野だから安心していいわ。」
「ありがとうございます!」
上半身を曲げてお礼をいう。
魔力切れで一手足りない、を今後防げるだけでも大きな一歩だろう。
「さて、説明したところで残りの上位魔術を覚えようかしら。」
…やっぱりこの人はブレないな。
俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。
毎日(週7話)12時30分投稿予定です。




