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修行三日目

 

 朝は何事もない平和な始まりだった。

 レナさんのご飯も美味しく今日一日の修行のやる気を補充してくれる。

 そしてそんな幸せを噛み締めつつ俺はギルドへ向かっている。


 そしてそこで思い出す。

 今日はお弁当をもらっていない!

 いつもはレナさんが渡してくれるけど今日は忘れていたようだ。


 宿を出るときはレナさんも一緒だったし戻っても意味がない。

 あとでユウちゃんかヒロナさんあたりに美味しいご飯の場所聞かないとな。


 そんなことを考えているとギルドへ到着。

 あの宿から通勤通学が片道歩いて数分、素晴らしい場所だよね。


 ギルドへ入ると数人に顔を見られた。

 ヒソヒソ話をされているが気にしない。

 ここは堂々とヒロナさんのところへ向かった。


「おはようございますヒロナさん。」

「あ〜彼氏さん〜。おはよう〜。」


「まだ彼氏ではないんですが…それより聞きたいことがあるんですが…。」

「ん〜?なにかな〜?お姉さんの休日の予定〜?そ・れ・と・も〜これを触りたいの〜?」

 身体を触りながらとある部分を強調してくる。

 周囲に殺気が満ちた気がするが気にしたら負けだ。


「ち、ちがいますよ!そのレナさんにお弁当もらい損ねてお昼どうしようかなっと。」

「なるほど〜。デートのお誘いだったの〜?それならそう言って欲しかったな〜。お姉さん恥をかいてちゃったよ〜。」


 だからそんな仰々しいものじゃなくて!

 ユウちゃんの分のご飯とかあるからお昼を決めておきたかったんです!」


「もう〜それを先に言わないと勘違いしちゃうよ〜?

 デートのお誘いかと思ってたのに〜舞い上がって損しちゃったよ〜。」

「そのあたりはユウちゃんと相談になるけど、よかったらおススメとか教えてもらえると助かります。」



「ユウラシアちゃんとのデート場所だね〜。

 了解だよ〜良い場所考えておくね〜。」

 この人は俺を修羅の道に引き込みたいのだろうか?

 もうあえて突っ込まない。


「そう言った方向でお願いします。」

 そう言って俺は修行場所である地下の部屋へと向かった。


 Sideユウラシア

「ふっふ〜ん、修行♪修行♪」

 鼻歌交じりでギルドの到着した。

「おっはよ〜ヒロナー!」

「あら〜ユウラシアちゃん。おはよう〜。

 なんだかご機嫌ですね〜。何かありました〜?」


「え〜そうかな〜?普通だよ〜?」

 そう言いつつも顔がにやけてるのがわかる。

「よっぽどいいことがあったんですね〜。

 そう言えば〜もうユウトさん来てますよ〜。」


「ホント!?急いで行かなきゃ!」

 お兄ちゃんもう来てたんだ!急いで向かおうとしたがヒロナに引き止められた。


「あっ!ユウラシアちゃん、ユウトさんが今日レナさんからお昼もらってないって言ってたから〜私に相談してきたんだけど〜何かないかな〜?」


「えへへ、今日はレナお姉様に頼んでユウがお弁当作ってきたんだー!」

「なるほど〜そういうことだったんですね〜。

 喜んでもらえるといいですね〜。」


「すっごい頑張って作ってきたんだよー!」

 少し舞い上がって油断していたのもある。

 気づいた時にはもう遅かった。


「っ!!!」

「あ〜おはようございます〜。」

 背後に迫る不吉な存在。


「おはよう、ヒロナさん。それと…ユウラシアちゃん。」

「お、お、おはよ、うござい、ます。」



「あらあら?久しぶりで緊張しちゃってるの?

 相変わらず可愛いわね。会いたかったわ。」

 満面の笑みでこっちを見てくる。


 早くお兄ちゃんに会いたいのと、ここから抜け出したいのとで頭の中がごちゃごちゃだ。

「ふふふ、そうかしこまらなくていいわよ?」

「そ、それより!お兄ちゃん待たせてるから!」


 慌ててその場を後にしようとしたが呼び止められる。

「ユウラシアちゃん!ちょっと待って!」



 聞こえないフリして離れればよかったかもしれないけどここはあの人の働く場所。

 修行場所に来られたら逃げ場なんてなくなる。

 それにお兄ちゃんにも迷惑かかるからこの場で乗り切らないと。


「な、なにかな?ユウ、急いでるんだよ。」

「大丈夫よ、心配しなくても何もしないわ。

 本当は後でそっちに向かう予定だったんだけど、ちょっとお話しできればいいのよ。」


「話しって?」

「ユニークスキルのことよ。」

「!!?」

 もう逃げられないかな、と諦めた。

 場所を移して話しを聞こうとしたら予想外の答えが帰ってきた。



「昨日、あなたとの修行の後でスキル獲得のことを聞いたわ。

 危険な方法で獲得したようね。あなたは身体に異常はないかしら?」

 心配してるだけ、なのかな?


「大丈夫だよ?」

「そう、それならいいわ。ただ、少し失礼するわね。」


 そう言ってペタペタと身体を触り始めた。

 避けなかったのはこの人が魔術を見せた時は違う真剣な顔してたからだ。


「うん、大丈夫そうだね。」

「だからそう言ったよ?」


「まぁあなたの方はあまり心配はしてなかったわ。」

「ユウの方?お兄ちゃん、昨日何かあったの?」


「あなたから獲得したスキルを使って倒れちゃったんだけど聞いてないかしら?」

「え!?なにそれ!?ユウ聞いてないよ!?」

 慌てるユウをへーティは宥める。


「アタシとの修行中だったんだもの、心配しなくていいわよ。

 本当はあなたに見せてもらいたかったんだけど

 …。」


 身体がビクっと震えた。

 たぶんへーティにも気づかれている。

「ふふふ、怖がらなくてもいいわよ。

 それになんでそんな怖がれるのかわからないのだけど…。

 それより本題だわ。あなたのユニークスキル、彼に今後見せてもらうけどいいかしら?」


「ダメだよ!お兄ちゃん倒れちゃうんでしょう!それならユウが見せる!」

 …そう言った後に気づいた。

 この人はこの言葉を待ってたんだろう。

 こんな人質みたいなマネして余計に嫌いになりそうだったが誤解だとすぐに気づく。


「少し話しが飛んじゃったわ

 とりあえず順を追って話していくよ。


 まず倒れた理由だけどただの魔力の使いすぎよ。

 本当は魔力を回復させた後に見せてもらう予定だったんだけどね。」


 ユウがこの人から逃げてたからお兄ちゃんを巻き込んじゃった…。

「どうしてお兄ちゃんは魔力を回復させる前に使ったの?」


「さぁ?深い理由は聞いてないわ。

 ただ彼が使えるならあなたにこだわる必要がないのよ。」


「だからお兄ちゃんが倒れちゃうならユウが!」

「えっとね、修行の内容にあなたのユニークスキルを組み込むってことよ。

 もちろん今まで何度も魔力切れを見てきたから彼の魔力切れの兆候はわかる。

 無茶はさせないからそこは安心してほしいわ。」


「本当に無理させない?」

「無理はさせるわよ?でも無茶だけはさせない。

 それだけは約束するわ。」


「うん、わかった。」

「それにそれは彼の願いでもあるよ。」


「お兄ちゃんの願い?」

「なんで魔力切れなのにあなたの魔術を使ったと思う?」


 考えてみるけど答えなんてわかるはずもない。

「…なんで?」

「アタシの興味をあなたから引き離すためじゃないかしら?」


「ユウため?」

「ええ、おそらくだけど。あなたがアタシを怖がっているから彼に気を引かせたかったんじゃないかしら?」


「どうしてそんなことわかるの?」

「これでも結構長生きなんだよ?

 真剣な思いをぶつけられて気づかないわけないわ。」


「そっか、お兄ちゃんがユウのため…。」

 そう呟いたらなんだか顔が熱くなった気がした。

 顔を振って熱を冷ます。


「話はこれだけだから。修行頑張ってね?」

「うん♪」



「お兄ちゃんがユウのために♪」

 あの人と話した後なのに自分でもわかるくらい上機嫌でスキップしながらお兄ちゃんの元へ向かった。

書いていたら何故か長くなりました。


毎日(週7話)12時30分投稿予定です。

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