表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/169

へーティさんの笑顔

 

「教え子が取られるのも考えものだけど、あの子の火炎魔術はアタシより上だから仕方ないわね。

 そしたらその修行の成果から見せてもらってもいいかしら?」


 …見せた後の光景が思い浮かび背筋がゾッとする。

 どうにか誤魔化して逃げ延びなければ。


「魔力切れで魔術が発動しなくて…。」

「いつものように魔力ならアタシが用意するわ。」


「ちょっと体調悪くて…。」

「アタシが回復魔術を使ってあげるわ。」


「…燃費が悪い魔術でさっきも倒れかけて…。」

「あなたを介抱するのは初めてじゃないし、ギルドの仕事も治癒魔術がメインだから安心して倒れていいわ!」


「えっと…。」

「悩むくらいなら話した方がきっと楽になるわ!」

 はい、逃げられません。

 教えてもらっている身としてはこれ以上ワガママだろう。


 俺は観念してスキルを獲得した事を白状した。

「へぇ、君って面白い存在だとは思っていたけど、なかなかどうして、アタシの壺を心得ているのかしら?」


もう形容しがたいほど、今まで見せたことのないような笑顔しているへーティさん。もちろん残念な方向に。

「あはは、共有スキルってこういう使い方できたんですね。」


「そんなことあるわけないでしょ!」

「…あはは、…ですよねー。」

 もうそこからは苦笑いを浮かべるしかなかった。


 本来、自分が持ち得ないスキルを発動させたまま、共有スキルを解除しようものなら暴発する。共有スキルの使用方法は魔力共有のみが基本だそうだ。


 そもそも共有スキルは1+1=2ではない。

 お互いに持っている上限のみが適用されるに過ぎない。

 戦闘中にスキルを共有しても結局二人分の戦力が一人分になるだけ。


 要するに途中で解除することは、上限以上のものを自分で制御しないといけない。

 力があれば可能だが、力がないから共有スキルを使っているジレンマ。


 思っていた以上に危険なスキルだった。

 というかそんな危険なスキルなら前もって教えてほしいよね。

 敵のスキルを共有は難しいだろう。

 使用は計画的に、だな。


「わかったかしら?」

「…以後気をつけます。」

 今回も俺が悪いのだろうか?

 危険なことは何が危険か知っているからこそ認知できる。


 たしかに俺にも非があるはわかる。

 だけどそんな危険なスキルを、なんの説明もなしに使い続けた先生にも責任の一端を負ってもバチは当たらない気がする。


「よろしい、では授業を開始しましょうか!」

 俺の不満を他所においてへーティさんは上機嫌だ。

 それはそうだろうね、俺という名の玩具を手に入れたわけだし。


「まずは何からしましょうか?」

「え?昨日ちゃんと伝えてたわよ?」


「え…?」

 俺は必死に思い出す…一部思い出したくもない記憶も蘇ってくるがその辺りの記憶だけは押し込める。


 だがやっぱり思い至らない。

「…全く記憶にありません。」

 とある業界の会見の言葉を利用してしまうほど全く記憶がない。


「実戦よ、実戦!」

「あー、なるほど…ってそれ修行の最後とかそんな話じゃないんですか!?」


「ええ、そうね。そのつもりだったけど修行の成果が実戦、あなたの成長が早くて先生は嬉しいわ。」

「…わかりました。ちゃんと終わったら治療してくださいね。」


「もちろんよ。だから手加減せずに全力で!もちろんスキル!を使って、アタシに攻撃しなさい!」

 もうユウちゃんのスキルを使えって言っているようなものだよ。


 相手が攻撃方法を指定するのが実戦になるんだろうか?

 完全にへーティさんは趣味の方向に走ってるよね。


 だがやるしかない。

 へーティさんの興味、このユニークスキル<反転者>持ちの対象がユウちゃんから俺に向いたことは幸いだ。


 満足させたらユウちゃんへの被害もいかない。

 だから言われた通り、今できることをやる。

 そのためにも…。

「あの、魔力が空っぽでして…。」

「ああ、そうだったわね。」


 そう言って手を差し出しへーティさん。

 手を握るのは共有スキルを発動させるルーティン。



 だが無警戒の今こそ攻撃するチャンス。

 俺の目的はへーティさんの興味を俺に維持させること。

 だったら何が何でも一発攻撃を当てる。


 そう決意して手を差し出しながら残りの魔力を掻き集め、小さな小さな火炎魔術を発動する。

 そして上乗せするのはさっき獲得したエクストラスキル<炎熱支配>、アビリティスキル<火炎の加護>、ユニークスキル<反転者>。


 発動させた事を知らせるような強い虚脱感が俺を襲う。

 やっぱり俺にはこのスキルは不向きなんだろうか?

 だが今は!これを当てればいい。

 そして俺はへーティさんにあて…れなかった。


 完全な魔力切れで当てる前に炎が消えていった。

 意識が途切れそうなところでへーティさんに支えられる。


「ふふっ、不意をついたことは褒めてあげるけどあなたは魔力が空っぽなのよ。

 これでもアタシはあなたの先生、無茶だけはアタシが見ているうちは許さないわよ。」


 へーティさんは今まで見せたことないような笑顔を見せてくれている。

 普段の残念美人を象徴してた笑顔は消えて、この笑顔のままなら母性溢れる美人という印象にかわる。


「…はい、肝に命じます。」

「ええ、わかってくれてよかったわ。

 今はゆっくり休みなさい。」


 俺はそのままへーティさんに支えられながら意識を失った。

連載し始めて二ヶ月もないですがここまで読んでいただきありがとうございました!。

年末、ということでなんとか…無理矢理ですがおやすみエンドにしました。


もちろん年始はおはようスタートです。

来年以降ですが、来年の目標はESN大賞〆切までに一つの作品として出来上がりできればな、と思います。


あまりあとがきが長くなるのもなので、年始のどこかで活動報告という形で報告したいと思います。


多数ある作品の中でこの作品を読んでくださった皆様に感謝を!


まだプロットすら出来上がっていませんしこれから出雲大社行く予定で時間が取れませんが来年1/1も12時30分投稿予定です。


それでは皆様、良いお年をお過ごしください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ