情報提供
レナさんが料理を机におき、隣の椅子に座った。
「ふふふ、続きをお聞きしても?」
なかなか迫力のある笑顔です。アーファさんも少し話していいのか悩んでいるようだ。
「レナさん、大丈夫ですよ。ただの噂ですから。」
「ふふふ、私は気になってるだけですよ?」
オーラを鎮めてください、とはいえなかった…。
そのおかげでアーファさんはそのまま続けることになった。
「なんでも、リーダーがさっきのうわさを確かめにいったんよ。
そして明確に否定しなかったんだとさ。
そのうえ、気を引きたかったら新人冒険者さんがでるから、それに勝ってからにしてね、だそうだ。」
これはヒロナさんにガツンといわないと…。
「そんなことがあったんですね。
ヒロナさんに取られるわけにはいかないので私も武闘大会に…!」
なぜかレナさんまでヒートアップしている。
「レナさん落ち着いて!逆だよ、俺が負けたらヒロナさんが別の人からアプローチされるってだけの話だから!」
「あ、そう…ですね。私としたことが冷静さがかけていたようです。
ですが!悠斗さんが負けるところなんて想像できません!
やはり私がかわりに!」
俺が負けないレナさんの自信はどこからでてくるんだろうか?
俺としてはユウちゃんとの戦いもある。
勝てる要素が見当たらない、が正しい。
それに予選もどんな人が出てくるかがわからない。
最善は尽くすが俺もまだまだ新人冒険者。
勝てる見込みの方が低い、とレナさんに諭すのにだいぶ時間がかかった。
その間アーファさんは待ってくれてるあたり、いいひとなんだろうな。
「ま、その…、なんだ、おめーもいろいろ苦労してんだな。」
そう言ってアーファさんは俺を憐れむような目で俺を見てくる。
いったん落ち着いたところでレナさんの料理を食べることにした。
持ってきてから少し時間がたっているから熱々とまではいかないが、十分に暖かくおいしい。
アーファさんが物欲しそうな顔で見ているがあげるわけはない。
レナさんの料理はプライスレス。
そんな感じでご飯食べていると武闘大会についての話になった。
さっきのヒロナさんとのうわさ話ではない。
どこにレナさんの地雷が埋まってるかわからないからヒヤヒヤしたが、まともな情報提供だった。
「武闘大会はおめーもでるんだろ?俺たちも一応出るんだが、英雄だからってさすがに予選からだよな?」
「そうですね、俺が知っている予選免除はユウちゃん…ユウラシアっていう女の子ですね。」
「ユウラシアって言や、…あの…?」
「どれに対してあの、なのかはわかりませんが蒼炎の戦姫と呼ばれてる女の子ですね。」
「蒼炎の戦姫をユウちゃんってよんでるのか?」
「可愛いらしい女の子ですからね。」
「あの一騎当千の戦姫を可愛らしい女の子扱いか。
はっはっはっ、本当に先が楽しみな英雄様だな。」
今はまだまだ追いつけないけど、いつかきっと守れるようになりたい。
俺にとってユウちゃんは守りたい女の子なんだ。
「それでアーファさんは大会に出るんですか?」
「英雄様とも戦ってみたかったが、残念ながら俺はでねーよ。 」
「出ない理由でもあるんですか?」
「なーに、俺は負け戦はしない主義だ。
なんてったって、リーダーが出る予定だからな」
その言葉のあとに、蒼炎の戦姫がでるんじゃもともと勝ち目ねーし、と言う言葉がボソッと聞こえたが聞かなかったことにしよう。
「やっぱりリーダーさんは強いんですね。」
「おうよ、俺たちはBランクパーティーだ。
そんじょそこらのやつらとは、ちとレベルがちげーよ。」
「Bランクパーティー!たしかにGランクの俺たちからしたら雲の上の存在!普段どういった感じで戦っているんですか?」
俺の質問に気を良くしたのかいろいろ話してくれた。
アーファさん曰く、リーダーは槌の名手。
土魔術と組み合わせて戦うスタイルだそうだ。
槌は魔力使った一撃必殺の威力で敵を潰していく。
魔力自体はそこまで多くはないが、土魔術を使う時は地面の土を媒介にして魔力消費を抑えているんだ。」
いろいろ暴露してくれるのでありがたい。
ただあんな酒に溺れるような人が高ランク冒険者なのは信じられない。
まだ槌を使う人はいまはあったことがない。
一度魔獣戦で使ったとはいえ、まだまだレベルアップが必要だ。
だけどあの人に<憧憬者>が発動できるのか…。
俺は泣きながら延々とチェスカさんに愚痴ってるガッツさんを見る。
……憧れる要素が一切ない。
武闘大会のための情報収集のつもりだったけど、こうも簡単に話してくれるとは思わなかったな。
もしかしたら、話してないこともあるのかな?
いずれにせよ、何も知らずに戦うよりよっぽどいいだろう。
「よし、このくらいで俺もちったぁ満足だ。
じゃあな、英雄様。例え英雄様でも、リーダーと戦って勝てるとは思えねーがせいぜい戦えるよう頑張りな。
もちろん戦うようになったら応援はしねーが、相手がリーダー以外なら応援してやるよ。」
そして気分よく話したのか席を立って終わりを告げた。
結果的には大会参加者の情報を得ることができたと考えよう。
今後は少しずつ大会参加者の情報も集めないとな。
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