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異世界誕生のきっかけは子供を助けたことでした  作者: ひれい
初めての冒険
31/169

方針

祝!投稿一か月!

 

「とりあえず決めないといけないことがいろいろあるんだ。」

「決めないといけないこと、ですか?」


「そう、とても大事なことなんだ。」

 レナさんが真剣な表情になった。

 イヤ、ごめんなさい。勿体ぶった言い方したけど大したことないじゃ無いんだ。


「まずは…パトの言い値の報酬を決めないと!」

「…そういえばまだ報酬をもらっていなかったですね。」


 レナさんは肩透かしを食らったようにポカーンとしている。

 うん、決めることが多かったからまずはこの入り方でいいんだ。 


「死にかけたからね、がっつりともらわないと!

 レナさんは何か希望があるかな?」

「がっつり、ですか。そうですね…現実的なことを言いましたら資金面でしょうか?

 ある分には困りませんし、まだまだ私たちは駆け出しの冒険者です。

 収入が安定しているとは言えませんし。」


 レナさんの意見は非常に現実的でした。

 もう私欲のために高いもの請求しようとした自分の愚かさを悔やみたいくらい…。


「悠斗さんは何か希望があったんですか?」

「え…?いや…その…。」


「……?」

 レナさんは少し首を傾げている。

 その仕草も可愛いのだけど直視できない。


「その、何か武器を報酬でもらえればな、っと。

 レナさんに借りたままの武器をいつか返せるようにとは思っていたけど、こんな機会あんまり無いだろうから…。」


「たしかにパトリックさんならいい武器もお持ちかもしれません。

 以前お話しした、悠斗さんのお気持ちも理解しているつもりです。ですが言わせてください。


 私は悠斗さんに使っていただきたいです。

 私が持っていても使えない武器達、でしたらせめて使える人に使って欲しいと思います。


 それに悠斗さんが私を守るために使っていただけるのでしたら、それ以上の喜びはありません。」


「レナさん…。」

 借りを作りたくない、そういった部分での俺のワガママだったのは重々承知していた。

 だけどレナさんに言われて受け取らないわけにはいかない。


(レナさんを守るための武器、か。)

 そう思うと心がスッと軽くなった気がする。


「わかったよ、レナさん。レナさんを守るために大事に使わせてもらうよ。」

「はい、私をしっかり守ってくださいね。」

 レナさんが笑ってそう答えてくれた。

 たぶんレナさんなりの冗談だろう。

 少し距離が縮まったかな、と嬉しくなった。


 こうして俺は正式にレナさんから武器を譲り受けることになった。

 パトへの言い値の報酬は資金面の方向で決まった。

 額はどうするか、などはまたパトと合わせて相談ということで。


「次にパトからの情報で、強くなるための足がかりとして武闘大会に出ることになった。」

「…どういう経緯でそうなったかお伺いしても?」


 たしかに新人冒険者がいきなり武闘大会は無茶もいいところだと思う。

 とりあえずレナさんに経緯を説明する。

 へーティさんのことも含めて。


「そういった事情でしたか。武闘大会と言いますと海上国家ネオンブライアでしょうか?」

「そういえば場所とか詳細は聞いてなかったな。

 その国の武闘大会は有名なの?」


「ええ、そうですね。この世界で上位を争うほどの大会です。ですが対人戦闘だけではないのが特徴ですね。」

「対人戦闘だけではない?」


「以前お話しした通り、この世界では魔力を補助として使うことで、自分の思い描いた通りに動きをすることができます。

 その動きの個性や美しさを競う演舞大会も存在しています。」


「なるほど、武術の型というよりかはフィギュアに近いのかな?」

「そう言った認識で大丈夫かと思います。

 ただフィギュアと仰ってもこの世界の方々に伝わないと思いますが…。」


 演舞大会は自己流剣術の型だという認識にしておこう。

 成績上位者は門下生が増える機会になるから、自己流剣術を広めたい参加者が増えるらしい。


「武闘大会の方しか聞いていなかったけど、そっちも気になるな。そういえば開催日は知ってる?

「たしか次回開催は1ヶ月後だったと記憶しています。」


「身体治って、へーティさんの特訓受けてからになるけど、次の目的地はそこでいいかな?」

「はい、私は構いません。以前から演舞大会の方は興味がありましたが機会がなかったので楽しみです。」


 レナさんも嬉しそうしてくれている。

「次の目的地はネオン………

「…ネオンブライアですね。」


 さりげなくフォローしてくれるレナさん。

「うん、そこで!」

 こうして次の目的地が決まった。


 さて、正直次が本題なんだよな。

「もう一つ決めたいことがあるんだけどいいかな?」

「もう一つ、ですか?」


「強くなる足がかりとして武闘大会。

 ただそれ以外にもパトに言われたんだけど、単純に戦力を増やすことだけでも違うんじゃないか、だそうだ。」

「戦力、つまりパーティーメンバーを増やすということですよね?」


「そうだね、その辺はレナさんと相談しながらになるけど、増やさずに2人での冒険でもある程度の安全マージンを取れば生活できると思う。

 初めてのクエストがちょっと異常だったと考えればね。」


「…悠斗さんはいかがお考えなんですか?」

「俺は、今回のことでわかったんだ。

 このまま強くなる道を選べば、いつかまた危険な魔獣と対峙してレナさんを危険に巻き込むかもしれない。


 それでもそう言った危険な魔獣を倒して、多くの人を救えるなら救いたい。

 そのために最善を選びたいんだ。


 メンバーを増やせばそれだけ生存確率があがる。

 パトの受け売りだけどね。」


 俺は笑って自分の気持ちを伝えた。

 そしたらレナさんも笑って答えてくれる。

「ふふふ、女の子が来たら嫉妬してしまいそうです。

 冗談は置いておきまして、どんな危険な魔獣相手でも、私は悠斗さんの隣が一番安全だと信じています。

 ですから悠斗さんの望むままに。」


「ありがとう、レナさん。それじゃあパーティーメンバーを増やす方向でいくね。

 でも女の子と決まったわけでは…。」


「こういうのは何故か女性が近づいてくるのがお決まりではないのですか?」

「……ははは。」

 俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。


「パトを誘おうとしたら断られたし、性別は特に気にしてなかったんだよね…。

 それに試してみたいこともあるからそっちを試してみたい。」

「試してみたいことですか?


「そう!召喚魔術だよ!」

「…異世界人をお呼びになるのですか?」


「そんな大それたものじゃないよ。従魔っていうのかな?

 召喚出来ればメンバーが増えるし、共有スキルで一緒に召喚して、名前つけて、一緒に戦えればその…ペットみたいに可愛がれるかなって。」

「わかりました!やりましょう!」


 なぜかレナさんがものすごくやる気になってくれた。

 正直共有スキルで女神様の加護(仮)の声が聞こえるか試したかった、というのが本音だ。


 ただこれだけやる気になってくれるならこっちも嬉しくなる。

 身体を治して召喚魔術を試すことになった。

毎日12時30分投稿予定です。


ストックは作らず行き当たりバッタリの作品ではありますが、しばらくは毎日投稿(週7話)は基本的に守れるようにしていますので、気軽に読んでもらえたら嬉しいです。


仕事の都合により投稿できなかった場合、週末2話等調整致します。

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