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異世界誕生のきっかけは子供を助けたことでした  作者: ひれい
初めての冒険
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治療

 

「体の方は数日で良くなると思います。」

 パトの言葉でホッとする。このまま生命力は戻りません、って言われたらレナさんを余計に落ち込ませてしまいそうだし。


「ありがとう、パト。それにへーティさんも。」

「ふふふ、いいのよ。これが私の仕事だから気にしなくていいわ。だから早く身体を治すのよ?

 あなたの武闘大会への特訓は楽しみで仕方ないんだから。」

「元はと言えば僕が蒔いた種ですからお気になさらずに。」


 2人がそれぞれの理由で気にするな、と言ってくれる。

 この世界にきて2日しか生活できてなかったけど、本当にいい人たちと知り合えた。


「それではまずアタシから治療を始めますけど大丈夫ですか?」

「そうですね、僕の方は一旦戻って効きそうな薬を調合して戻ってきます。


 まずはへーティさんから始めてくれるようだ。

「始めるわよ、手を出して楽にしてていいわ。」


 俺は言われた通り左手をへーティさんの方で出した。

 へーティさんは俺の左手を上下で挟んで持ち目を瞑った。


 俺はすることもなくへーティさんを眺めてる。

 この人、いろいろ残念だけどやっぱり綺麗だよな

 そんなこと思っていると

「ふふふ、綺麗だと言ってくれて嬉しいわ。

 ただ、何が残念なのかしら?」


 あれ…?目を開けたへーティさんの笑顔が怖かった。

 どうしてバレた?たしかにへーティさんも元から心読めてたけど、すこし正確に読み取りすぎではないだろうか?


 その疑問も口に出してないはずなのにへーティさんがすぐに答えてくれた。

「共有スキルで共有しているからよ?」

 なるほど。治療中は下手なことは考えられないみたいだ。


 無心だ…無心だ…。


「共有しようと思えば深層意識まで読み取ることも可能だから無駄よ?

 対抗しようとへーティさんの心を共有しようとしたができなかった。


「……俺はへーティさんが考えていること全く共有できてないんですが?」

「無駄よ?心を読ませないなんて基本中の基本よ。」

 経験が違うようだ。俺の考えていること共有されることを諦めるしかなかった。


 ただ話も逸れて安堵していたが終わっていなかった。

「それで、何が残念なのかしら?」

「え…?あ…、いやー…。」

「ふふふ、いいのよ。治療時間はたっぷりあるからアタシにバレないように言い訳を考えなさい。

 それも十分に修行になるわ。」


 笑顔とても素敵で怖いです。

 そうして俺はビクビクしながらも、治療を続けてもらった。


 治療はというと、心地よい感覚で冷えた身体が少しずつ暖かくなっていくようで眠気を誘う。


 気がつくとへーティさんは居なくなっていた。

 いつの間にか眠っていたようだ。

 せっかく治療してくれてたのにお礼も言えなかった。

 

「お目覚めですか?」

「レナさん、おはよう。ごめん、また待たせてしまったね。」


「いえ、お気になさらずに。それで大丈夫でしょうか?」

「うん、大丈夫だよ。治療も結構心地よくて眠ってしまったけど治っていっている感じはわかるかな。」


「それは何よりです。それで…そろそろ夕食のお時間なのですが食欲の方はありますか?」

「うん、レナさんのご飯は美味しいからね!食欲なくても食べたいよ!」


「ふふ、お上手なんですね。それではお持ちしますのでお待ちください。」

 レナさんはそう言って部屋を出て行った。

 笑っていてくれてるがやはり元気が無いようだ。

 あとでちゃんと話ししないとな。



 そう言えばへーティさんと共有していたが、戦闘中に聞こえた女神様の加護(仮)の声は聞こえなかったな。

 レナさん限定なのだろうか?

 試したいこともあるし、今度レナさんにお願いして共有スキル使ってみようかな。


  そんなことを考えているとレナさんはシチューを持ってきてくれた。

 具も小さめで食べやすいサイズにしてくれているようだ。


 相変わらず美味しい食事を一心不乱に食べた。

 おかわりしてしまったが美味しいのが悪い。


 食事が終わり、レナさんと今後について話をすることになった。

 ただその前に言わないとな。

「レナさん、俺はレナさんがいてくれたおかげで生きていると思っている。


 1人だったら餌にされてただろうし、もしパートナーが他の誰かだったら、その誰かを残して1人だけ助かる道を探したかもしれない。」


「悠斗さんが他の誰かを残して、自分だけ助かろうとはしないと思います。ご自身を犠牲にして……。」

「パトの思惑通り動いていたからね。パトの予想では俺は死ぬはずだったらしいし。」


「パトリックさんから謝られました。僕の責任だ、と申し訳無いと。」

「パトも心のしこりがあったから仕方ないよ。

 それにそのおかげで俺たちは一人の人間を救えたんだ。

 それは胸を張ってもいいことじゃ無いかな?


 悩ない生き方をするのは難しいかもしれない。

 ただ死んでいたかもしれない、で悩んでいても結果として俺たちは生きている。

 もっともっと強くなって今度はちゃんと勝たないと、ね。」

 俺は笑ってレナさんに話しかける。


「ありがとう、ございます。そうですね、強くならないと…!」

 少し涙を浮かべているようだったが笑ってくれてる。


「まぁ俺にとってレナさんは、まだまだ手の届かない存在だけどね。」

 俺は笑って冗談をいうのだった。

毎日12時30分投稿予定です。


ストックは作らず行き当たりバッタリの作品ではありますが、しばらくは毎日投稿(週7話)は基本的に守れるようにしていますので、気軽に読んでもらえたら嬉しいです。


仕事の都合により投稿できなかった場合、週末2話等調整致します。

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