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異世界誕生のきっかけは子供を助けたことでした  作者: ひれい
初めての冒険
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正しい魔獣の情報

 

「あなたは自分が倒した魔獣のことをどれくらい知っているのかしら?」

「インビジブル・ワームイーターのことですよね?」

「ええ」


「危険度Bランク、闇魔術と土魔術を駆使して魔力が少ないものを狩る新人潰し。

 近年では近接中級パーティも犠牲になっている。

 夜型の隠密性と異名のせいで危険度Bランクまで上げられているが、そこまで危険度は高くない、ですか?」

 これがパトから聞かされた内容だ。


「そう、そこなのよ。危険度が低い?それは教えられた情報なのかしら?」

「え?あ、はい…パトから貰った情報です。」


「やっぱりそうなのね…。まったく、あの人は…。

 いいわ、私がきちんと教えてあげる。

 ただその前に、戦った感想を聞いていいかしら?」


 死ぬ思いもした敵との戦いの感想、ね。

 前の世界と違い、感想文書かされないだけマシだと思おう。

 ただ、強かったです!では許されない空気があるから真面目に魔獣ついて考える。


「敵対した時、最初はあえて本体を感知させて分体で襲う、とか考えながら戦っているから理性的な魔獣かと思っていましたが、本体の頭=口の印象からも、むしろ何も考えずに行動しているんじゃないかと。」



「そう、本能で動いている、と言われているわ。

 それが問題なのよ。弱い魔物なら本能で動いても簡単倒せるから、危険度のランク付けの誤差もほとんどないわ。

 ただ高位の本能で動く魔獣は低く見積もられすぎなのよ。


 ましてや臆病な魔獣。魔力が高い冒険者を敢えて襲わない。

 人がいる街を襲った事もないし、討伐記録が少なくて、前回討伐した人の情報が反映されて低く見積もられているのよ。


 実力がわからないから危険度B相当にされているけどもっと高いかも、が正解ね。」


 パトに逆の情報を摑まされていたのか…。

「普段はどうやって対処しているのですか?」

 俺の質問にへーティさんはビシッと聞こえてきそうなほど人差し指を俺に向けてきた。


「そう!それが一番の問題なのよ。

 最近ちょこちょこと被害が出ているのだけど出現位置に一貫性がなくてね。


 ほとんどが餌にされてしまうから情報が出回らない。

 上位の魔術師が魔力を最大限に抑えて、魔力がない人間を装って出会えたのが300年前。


 その魔力を抑えて出会える、という情報ですら正しいかどうか…。

 たけど今回あなた達が300年ぶりに討伐してくれた。」


「…300年ぶり?」

「前の討伐から存在自体が消えていたと言われていたからね。

 あまり認知されていない魔獣で、餌にされたものは骨すら残らない。

 情報の少なさが災いして大ごとにされる事なく、今まで来たってことよ。」


「なるほど。けっこうレアな魔獣だったんですね。」

「けっこう、どころではないわよ。アタシだって初めて見たのよ?


 ちなみに前回倒したのはパトリックさんよ。

 あの人が浮浪者であったころ、魔力を抑えて獲物が近づいてくるのを待ってから戦うのがスタイルだったらしいわ。


 それに引っかかって釣れた一体の魔獣、それがインビジブル・ワームイーター。

 あの人の見た目と「あいつ弱かったよ」の一言で最初はCランクだったらしいけど訂正された魔獣の一体ね。」


「なるほど、パトが…。だからあんなにあの魔獣について情報を持っていたのか。」


「そうね。あの人からしたらCランク相当、だったのが現状Bランク。高く見積もられてる、と思っても仕方ないことね。

 むしろギルドからしたらもっと上でもいいのだけど…討伐記録が少ない魔獣ほど厄介だわ。」


 そういえばパトも数百年前は生きているって言ってな。

 昔はこれくらい平気だったのに最近の若者は…みたいな感じだろうか。


「ここまで話せば誰が英雄かわかるよね?」

「それは、まぁ…。」

 たった一体の魔獣討伐しただけ英雄と呼ばれるのが気がひける。

 なるべく表沙汰になる前に対処が必要そうだ。


「さて英雄様、数日は安静にしてもらうがこれからどうするのかしら?」

「英雄様は辞めてください…。なるべく普通に過ごしたいんですが。」


「普通に、ね。あなたの言う普通が何をさすのかはわからないけど無理じゃないかしら?」

「え?」

「最近冒険者が多数死んでいる原因の魔獣。それを300年ぶりに倒して“普通”でいられるかしら、英雄様?」

 笑っている。絶対に揶揄っている。


 英雄の件は諦めて今後について話す。

「まずはパトに文句を言わないとな。」

「それはいいわね。応援するわよ。

 ただ簡単に言い負かされる未来が見えるわ。」

 すっごい楽しそうなへーティさん。


「…それでも文句は言わないと。」

 一度死にかけた…いや実際には死んだ俺なら文句の一つや二つ言ってもバチは当たらないだろう。


毎日12時30分投稿予定です。


ストックは作らず行き当たりバッタリの作品ではありますが、しばらくは毎日投稿(週7話)は基本的に守れるようにしていますので、気軽に読んでもらえたら嬉しいです。


仕事の都合により投稿できなかった場合、週末2話等調整致します。

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