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異世界誕生のきっかけは子供を助けたことでした  作者: ひれい
初めての冒険
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戦後

 

 目を覚ますとベッドの上で眠っていたようだ。

「知らない天井だ…。」

 一度は言ってみたかったから言ってみたものの、状況が変化するわけでもなく…。


 手を握られてる感覚があるからそっちに顔を向けると、椅子に座って眠っているレナさん。

 寝顔も大変可愛いです。


 ずっと看てくれていたのだろう。起こすわけにもいかないから、できることはないかと考える。

 …この状況ではなさそうだ。


 ここはどこなんだろう?病院…ではなさそうだ。

 そもそもここは回復魔術もある世界だから病院自体なさそうな気もする。


 できることもない。そう、できることがないから仕方ないのだ。

 俺はレナの寝顔を眺めながら起きるのを待った。


 数十分くらい経ったと思う。レナさんが微かに動いて目を開けた。おかげで視線がぶつかった。


「悠斗さん…お目覚めになったのですね!」

「おはよう、レナさん。心配かけたね。ごめん!

 それとありがとう。看病してくれてたんだよね。」


 寝顔見られた事を恥ずかしがるかと思ったが、起きたことの方が勝ったようだ。


「いえ!そんなことは…。私たちは生きています。それだけでいいんです。」

「ありがとうレナさん。それでここはどこで、早速あの後、何があったのか聞いてもいいかな?」


「ここはギルドの一室になります。傷ついた冒険者の治療所です。簡単に言えば保健室ですね。

 そしてあのあとですが…。悠斗さんが魔獣を倒した後、悠斗さんは魔力不足により意識を失いました。

 正直死も覚悟してました。私にはどうすることもできまず、自分の無力さを痛感して、胸が押しつぶされそうでした…。」


 体が震えてる。顔を見ると今にも泣きだしそうだった。

 その顔をみていると本当に申し訳なく思う。


「森が燃えていくのを、ただ見ることしかできなかったのですが、声が聞こえたんです。全てを凍らせ、と。その声と共に、悠斗さんが燃やした炎に蒼い炎が覆い、凍らせて火を消していったのです。」


 …ん?火の上に蒼い炎が覆って凍っていった?

 全く状況が理解できない。何故蒼い炎で凍るんだ?蒼い炎はむしろ温度が高かったような…。


「援軍の人が延焼を止めてくれた、でいいのかな?」

「あ、はい。ユウちゃんが駆けつけてくれたおかげで無事森を抜けることができたのです。」


「あーなるほど、蒼炎の戦姫、だっけ?」

「ふふふ、可愛い名前ですよね。ユウちゃんのおかげもあり被害も最小限で済みました。」


「森一つ燃え尽きる前で助かったよ…。」

「そうですね、かなり派手にやってしまいましたからね…ははは。」


 レナさんが視線を逸らした。うん、それだけでイヤな予感しかしない。

「ユウちゃんには今度お礼をしないとね。」

「ふふふ、そうですね。きっと喜びますよ。

 悠斗さんがここに運ばれてからずっと、仕事前には必ずお見舞いに来ていたんですよ?」


 ユウちゃんにも心配かけてしまったのか…

「そういえば俺は何日くらい眠っていたの?」

「5日、ですね。」


 思いのほか眠っていたようだ。

 身代わりにしたんだから即日回復しても、とは言っても仕方ないことか。

 ただ5日も看病してくれてたのか。


「本当にありがとう、レナさん。」

 自然とお礼の言葉が出ていた。


 状況はわかったけど、これからどうしたものか…。

 できればレナさんはゆっくり休ませたい。

 レナさんを休ませつつ、ギルドに報告…はレナさんと一緒にいきたいからやっぱりすることがないな。


「レナさん、この後のことなんだけど…

 とりあえずレナさんにはゆっくり休んで欲しい。

 それからギルドに報告とパトのところ、でいいかな?」


「お気遣いありがとうございます。それでは悠斗さんのお食事を用意したのち、少し休ませていただきますね。」


 そう言ってレナさんは部屋を出て行った。

 それと入れ替わるようにへーティさんが部屋に入って来る。

 苦手意識が出てきたのかちょっと身構えてしまう。


「やぁ坊や、気分はどうだい…って病み上がりの人間になにもしないわよ。」

 そういえばこの人は心をある程度読めるんだったな。


「あ、へーティさん。頗る(すこぶる)とまではいかないですけど、意識はしっかりしてますよ。」

「それはなによりだよ。それじゃちょっと失礼するよ。」


 そう言ってへーティさんは俺の額に手をかざし魔術を発動させる。健康診断みたいなもだろう。


「しかし、よく生きていたね。ここに運ばれた時は死の淵に片足どころか、両足突っ込んで溺れていたレベルだったんだわよ?

 何をしたらあそこまでの状態になるのか不思議で仕方ないわ。

 できれば治療の参考程度に話せる範囲だけでも聞いていいかしら?」


 さすがに隠すわけにはいかない、か。

「…魔獣を倒すには魔力が足りなくて、生命力を使いました。」

「ふむふむ、生命力を、ね。あなたは生命力変換スキルは持っていたのかしら?」


「…生命力変換スキル?」

「持っていなかったのかしら?

 まぁあなたはユニークスキルがあるから、エクストラスキルである生命力変換すら獲得も可能なんでしょう。


 アタシが言いたいのは、もし意識的に使用したというなら今後は使用を控えなさい。

 魔力だけなら昏睡で済むけど生命力を空っぽにしてたら命がないと思いなさい。」


 厳しい言葉を言ってくれているのは俺のため。

 助かったのは加護のおかげです。とはいえないしな…。

「肝に命じておきます。」


「よろしい。それじゃ状況説明するわね。

 まず数日は絶対安静だ。生命力まで一度空っぽにしてたんではもう少しきちんと検査をしたい。」


「ギルドへの報告とかはどうすれば…?」

「ここはギルドだよ?呼びつければいいさ。」


「いや、流石にそれは…俺は新人冒険者ですよ?」

「新人だろうと動けない怪我人を歩かせるわけにはいかない。

 それに英雄様の言葉ならギルマスだろうと耳を傾けるさ。」


「…英雄様?へーティさんがですか?」

「まさか状況を聞いていないのかしら?」


「あの後のことは聞きましたよ。ユウちゃんのおかげで…ってなるほどユウちゃんのことでしたか。蒼炎の戦姫様、ですからね。」

「…まだ全部は説明していないのね。」


 …この流れは俺が英雄…?イヤイヤ…それはない。

 俺はまだ新人冒険者で討伐魔獣もたった一体。

 うん、続きを聞こう。しっかり人の話は最後まで聞く。

 今回の戦闘で学んだことの一つだ。

 俺はへーティさんに続きを聞くのだった。

毎日12時30分投稿予定です。


ストックは作らず行き当たりバッタリの作品ではありますが、しばらくは毎日投稿(週7話)は基本的に守れるようにしていますので、気軽に読んでもらえたら嬉しいです。


仕事の都合により投稿できなかった場合、週末2話等調整致します。

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