表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界誕生のきっかけは子供を助けたことでした  作者: ひれい
初めての冒険
24/169

二度目の邂逅

 

 目を開けると真っ白な空間にいた。

 見覚えはある場所。現実を否定したい気分だ。

 あたりを見渡すと椅子に座った女性、ルージュさんが少し呆れた様子でこちらを見ていた。


「たった2日でここに戻ってくるとは思わなかったわ。」


 その一言をきき、大変申し訳なく思います。

「あはは、けっこうがんばったんですが…足りなかったです。」


「全く、無茶もいいとこだったわよ?

 あの世界行ってすぐにインビジブル・ワームイーターに挑むなんて死にたいのかしら、と思ったもの。」

「…実際死んじゃったんですが。」


「ホント、あんな魔獣と戦う決意をするとは思わなかったわ。

 ふふ、でもそのおかげでここ来るだろうことはわかっていたし、あなたを出迎える準備も整っていたわ。」

 と笑うルージュさん。少し嬉しそうなのは気のせいだろうか?


 だが俺からしたら笑い事ではない。

「倒せると聞いて少し楽観視してたかもしれないですね。」

「確かにあのパトリックの思惑通りに倒したわね。」

「思惑、ですか?」


 パトにもやっぱり何か裏があったらしい。

「あなたの命が助かる保証はしてなかったってことよ。」

「…なるほど。」


 ルージュさんが話が終わったかのように立ち上がる。

「さて、行きなさい。あなたを待ってる子がいるわよ?」


 言葉を間違えているのだろうか?

「逝きなさい?」

「違うわよ!あの子の元に帰りなさいって行ってるのよ。」

「え?その、俺…死んでここに戻って来たんでは…?」


 ルージュさんが何か思い出したように「あー!」と手を叩きまた椅子に座る。


「大事なことを忘れていたわね。あなたには二つの選択肢があるわ。」

 聞き覚えのセリフです…そして提示された選択肢も同じだった。


 一度目ならまだしも二度目となると疑問も出てくる。

「俺が異世界に行く理由は、最善の結果になるように繰り返せっていう、タイムリープ系だったんですか?」


「ふふふ、最初にここに来た時は察しはいい子だとは思ったけど、人の話は最後まで聞かないとダメよ?」

「あ、すみません。」


 ということはまたあの魔獣と戦わないといけないのか?一気に気が重くなる。

 レナさんが俺を知っていた理由もそれが原因だろうか?




 と、いろいろ考えていたがあっさり否定される。

「でも残念。違うわ。」

 ルージュさんはイタズラっぽく笑いながら答える。


「だったら一度死んでなお、また異世界へ行けと?」

「それが私のためでもあるからよ?」

「あなたのため…?」


 ルージュさんは少し考え、言葉を選びながら話してるのがわかる。

 ただ疑問に思ってることを教えてくれることはなさそうだ。


「私が前にここで言ったことを覚えてるかしら?」

 ルージュさんはいきなり話を変えた。

 ここで話した内容…そうして一つの答えにたどり着く。


「…死んでここに戻ってきても教えないわよ?」

「あら?正解よ。あなたって物覚えもいいかしら?

 そう、私は教える気がないわ。」


 向こうから会いに来いってことなんだろう。

 だがこれだけは教えてもらわないといけない。


「どうして異世界に戻れるんですか?俺は死んだはずでは…?」

「それはなんで向こうに戻れるかってこと?

 それなら教えてあげるわ。そうね…私がここであなたに与えたものを覚えているかしら?」


 この女神はすぐに答えを教えてくれる気は無いようだ。

 だがこれについてはすぐに思い出す。

「回数制限のルージュさんの加護?」

「もうー正解だわ。あなたに問題をだすのはつまらないわね。」


 そういってちょっと頬を膨らませ拗ねているようにみえるルージュさん。

 人間っぽい女神だなっと笑いが溢れる。


「正直なところ、加護については保険のつもりだったのだけどね。

 初めての異世界生活で簡単に死なれては困るから与えていたのよ。

 ただ一か月くらいして生活に慣れたところで、使わなかった加護を回収するつもりでもあったわ。それをたった二日で…。」


「ごめんなさいごめんなさい。」

 それに関しては謝る他ない。


「別にいいわよ、あくまで保険と、その…お礼のつもりだったから。

 ただ死んだ人間を蘇らせる、なんて私でも禁忌なのは間違いないわ。

 だからあくまで私の加護は、スキルが身代わりになるのと、それに付随して意識のみを一時的にここへつれてくるスキル、なのよ。」


 そう言われて思い出す。

 ここに来てからルージュさんは俺の質問に必要なことは答えていたが、一度も俺が死んだなんて言ってなかった。


 もしかしてレナさんの保護の相談ときに智慧の女神様の加護らしき言葉も

【ただしその場合ーー】の続きは冥界の女神の加護を犠牲にします。とかだったんだろうか?


 死ぬことが目の間に迫ってるから早とちりしていたんだろう。

 ちゃんと最後まで聞かないとダメだな、うん。

 ついさっきルージュさんにも指摘されたし。


「要するに俺は死んでないってことですか?」

「そうなるわね。だからあなたは異世界に戻ることも可能なのよ。

 もちろんここにきたってことは、元いた世界で新たな生として生まれることを選ぶことも可能ってことね。」


 そこで一呼吸いれてルージュさんは真剣な表情になる。

「身代わりの能力だけではなく、ここに来るよう設定していたのは、死が身近な世界で…死ぬことと変わらない体験をしたあなたにもう一度、選ばせるためよ。あなたはどうしたいかしら?」


 そんなもの考えるまでもない。答えは決まっている。

「あの世界での最後がレナさんの泣き顔なんて、死んでも死にきれないですよ。」

 俺は笑って答える。


「ふふ、そうか。あなたの気持ちはわかったわ。

 ただ…お願いを聞いてくれるかしら?」


「お願い、ですか?」

「ええ…。できればいいの。早めに会いに来て欲しいわ。」

「早めに…?何か理由でもあるんですか?」

何故だろう、目を逸らされた気がする。


 だが答えてくれないまま俺は意識が遠のていった。

毎日12時30分投稿予定です。


ストックは作らず行き当たりバッタリの作品ではありますが、しばらくは毎日投稿(週7話)は基本的に守れるようにしていますので、気軽に読んでもらえたら嬉しいです。


仕事の都合により投稿できなかった場合、週末2話等調整致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ