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異世界誕生のきっかけは子供を助けたことでした  作者: ひれい
初めての冒険
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勝利への道筋

 

 武器を構えた俺たちは目配せで合図をする。

 連携はまだ心許ない。

 だが朝ここに来る前に道中で少しずつそれぞれの武器で連携の練習をした。

 ある程度はレナさんの動きを追える。


 俺がまず槌の大振りで敵の気を逸らす。

 敵は横へ逃げるが狙い通り。

 レナさんが斬りつけてダメージを与えた。


 俺の剣では、魔術で補強している身体にダメージ与えることすらできなかったが、レナさんは岩ごと斬っている。


 ただレナさんの表情は冴えない

「なかなか硬い、ですね…。私の剣ではそこまでダメージを与えれそうにありません。

 次は私が飛び込みますので、アタッカーをお願いします。」

「了解だよ、レナさん。」


 そう言って今度はレナさんが飛び出した。

 だが敵も黙ってはいない。

 石礫でレナさんの接近を阻止しようとする。


 レナさんは走りながら近づき、体に当たりそうな石礫を斬って落としていく。

 その間に俺も敵に近づき、レナさんのフェイント攻撃に合わせて横から大振りの攻撃をぶつける。


 敵は数mほど吹き飛び、今までにないほどダメージを与えれた気がする。

 だが敵もすぐに立ち上がり奇声とともに石礫の大量攻撃を仕掛けてくる。


 ヤバイと思った俺は槌を地面に叩きつけて土魔術を発動させ壁を作る。

 なんとか相手の攻撃から俺とレナさんを守れるだけの壁を作り難を逃れる。


「ありがとう、ございます…ですが!」

「そうそう簡単には勝たせてはもらえないね。」

 俺は肩で息をしながらもレナさんに笑いかける。

 余裕があるアピールだ。

 バレバレだろうけど気にしたら負けだ。


 魔術は火や水がなくともそれぞれを生み出すことができる。

 だが素材がある場合、魔力の消費を抑えられるらしい。


 今回は地面に土があるからぶっつけ本番でやってみたが上手くいった。

 土があるところがほとんどだから、土魔術は魔力消費を抑えられて結構便利なのかもね。


 ただ短所もある。

 素材を使うということはその分無くなるということ。

 目の前には敵が見えないほどの壁。

 叩きつけた地面は壁に使った分穴が空き地形が変わる。


 戦いにおいて地形の変化はそれだけ戦況を左右する。


 最初に気づいたのはレナさんだった。

「そこから離れてください!」

 数瞬遅れて俺も魔力感知で察知できた。


 敵は壁を隠れ蓑にいつのまにか地面に潜っていたようだ。

 勢いよく敵が穴から飛び出してきた。


 レナさんの言葉もあり、なんとか大惨事は免れた。

 免れたが…俺は敵の凶悪な歯によって右足を抉られていた。


「その足!早くポーションを使ってください!」

 そう言ってレナさんは敵の注意を引きつけるため飛び出した。


 俺は急いでポーションを思い浮かべ、収納されているポーションを取り出し飲み干す。

 さすがにパトが効き目を保証するだけはある。

 傷はある程度塞がったが痛みは減った気がしない。


 俺はすぐさまレナさんの援護に向かう。

 走ると右足に激痛が走る。

 だが気にしてはいけない。


 そして俺は敵に近づき槌を叩きつける。

 魔力の補助を使った渾身の一撃。

「くらえーーーーーー!」


 俺へ大ダメージを与えたことと、レナさんの必死な攻撃で相手も俺への注意がそれていたのか、敵は俺の攻撃を無抵抗のまま受け倒れ込んだ。


 まだ生きている。すぐに立ち上がろうとしているが、体が震えてうまくいっていない。

 だがこの機を逃したらまたピンチに陥るかもしれない。


 俺は最大最後ののチャンスと思いレナさんを呼ぶ。

「レナさん!レナさんの力を貸してくれ!」


 レナさんは俺の隣に立って手を差し出してくる。

「絶対に無理をしないでください。一緒に帰れると信じています。」


 信じている、か。

「ありがとう、レナさん。」

 レナさんの手を握り返し、俺は自分の所持していた一つのスキルを発動させる。


 ーー共有。

 魔力を貸すことも、スキルや技術を共有することもできるらしい。

 昨日はへーティさんに魔力を渡されるだけだったが、今回はレナさんの魔術スキルの力を共有して魔術を使う。


 昨日、冒険者登録をした水晶部屋の真新しさを思い出した。

 話の内容からレナさんが魔力を借りて全力魔術を使った結果だろう。

 あれが魔力がないだけで、レナさんが持つ魔術スキルの力。

 正直パトがここまで読んでいたのか、と少し怖くなった。


 共有スキルが発動したタイミングで一つの声が聞こえた。


【個体名:リーファレナ=リスアミィとの知識共有により、一時的に限定解除に成功しました。悠斗様(マスター)、ご命令を。】


 内心で焦る。スキル獲得時に聞こえた声だ。

 その声を聞いた途端、時間が止まったような感覚に陥る。


(いやいや、え?限定解除?智慧の女神様の加護、ですが?)


【………】


(あ、ノーコメントですか。必要以上は答えてくれない感じですか。

 黙秘が正解だっ言ってるような気もするが命令…命令すればいいのかな?)


【はい。】


(これは答えてくれるのか。そうだね、まずは敵を倒したい。火魔術を共有しているからもちろん全力で!サポートしてほしい!)


【了解しました。個体名:インビジブル・ワームイーター、及びその分体の殲滅。

 残りの魔力から推察、分体を処理しつつ本体を倒せる確率、7.2%。

 本体が生き残った場合、魔力切れの悠斗様(マスター)と個体名:リーファレナ=リスアミィの生存確率、1%未満】


 くっ…!絶望的な数字だった。

 せっかく共有スキルによる道筋が見えたと思ったがまだ届かなかった…。でも…!


(それじゃダメだ!もっと可能性が高いものはないのか?!せめてレナさんだけでも生き残れるだけの!)


【個体名:リーファレナ=リスアミィの生命を最優先事項に変更。その次に個体名:インビジブル・ワームイーター、及びその分体の殲滅。

 推察結果、可能と判断しました。ただしその場合ーー】


(可能ならなんでもいい!やってくれ!)


【…了解しました。悠斗様(マスター)の魔力、及び生命力を代用し火炎魔術を発動させます。】


 その言葉と共に止まってた時が動き出す。

毎日12時30分投稿予定です。


ストックは作らず行き当たりバッタリの作品ではありますが、しばらくは毎日投稿(週7話)は基本的に守れるようにしていますので、気軽に読んでもらえたら嬉しいです。


仕事の都合により投稿できなかった場合、週末2話等調整致します。

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