表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界誕生のきっかけは子供を助けたことでした  作者: ひれい
初めての冒険
16/169

武器術とハナヅキ森と

 

 森に向かう道中は武器の扱い方やレナさんの小剣との連携に時間を費やした。

 おかげで普通に歩ていてくるより時間もかかったと思う。


 あくまで素振りによる連携だが、ありがたかったのはレナさんがあわせてくれること。

 武器を振るうことに慣れていなかった俺には合わせる、なんて高等テクニックは無理。


 そして問題もあった。

 刃渡り1mはある小剣を両逆手に持ち、短剣のように扱っている姿は演武を見ているようで目を奪われた。


 レナさんのレクチャーで分かったが、武器術とはもちろん武器を扱うためのもの、それは間違っていない。


 ただこの世界には魔力が日常の世界。それは魔術だけではなく武器術にもつかえる、から驚きだった。

 自分がどう武器を扱いたいか、思い描いた動きを魔力を使うことでサポートしてくれる。


 例えば三連突をただ剣を動かすのと、魔力の補助によって三連突をするのは速さ威力に差が出る、もちろん魔力操作やイメージ力など慣れればだが。


 でもレナさんはもともと魔力を持たなかったため、そういった補助ができず自分の身のこなしだけで動いているらしい。


 小双剣術はもってるから魔力による武器術の練習、と思いレナさんの動きを真似てみたが動きのキレもないし威力もなさそう。

 こんな動きしてたら敵に叩いてくれと言わんばかりで恥ずかしかった。


 レナさんの動きを中途半端でも真似たからこそ思う、レナさんの努力の結晶があの魔力補助のない双短剣術の動き、ただただかっこよくて憧れずにはいられない。


 ただこんな便利な補助にだって欠点はある。

 人体構造を無視した動きもできるから、調子に乗った新人(異世界人限定)が最初の冒険で自爆するという笑えない状況らしい。


 なぜ異世界人限定かというとこの世界は魔力が日常だから触れる機会もおおい。

 そのおかげで動きのサポートに魔力を使うのが小さいころからの日常で、可能な動きを知らず知らずのうちにマスターするからみたいだ。


 スキル獲得もそうだったけど、自分の望み、願いが力になる世界。

 意思の強さこそ力のこの世界で、俺の中途半端は役に立つんだろうかと少し不安になった。


 女神ルージュさん曰く俺のせいで作られた世界。だけど中途半端な俺は、この世界に反した存在(イレギュラー)、なんて言ったら傲慢かもしれないかな。

 ただ願うのは、俺という存在がこの世界にとって意味あるものであってほしい。


 途中から無言になって考え込んでいたからか、レナさんが心配そうにのぞき込んでいた。

 いや、そんな可愛い仕草されるとまっすぐ見れなくてこまるから!


 だが内心とは別にレナさんに謝る。

「冒険の途中なのに緊張感なくてごめん!ちょっと考え事してた。

 冒険者生活初日で特に気を引き締めないといけないのに…」

「いえいえ、気にしないでください。まだ森にはついておりませんので大丈夫ですよ。

 ただ悩み事がおありなようでしたので、説明不足かと思い心配していました。」

 俺は申し訳なくなりレナさんに謝りつつ、前を向いたら、森の入り口がみえてきたのが分かった。


 森に入る前に食事を済ませる。もちろんレナさん特製のお弁当だ。

 いつ作ったのかわからなかったがこれが家事のできる女性のすごさなのだろうと、美味しいお弁当をたべつつレナさんに感謝するのであった。



 さて、やって参りましたハナヅキ森です。

 道中は魔獣などにおそわれることもなかった。

 さすがに街でてすぐに魔獣に襲われることになるなら街自体が成り立たない。

 もっとも警備している人たちがいるから安全なのは当たり前だ。


 だからこうやって警備に力を入れない行路外にある森に入ると危険度が一気にあがる。

 とはいえ、初心者用の森みたいなものでそこまでは危険じゃないらしい。


 さて採取クエストで集める素材は三つ。

 ここに来る前に図鑑で見せてもらったけ&。

 だが森みたいな雑草が生えてる場所で草を見つけろって言う方が困難である。

「ごめんレナさん、こんな雑草多いとどれがどれだかわからない。」

「そうですね…それでは私がアレス草とラプン草を集めますので、悠斗さんはメイダケをお願いできますか?」

「なるほど、それならなんとかなるかも!」

 こうして俺はメイダケをメインに、レナさんはアレス草とラプン草をメインに役割分担することに。



 入り口付近の探索ではさすがに魔獣がいないので

 お互い目の届く範囲で探し回ることになった。

 もちろん何か見つけた場合はすぐ駆け付けれる距離。


 初心者御用達の森だから案外狩り尽くされているかと思ったらそうでもない。

 数日おきに生え変わるらしいから困らないらしい。

 これが過剰供給を制限する結果なのか。


 俺は雑草の見分けが難しいのでメイダケ探しをしつつも薬草怠らない。

 というよりも変な感じするっと違和感がする方を見てみるとそれがアレス草だったのである。


 アレス草を眺めていると違和感の正体がわかった。

 本当に微かだが魔力を帯びている。

 なるほど、へーティさんの授業のときに獲得したエクストラスキル:魔力感知のおかげか。


 攻略法を見つけた気分で魔力感知を全開(にした気分)で探索を再開した。

 …探せる範囲はまだ半径1mから2mほど。しかも2mほど広げると精度が一気に落ちる。

 数回見逃したタイミングで範囲を1m程度にしたが1mあれば十分だ、とか言えるわけない。


 他のことが疎かになるし魔力を持ったものを感知してしまう。

 そう土の中にいる小さな虫なども。

 しかも巣の上なのかうじゃうじゃいた時には気持ち悪さで全身鳥肌になり、足元が震える恐怖は思い出したくもない。


 ただそれ以外は我慢すればアレス草採取は順調だった。

 虫がいる場所にアレス草が生えているのもまた事実。

 俺は取りすぎない程度に採取してレナさんと合流することにした。



 レナさんと合流後、戦果を見せる。…決して褒められたいわけじゃない。

 だが自慢する前にレナさんの戦果を教えてもらって撃沈してしまう。

 レナさんはアレス草だけでなくラプン草、メイダケを満遍なく俺と同じくらい集めていた。


「メイダケを集める予定でしたがアレス草をたくさん集めましたね。」

 微笑んでるレナさんの一言が突き刺さる。

 レナさん自身は特に気にしてるわけじゃないんだろうがメイダケはどうしたかって?

 魔力感知によるアレス草集めに集中し過ぎて頭から離れていた。

 …落ち込んでなんかいない。次回は囚われ過ぎないように。


 ひと段落したところで、集めた素材を仕舞ってギルドに戻る事になった。

毎日12時投稿予定です。

文字数は前後しますが現状話が進まないため2500字程度を予定しております。


ストックがあるわけではなく毎日書いているので、いずれは1話ごとの文字数を多少は減らすかもしれません。


そんな感じで毎日投稿は基本的に守れるようにしていますので、気軽に読んでもらえたら嬉しいです。


…あとブックマークも…ゴホンゴホン。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ