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ギルドの依頼

おそくなり申し訳ありません。

理由につきましては後日活動報告にて報告致します。

次話は明日同時刻にて投稿いたします。


ウルドさんに言われたこともあり少しだけ警戒してしまったが、

「ふふふ、ウルドちゃんが言ったことではないからそう身構えなくていいわよ。」

「どういうことですかね?」

「私達が本来話す内容をウルドちゃんから聞いてたってことよ。」

「なるほど、そうでしたか。」

相変わらず人の考えを読み取る人たちばかりで内心で溜息しつつも話を聞くことにした。


「依頼っていうのはな、単刀直入に言ってリンスレット皇国の調査だ。

俺たちギルドでも調査を行なっているんだがあいにくと事件後の皇国の調査がまったく手付かずでな、もし行けるというなら現状どうなっているのか、調べてきてほしいのさ。」

ただ依頼内容は予想外なもので、一国で起きた事件から数年は経っているし普通は調査は終えていると思っていた。

行く前に情報でも、と思っていたが甘かったようだ。


「定期調査ならまだしも一切手付かずとは少し意外でした。」

「俺たちも別に手を拱いたわけじゃないぞ?

ギルドとしても国としても世界の一国が滅んだとなるとそれなりに…


「皇国は滅んでないの!!」


ニコラさんの話を遮るように叫んだのはシアだった。

「…皇国、は…滅んでなんか……。」

今まで溜め込んでいた想いを吐き出すように目に涙を浮かべて泣き始めてしまった。


「そうですな、望む者がいる限り滅んではいませんな。」

泣き噦るシアを落ち着かせようとヴァンさんがフォローするも一向に落ち着く様子を見せてくれない。


そんな俺たちとは逆の接し方をする人がいた。

「シアちゃん、キツい言い方になりますが泣いているばかりで現実から目をそむけてはいけませんよ。」

「…お姉様?」

シアもここ数日は優しいレナさんを見てきたからこそ、突き放すような言い方に戸惑っていた。


「レナさん、そこまで言わなくても…。」

俺はレナさんを止めようとしたがそんな俺を遮るように、

「悠斗くん、優しい言葉だけが優しいとは限らないよ。

相手の気持ちを汲み取った言葉も大事だけど、一番はその子が目を背けず生きていけるか。


私たちはこのあとミーシアちゃんの故郷に行くんでしょ?

そこは賑わっているのかしら?

私もこの世界について詳しいわけではないけど話の流れから違うってわかるわ。


ミーシアちゃんが今、現実から目を背けて泣き止んだところで、現実を目の当たりにして悲しむのはミーシアちゃんだよ。」

俺は悲しんでる人がいたら寄り添う立場からしか言葉を選ばなかった。

いや、シアが皇国の現状をみてどう思うかとか考えもせず、今シアの泣き顔が消えるならとしか考えていなかった。

七海さんの言葉で結局自己満足による優しさなんて無意味だと思い知らされる。


レナさんの言葉で泣き止んだシアだったが、一度決壊した感情はすぐに戻らず、俺たちの邪魔をしないように部屋を出て行ってしまった。

ただあのまま一人にさせるのはどうしても出来なかったので立ち上がろうしたが、

「悠斗さん、キツいこと言った手前、私が付き添いますね。」

と、レナさんも後を追いかけるように部屋を出ていった。


「…正直すまんかったな。」

ニコラさんが自分の言葉がきっかけだっただけに申し訳なさそうに口を開いた。

「いえ、正直俺もこうなるとは予想していなかったので、シアの心の傷の深さを行く前に知れて良かったです。」

そう言った意味でもやはり最初に皇国に、ウンディーネのところに行くのは間違いじゃなかったと思う。


「そう言ってもらえると助かるぜ。」

「いえ…。それで、本題を聞いてもいいですか?」


「あ、あぁ、そうだったな。皇国の調査なんだが俺たちではどうにも近づけなくてな。それでお前たちがいけるってんなら状況を教えてほしいってわけさ。

現状、生きてる人間がいないってのはわかっているし魔王との戦いの報告は勇者であるシュージから聞いてはいるが、現状どうなっているのか把握しておきたいのさ。」


なるほど、魔王の件までは把握しているのね。

その辺りのことも聞きたいがいまは話を進めよう。

「近づけないとはいったい?」

「皇国付近には霧がでていてな、外からも中の様子が見えないし近づこうにも方向が狂わされて元の位置に戻ってしまう。


最初は魔王が中で暗躍しているか、とも考えシュージに聞いたが『アレはもう魔王と関係ないから安心していい』とだけ残してどっかいっちまってな。

安心していいって言われてもギルドとしては不安定要素は排除しなきゃいけないが調査もろくにできずどうしようもなかったのさ。」

頭を掻きながら苦笑いを浮かべている。

困った様子からも調査に相当な労力を割り振っていたようだ。


「その件についてはワシが話そうかね。」


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