表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
136/169

精霊と

大変遅くなり申し訳ありません。

漸く落ち着いてきたので更新ペースを二日に一回ほどに致します。


「待て待て待てーい!」

俺たちは目的地も決まりここでの用事を済ませたので立ち去ろうとした瞬間、精霊ノームに引き止められた。


「えっと、何でしょうか?」

俺は何かあったかなと思案するも特に思い当たる事がなく首を傾げてノームを見る。


「ほ、ほらあるじゃろ?」

「えっと…?」

「そうよ悠斗。まだ聞いていないことがあるわ。」

俺が悩んでいるところで口を開いたのは千佳だった。

「そうじゃろ。そうじゃろ。」

何故か嬉しそうにしているノーム。

帰したくないとかかな?

これが人懐っこいといわれる所以なのだろうか?


「聞いてないこと?」

「六大精霊なのに四精霊しか聞いてないわよ!」

あー、それもそうか、俺は納得したのだが引き止めた当の本人はというと、

「なんじゃ、そのことか…。」

どうやら引き止めた理由は違うようだ。


千佳から指摘されるまで気にしていなかったが、それもそうかととりあえず残りの精霊について聞いておこう。

「それで、他の二人は…?」

「うむ、光精霊レイと闇精霊シャドウじゃな。

その二人はちょっと特殊でな。

ワシら四大精霊を統括しておって、精霊の試練もワシら四大を乗り越えたあとにしか受けることができん。

今は気にせずとも良い。」


「精霊さんの上に女神様がいるんだよね。

…なんだかその統括精霊さんって中間管理職みたいな精霊なんだね。」

千佳が遠い目をして呟き、七海さんも苦笑いしている。

働いている間になんかあったのかな?

ここは突っ込まない方が良さそうなのでスルーすることにした。


「それで千佳。他に何かあるか?」

「アタシは別にないかな。試練自体もあんたが必要なだけだし、それに新しい疑問浮かんだらウンディーネのところで聞けばいいしね。」


「ほ、ほかにもあるじゃろ?」

話も終わり今度こそ立ち去ろうとしたら焦ったようにまた引き止められる。

「え、えっと…?」

「ここまで来たお約束というか…な?」

な?と言われても思い浮かばず悩んでいると、

「あっ!ユウ、ボス部屋で何も戦ってない!!」

次に口を開いたのはユウちゃんだった。

「それはそうなの!ユウト様のカッコいいところは見れたけど私のは見せてないの!」

そしてユウちゃんの言葉にシアまで同意している。


好戦的な女の子達をみて少し苦笑いをしてしまったのは仕方ないよね。

「そうですな、愛弟子の成長を見る機会がなかったのは師としてはツライものがありますな。」

挙げ句の果てにはウルドさんまで加勢する。

一日どころか数時間教えただけで見守り態勢に入っているのは千佳が優秀なせいか。


「う、うむ…。そうじゃないだが…。

ま、まぁ考える時間も必要だしの…。」

と、小声で言っているのが聞こえたがこれも正解ではなかった。

それよりも、こっちとしてはなるべく戦闘は避けて安全に行きたいんですが高ランク冒険者達は違うようだ。


「わかったわい。ならばワシらが出せる最高の魔獣を呼び出そうではないか!……後悔するでないぞ?」

威圧の視線をもろともせず、

「うん!!」

「はいなの!」

と嬉しそうに頷く女の子二人。


そんな二人とは対照的に俺たちは半ば諦めムードの中、

「もうなるようになるさ!」

と、それぞれの武器を構える。

ウルドさんは当初の予定通り危険と判断するまで静観する。


俺たちの覚悟を決めたのを悟り、

「お前たち、少し手伝え!あやつを呼び出す!」

ノームが仲間の精霊を呼ぶ。

それと同時に現れる複数の精霊達。


「なんだよジジイ、もう一人で呼び出せなくなったのかよ?」

「もう何言ってるのよ。爺様はさっき他の子を呼んでるから疲れてるだけしょ?」

「いや、だがよ…。それだけで疲れるならもう隠居でもするかジジイ?」

「なにいいだしてるのよ!」

複数現れた中でも生意気な性格っぽい精霊とそれを怒る委員長的な精霊。

おじいちゃんっぽい見た目のノームとは違い、子供のような顔つきの二人はノームと特に仲がいいのか気軽に話しかけている。


本当に威厳を感じさせない大精霊だなと少し微笑ましく聞いていたが、

「ふぉっふぉっふぉ、そうじゃな、お前に此処を譲ろうかのう。」

なぜか息子に家督を譲るみたいな状況になってしまった。


「マジかよジジイ!いいのか!?」

「爺様っ!?」

二人は突然のことに驚いているが当の本人は落ち着いて、

「なに、いずれは任せるつもりだった。

それが今だったと言う話なだけじゃ。」

「ひゃっほーい。よっしゃジジイ、後のことは俺に任せてゆっくり隠居しておけよ。」

「こらっ!調子に乗らないの!それより爺様、本当ですか?」


「本当じゃよ。隠居するつもりはないがここはお前たちに任せよう。」

「なんだよ、俺にってじゃねーのかよっ!」

「当たり前じゃ!お前一人だと何しでかすかわかったもんじゃないわい!

…じゃがそうじゃのぉ、譲るにしても一つ条件をクリアできるなら考えなくてもないが…?」


「…なんだよ、条件って?」

「なに、あやつを一人で召喚できるならお前一人でも認めてやるがのぉ。」


「なんだよそれ!俺一人じゃ無理なやつじゃねーか!」

「なんじゃ、威勢がいいのは口だけかのぉ?」

「ちげーよ!だけどよ…。」


「もー!だからあんたを支えるために私がいるんでしょうがっ!」

「…クソっ!今は二人でやるけどいつか認めてやるからな!」


話が纏まったようで召喚魔術の準備に入った二人。

精霊一人で召喚できない魔獣なのかな?

それだけで戦う前から嫌な予感しかない。


それに魔力感知でわかったが召喚魔術を使う精霊達はとんでもない魔力を込めている。

そして準備が整ったのか、声高に魔獣の名前を叫ぶ。

「出て来い!アーマーシザー・スコルピオン!」


そして女の子達のやる気によってもたらされた俺にとっての第2ラウンドが始まる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ