決勝戦開始前
GW中に大会終わらせてる予定でしたが終わりませんでした。
すみません。次回木曜日朝方投稿予定です。
「わっちはただ言葉で伝えたかっただけでありんす。
“炎天”も“時雨”も子供たちに教えられて使ったに過ぎんせん。
ぬしのほうが上手く扱えるでありんしょう。」
言葉を込めれば魔術の威力が上がるのは勇者との試合を観たからわかっているが、技名、ね。
最初は違和感からファイアーボールとか言ってた気がしたが、修行である程度自在に操れるようになって減っていったんだよな。
この世界に順応出来てる証拠なんだろうが、今から厨二病風に名前を考えていくのはちょっと恥ずかしいかもしれない。
そんなくだらないことを考えていると要件を終えたのか、それとも子供たちが暇そうにしているからか席を立ち、
「明後日の試合は子供たちと観に行くでありんす。
わっちなんかよりきちんとした試合になりんしょう。」
「アサギリさんはアサギリさんの戦いをしただけ俺は気持ちの篭った試合だと思いましたよ。」
「ふふっ、ありがとぇ。
ぬしもその力でその子を守っておくんなんし。」
「はい、“あなたに頂いた力に誓って”」
俺も言葉に力を込めてそう宣言する。
その言葉を聞いて満足したのか子供たちと立ち去ろうとしたら、
「俺はお姉ちゃんに勝った勇者の応援だけどな!
勇者は最強なんだぜ!まぁ頑張れよ!」
と子供たちにまで相手を応援される始末。
俺がまともに応援されたのはエリク戦のみな気がするが気にしたら負けだ。
アサギリさんとの邂逅で力を手に入れることとなったが、これでどこまでやれるのだろうか?
ただ使えるレベルになる、かもわからない。
明日は体を休ませる予定だったが“言葉の力”の使い方を把握することになった。
意識して言葉に力を込めるだけ、かとおもったらそうではないようで体力が少し減っている気がする。
魔力というよりかは生命力に近い感じだ。
生命力を犠牲者で変換する場合もあるからそのあたりはきちんと制御しないとスキルだけで死にかねない。
ただそれ以外は本当に色々なこと融通が利くスキルで例えばアサギリさんが言っていた“炎天”も蒼炎用に“蒼炎天”というだけで威力の増大が見られた。
きちんとした名前で呼べば性能が上がったりするのかな?
と少しだけ興味が湧いたがたった1日では最適な名前など思いつくわけもなく本番を迎えることになった。
朝はというとレナさんからは無事に帰ってきてくださいと、ほかのみんなからは死なないようにね、とか勝ってきて!ってお願いがないのはつらい。
いや俺自身も勝てるなんて思ってないから仕方ないのかもしれない。
そんな悲しい応援を胸に俺は初めて勇者と対面することになった。
めの前でみる勇者は男からみた俺でもイケメンだなと思う。要するに敵だ。
とまぁ冗談は置いてても、何か話だけでもした方がいいのだろうか?
「はじめまして、ヤスイさん?」
「はじめまして、か。君からその名前で呼ばれるのはむず痒いが、仕方ないのか。」
うん?やっぱり会ったことがあるのか?
だが俺には記憶が全くない。
本戦出場のときに顔は見たことあるが勇者は俺に会った、もしくは話したことある言い方だ。
「忘れていたなら申し訳ないけど、今まで会ったことでも?」
「いや、今の君とは確かにあったことないよ。
誤解を生む言い方をしてすまない。」
余計に分かりにくいんですが…。
「どういうこと?」
「君にとってこれから出会うのが昔の僕だということさ。」
「俺は未来であなたは過去?」
「ああ、そういうことさ。
ただこれ以上は制約で言えなさそうだ。
まったく、人知れず世界を救うためとはいえ余計な制約をかけてくれたものだ。」
これからの俺は勇者の宿命?に巻き込まれるのだろうか?
試合前に余計な疑問を増やさないでほしい。
「混乱させたようですまない。」
「こういうのって勝ったら教えてくれるっていうパターンだったりします?」
「それは無理だよ。君が勝つことも、僕が制約を破ることもできない。今の君は弱い。
僕はあの時の君すら強くなった自負がある。
ただ、それでも…、君はいずれ種子を宿す。
そのときに知ることができるだろう。」
挑発っぽいこと言っているが現実を突きつけているのだろう。種子とは一体?
だが今は試合に集中しよう。
審判の合図とともに俺と勇者の戦いが今始まった。




