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さわやかな風が吹き抜けていくのは、リヴァロ式庭園の一角にある四阿である。
ベルリオーズ邸。
自然の趣に囲まれた「愛の島」と呼ばれるこの四阿で、チェスをしているのは、ベルリオーズ公爵とアベラール侯爵だった。
前者は愛妻を亡くしてからというもの、頑なに周囲からの再婚話を断ってきた男であり、後者は妻帯しているものの、年をとるにつれて活力を増す妻に疲労を感じている男である。
このような二人だからこそ、「愛の島」などという甘い名称からは程遠い、男だけの時間が妙に落ち着くのであった。
雨上がりの草と土の香りが、四阿の、扉がない六つのアーチや、鉄で編まれた天井の隙間をすり抜けていく。
足元はまだ少し濡れていたが、二人は気にするそぶりもなくチェス盤に向き合っていた。
「リオネル様とディルクは、クレティアン様に手紙を出した直後に王都を発ったようですね」
駒を動かしながら、長閑な語調でアベラール侯爵が言った。
「手紙を送ったあとの行動は早かった」
次の一手を思案しつつ、ベルリオーズ公爵クレティアンは独り言のようにつぶやく。
「だが、それまでが長かった。五月祭が終わったというのに、こちらはどれだけ待ったことか」
「アベルを気遣ってのことでしょう。命を救われたのですから、リオネル様が彼の体調を気にかけるのも当然のことです」
「気にかける理由はそれだけだろうか」
日ごろから抱いている疑問を、クレティアンがふと漏らしてしまったのは、チェスのほうに気を取られていたからかもしれない。
だが、その疑問に対してアベラール侯爵が無言だったのは、チェスに集中していたからではなく、答えようがなかったからである。
「リオネルの誕生日にあわせて、フェリシエ殿がここへ来る。リオネルも近々、十九歳になるのだ。そろそろ婚約くらいはさせなければ」
「……婚約が進まないのは、アベルのせいであると?」
しばらく押し黙ったのち、クレティアンは「わからない」と答えた。
いや、正確に答えるなら、わかりたくないといったほうがいいだろう。
赤ん坊のころから息子のことは間近で見てきている。リオネルは思いやりがあり、優しい心根の持ち主だ。だが、彼がアベルに対する態度には、それ以上のものがあるように感じられてならない。
相手は男であるから、通常なら恋愛感情とは考えられない。ならば、最年少の従騎士に対する特別な配慮であるのか、もしくは、並々ならぬアベルの忠誠心に応えたいという気持ちか、それとも、アンリエットと共に天に召された弟妹に対するような感情なのか。
結局のところ、感情の種など、なんだってよいのだ。
漠然とした不安が残るのは、リオネルのアベルに対する想いが、フェリシエに対する気持ちを凌いでいるとしか思えないこと――さらに、アベルの存在それ自体が、不思議とクレティアンを不安にも似た心持ちにさせるためである。
アベルは武勇に優れ、性格も真面目で素直であるし、なんら文句があるわけではない。
だが――。
リオネルについても、チェスの一手についても考えがまとまらず、クレティアンは思案を中断してとりあえず駒を動かすことにした。
「ディルクもなかなか新たな婚約の話に対し、首を縦に振りません」
苦笑しながら、アベラール侯爵はチェス盤から視線を外した。
「我々が次々代の跡継ぎの顔を見るのは、当分先のことになるかもしれませんね」
風にそよぐ木々の葉から、雨露がきらめきながら地上に降り注ぐ。それが陽光に照らされて輝く雨となった。
束の間の美しい「雨」が降り注いだあと、アベラール侯爵は風に声を乗せるように、さりげなく問いかけた。
「アンリエット様は――」
公爵が顔を上げる。
「ディルクが過去に取り交わした婚約について、なにか仰っておられましたか?」
「過去の婚約と言うと、デュノア家との」
「はい」
「――祝福はしていたが」
やや怪訝な面持ちになるクレティアンに、アベラール侯爵は屈託なく笑って見せた。
「そうですか、いえ……祝福くださっていたのに、申し訳ないことをしたと思いまして」
「婚約や結婚は、親の思い通りにはならないものだ」
そう言ってから、己の言葉が自分自身にも当てはまることだと気づき、クレティアンは思わず口元を苦くほころばせる。
「チェックメイトです、クレティアン様」
「アベラール侯爵にはやられたな」
すでにクレティアンの王駒は、相手の駒に追いつめられていた。
+++
シャルム西部に雨上がりの清々しい風が吹いていたころ、大陸北部では血なまぐさい匂いが強風に乗って吹き荒れていた。
大国エストラダの侵略はとどまることを知らず、フェンリャーナに続きアカトフ、エルバスの都を支配下におさめると、さらには西方の大国ブルハノフと戦争を開始した。
エストラダがブルハノフを手中に収めれば、まさに大国シャルムの竜の腹に襲いかかる鷹の国土図のうち、左右の翼にあたる領地を支配下に置くこととなる。となれば、鷹の国土図を完成させるために、次はクラビゾン、ネルヴァルを攻める可能性が高い。
鷹の図を完成させた暁には、ついにシャルムの竜の腹に食らいかかるか――。
血なまぐさい報が大陸の南方に位置するシャルム王国にもたらされたのは、アベルらがベルリオーズ邸に到着するより少しまえのことであった。
正騎士隊副隊長であるシメオン・バシュレが扉を開けたとき、隊長シュザン・トゥールヴィルは真剣な面持ちで大陸地図を見つめていた。
シャルム王国はベルデュ大陸の南部に位置する。ベルデュとは、「ベル・デュ」――つまり「美しい神々」の大陸という意味である。それは、大陸全土で崇められている三美神から由来する名称だった。
ベルデュ大陸の南には中小の島々、そして南東にはカトリーヌ大陸がある。ベルデュ大陸とカトリーヌ大陸のあいだでは海洋貿易がかつては盛んに行われていたが、ここ百年余りのあいだは、カトリーヌ大陸において争いが生じ混乱しているため交易は停滞している。
かくしてシュザンは、当面必要な情報だけを載せているベルデュ大陸の地図を、大きな書き物机に広げていた。
シャルム王宮内の騎士館にある、正騎士隊隊長専用の執務室である。
壁に飾られた、シャルムとローブルグが過去に激突した壮絶な戦――「ラルスホーフェンの戦い」を描いた巨大な風景画が存在感を放っている。
その広々とした部屋の、後方の扉が開いたが、シュザンは顔を上げず地図に視線を落としたままであった。
「甥御殿はベルリオーズに到着なされるころですかな」
投げかけられた声は、シメオンのものである。地図を眺めているシュザンが、甥リオネルの旅を案じているのだと、シメオンは推測したようである。
「さあ、もうすぐ着くだろう」
だがシュザンの返答が淡々としていたので、相手がこれまで別の事柄について思案していたことをシュザンは理解した。
「エストラダですか」
しかし、シメオンに問われても、シュザンは無言のまま地図を眺めている。
隊長が次に言葉を口にするのを、シメオンは待った。
執務室の窓の外では、花が咲き乱れ、鳥や虫たちが飛び回っている。
にわか雨がときに降ることはあるが、このごろは総じて晴天が続いている。シャルムの六月らしい気候だった。
「妙なことを聞いたんだ」
ようやく発せられたシュザンの言葉に、シメオンは問い返す。
「妙なこととは」
地図を見つめたまま、シュザンは答えた。
「驚くべき強さと速さで、エストラダは北方諸国を制圧しているが――」
「ええ」
「その背景で、気味の悪い事象が起きているようだ」
「それは?」
「エストラダが侵略する国々において、要となる人物が病魔に侵されるという」
たちまちシメオンが表情を曇らせる。
「毒ですか」
「それがわからない。なにせ、皆、一様に『気の病』にかかるのだという」
「気の病……」
「歴戦を経てきた勇将が、そうそう心を病むとは思えないが」
シメオンは眉間を寄せて黙した。
「かといって、人の心を侵す毒薬があるとは聞いたことがない」
「たしかにそうですな」
二人が同時に黙りこむと、正騎士隊の騎士らが鍛錬に励む声が、かすかに外から聞こえてくる。
窓を開ければより大きく聞えるだろうが、このうららかな日にあえて部屋を閉め切っているのは、部屋の主であるシュザンが思案に集中しようとしているからだ。
「フェンリャーナ、アカトフ、エルバス……それに今度はブルハノフ」
シュザンがひとりつぶやく。
「エストラダの勝利……」
「ブルハノフでも、同じように気の病が?」
問われて、シュザンがかすかにうなずいた。
「今の時点ではまだたしかな情報とは言えないが、彼の国の王弟で、兵士から絶大な支持を得ているギールス大公の様子がおかしいという噂だ。だが、いずれの話を聞くにつけても、遠方の地から伝わることで真偽が判然としない」
「なるほど」
上官と同様に、シメオンも地図の上に視線を落とす。彼の眼差しは地図上のただ一箇所――エストラダに向けられていた。
「ベル・デュ……美しき神々」
「エストラダは、この大陸を統べるつもりか」
「偉大なる三美神が生まれた国ですからな」
「三美神を崇める国々の統一……」
「それが、神々のご意思であるなら可能でしょう」
「エストラダには、戦いの女神アドリアナの加護があると?」
尋ねたものの、シュザンは返答を期待したわけではない。神話発祥の地エストラダに、神々の加護があるかどうかなど、シメオンとて知るはずがない。
だが、大陸に広く知られる言い伝えもある。
「三美神はエストラダの地に生まれた、選ばれし者に、特別な力をお与えになるといわれています」
「魔術か」
「地域によっても――個々人の考え方によっても、呼び名は変わりましょう」
シュザンはようやく地図から顔を上げると、腕を組みながら天を仰ぎ、溜息をついた。
「北方はどうなっているのだ」
少なくともわかっていることは、神の大地である大陸の北部は、すでに殺戮の渦と化していることである。
「――シャルムもその渦に巻き込まれるのか」
シュザンの低いつぶやきは、六月初旬のさわやかな陽気に霧散して消えた。
+++
若き青年貴族らの帰還は、さりげないものだった。
ベルリオーズ領内に入っても、紋章が記されていない馬車ゆえに、リオネルが乗車しているとはだれも気がつかない。それはシャサーヌの街に近づいても同じことだった。
黄昏時である。
太陽が染めた西にたなびく雲は、輝くような橙色であった。
忙しそうに行き交う荷車、仕事を終え鋤を担いで家に戻る農夫、沿道をかけまわる子供たち……普段と変わらぬシャサーヌ周辺の様子は、王都に赴いていたベルリオーズの騎士らにとってひどく懐かしいものだった。
「いろいろあったせいでしょうか……二ヵ月も経っていないのに、なんだかとても長いことベルリオーズを離れていたような気がします」
そうつぶやいたのはアベルである。それを聞いて、リオネルは微笑した。
「本当だね」
「とても懐かしいです」
「この地を、懐かしく思うのか?」
「ええ、ベルリオーズ領は――シャサーヌは、わたしにとって故郷と同じです」
「そうか……」
アベルの回答を聞いたリオネルは、いつになく嬉しそうだった。
飾り気のない馬車がベルリオーズ邸の鉄柵門をくぐると、公爵家の敷地内はにわかに騒がしくなった。またたくまに館内から大勢の人々が現れ、馬車を出迎える。
馬車から先に降り立ったのはリオネルで、次いでディルク、最後にアベルである。
執事のオリヴィエが家人の代表として、リオネルとディルクに挨拶した。
そのあいだ、アベルは居並ぶ使用人や、クロードを先頭として整列する騎士らのなかから、ひとりの人物を見つけだそうとしていた。
探す相手はラザールである。
書庫の整理を共同で命じられていたにもかかわらず、彼にひと言も告げずに――否、わざわざ「今朝から書庫の整理を始めています」などという偽りの手紙まで残して、館を出たのだ。
ラザールには謝罪しなければならないし、厳しく叱責されても文句は言えない。
騎士たちは整然と並んでいた。そのなかに、ジュストの姿もある。彼らはすぐにでも帰還したリオネルに挨拶をしたいだろうが、それはリオネルが、父親であるベルリオーズ公爵と挨拶を交わしてからのことである。
リオネルもそのことをよく承知しているので、無事を喜ぶオリヴィエから父公爵の居場所を聞くと、すぐにそちらへ足を向けた。
ラザールの姿が見えない。
館の玄関にリオネルとディルクが入ると、ベルトランやマチアスと共にアベルも彼らのあとに続く。そして玄関を入ってすぐ、アベルは探していた人物の姿をみとめた。
ラザールは、ベルリオーズ公爵のそばに控えていた。
けれどラザールのことより、公爵から向けられる視線のほうに、アベルは咄嗟に気を取られる。公爵がアベルを見やったのは一瞬のことで、その瞳に宿る感情を完全に読み取ることはできなかった。
――だが。
その視線が、好意的であったようには、アベルには感じられなかった。
ふっと冷やかな風が胸を吹き抜けていったように感じたのは、そのせいだろうか。
すぐに公爵は息子リオネルへと視線を移し、その端正な顔に深い笑みを刻む。
「父上、ただいま帰りました」
「リオネル、ディルク殿、二人ともよく無事に戻った。道中、危険はなかったか」
「おかげさまでなにごともなく。父上には、こちらからご挨拶にうかがうつもりでしたが」
「王都ではいろいろあったと聞いた。おまえの無事な姿を一刻も早く見たくて、アベラール侯爵を残して部屋を出てきたのだ」
そう言ってベルリオーズ公爵クレティアンは、階上を指して笑った。ディルクの父であるアベラール侯爵は最上階にいるようである。
「今回、こうして無事に戻ることができたのは、ひとえにアベルの働きとマチアスの機転のおかげです。二人には感謝してもしきれません」
このようにリオネルが説明すると、公爵はディルクの従者マチアスと、ベルトラン付きの従騎士であるアベルへ視線を向けた。
「マチアス、アベル、これまでの経緯はリオネルの手紙で読んだ。よくやってくれた。そなたらの働きには心から感謝している」
直々に言葉をかけられたアベルとマチアスは、公爵の前で深々と頭を垂れた。
「アベル、そなたは怪我を負ったと聞いたが、もう大事ないか」
頭を下げたまま、アベルは公爵の労いに対して感謝の言葉を述べる。公爵の様子は真摯であるし、また心からアベルの体調を気遣っているようである。先程の視線のことなど瞬時に忘れ、アベルは恐縮した。
「だが、アベル。次にここを発つときは、私に了承を得てからにしなさい。主の指示を仰がずに行動することは、本来は処罰に値する」
「御意にございます……」
公爵の厳しい言葉に打たれてアベルがさらに頭を低くすると、リオネルがクレティアンに非難めいた眼差しを向ける。
「父上、処罰など――」
「本来は、と言っただろう。これは規則の話だ。そなたは口を挟むな」
ひとり息子であるリオネルには甘いほどのクレティアンだが、このときは、いつになく一方的に突き放すようだった。けれど、リオネルも黙ってはいない。
「規則も所詮人間が作ったもの。今回にかぎらず、例外はありましょう」
「口を挟むなと言ったであろう」
「ええ、なにも言いません。父上が私の直臣に対し、『処罰』などという言葉をお使いにならなければ」
久しぶりに再会した親子が不穏な雰囲気に包まれたため、周囲は当惑せずにはおれない。だが、だれよりもいたたまれぬ思いであったのはアベルである。
「申し訳ございません。わたしの勝手な行動のせいです。規則は規則。処罰は覚悟のうえです。どうか相応のご処分を」
頭を下げていたためアベルの表情は見えなかったが、その声は毅然としていた。
このような態度をとられれば、公爵もこれ以上厳しいことが言えるはずない。なにをさしおいても、アベルはこの世で最も大切な息子の命を救った者であるのだから。
「今回、処罰はない。身体を元通りにすることに、しばらくは専念しなさい」
クレティアンはそう言い残すと、踵を返して大階段へ向かう。気がかりげにアベルを見やってから、リオネルもそのあとに続いた。
公爵とリオネルに続き、ディルクとベルトラン、そしてクロードをはじめとした数名の騎士らが上階に消えていくと、アベルは思いつめたような面持ちでうつむいた。
自分が、リオネルとベルリオーズ公爵の口論のきっかけとなったことが哀しい。大事な主人が、父親と仲違いすることなど望んでいない。アベルは自分自身をわずかばかり責めた。
落ち込むアベルの耳に、突然、大きな声が響く。
「アベル、このやろう!」
はっとして顔を上げたときにはすでに、アベルはラザールの筋骨逞しい腕に抱かれていた。より正確に表現すれば、押しつぶされそうになっていた。
「ラ、ラザールさん……」
喘ぎながら相手の名を呼ぶと、ラザールはさらに腕の力を強める。
「アベル、心配したじゃないか! やけを起こしておまえが館を出ていったんだと、おれはてっきり思ったんだぞ。身寄りのないおまえが、こんな細っこい身体でひとりどこをほっつきまわっているのかと考えると、おれは気になって夜もおちおち眠れなかった。それが、王都でリオネル様を守るために、瀕死の状態だったというじゃないか」
ラザールがまくし立てているあいだ、その太い腕に力の限り抱きしめられて、彼の深い友情は感じながらも、アベルは窒息死しそうだった。
「おまえの体調が回復したという報告を受けるまで、どれだけ気を揉んだと思ってるんだ。リオネル様のお命を救うなんて、憎いことをやりやがって。このやろう、思いっきり叱ってやろうと思っていたが、おまえに感謝しなければならなくなったじゃないか」
ラザールの腕のなかで、アベルは呼吸ができず、気が遠のくような気がした。
救われたのは、マチアスの一言のおかげである。
「ラザール殿、アベル殿が窒息します」
そう言って、マチアスはラザールの腕からアベルを解放させた。
ふらふらとかがんで目元を押さえるアベルを、ラザールが支える。
「おお、悪い。ついおまえの無事な姿が嬉しくてな。大丈夫か?」
「大丈夫です……。すみません、無断で仕事を放棄し、館を出たことをお詫びします」
目眩を覚えながらもアベルは謝罪した。
「もういい、おまえはリオネル様のお命を救ったんだからな。十五歳の従騎士アベルは、ベルリオーズ家の勇者だ。皆、誇りに思っているぜ」
ラザールが玄関のほうを指さす。
「わたしはなにも……」
答えつつ、アベルは振り返った。
前庭に広がる、夕暮れの赤い陽だまりが眩しい。そのなかに佇む老雄ナタルや、ダミアン、その他大勢の騎士らが、アベルに温かい眼差しを向けていた。
「ほら、照れるな。あいつらのところにも行ってやれ」
どんとラザールの手に強く背中を押され、治ったばかりの背骨が再び痛み出すような気がしつつも、アベルは陽だまりのなかへ飛び込んでいった。