桃園錬金術所
「そういえば、なんで毒牙先生は毒の魔法なんて使ったのかな?」
「あれは、普通の状態異常魔法じゃないからだと思う。敵を毒状態にしつつ、防御を奪う上級魔法じゃないか?俺たちには、まだ早かったから、防御魔法だけを教えようとしたみたいだ。」
「なるほどですね。その、上級魔法っていうのはドレインみたいなものか。ドレインとかサポート魔法とか使えるようになりたいし、魔法の勉強頑張ろう!!」
ケダモノ特化のラケット持ってるんだから、攻撃担当になってもらいたかったんだけど……
「お、着いた。」
「おぉ…!!……って、なんて書いてあるのか分からない看板があるけど……大丈夫なの?」
「いいから。多分、居るよ。」
「い、居るって…………幽霊ぃぃぃぃぃぃぃ〜!?」
「だったら、こんな明るい時間から連れてこないから!とりあえず…」
カラン カラン……
「……むむ?神崎君じゃないですか!…うわぁ!?永遠ちゃんも居るじゃん!」
「えっ!?え?なんでここに……?」
「説明する。ここは…………」
「『桃園錬金術所』だ。」
「桃園さん、錬金術師なの!?レキジョっていう人なの!?」
「そのレキジョじゃないけどね。ここは、私の研究施設。回復を始め、攻撃アップに防御アップ。それから、素早さアップなどの薬も作ってるんだ。他にも、毒とか麻痺薬とか……そういえば、神崎君。勝手に扉開けないでって毎回言ってるよね?危険な実験をしてる時もあるんだけど!!ちゃんと、インターフォンを鳴らしてから…」
「はいはい。うるさいうるさい。」
「次やったら毒薬浴びせるから。」
「ごめんなさい。」
「さてと、錬金術のことは大体理解できたし、そろそろ帰ろうかな。」
「ちょっと待ってよ!!まだ、来てから3分も経ってないんだけど!?」
「1分は居たよ〜…」
「1分居たかも分からない時間だよね!?じゃあ、何か聞きたい事とかは?」
桃園美香……錬金術師。下校後は安定のぼっち。赤なんだかピンクなんだか分からない髪の毛の色は錬金術を成功させた成果…と、本人は言ってるけど、本当は錬金術が失敗した影響なんじゃないかと思う。
「うーん…あ!」
「何!?何何何!?」
「ケダモノについては、桃園さんも知ってるんだよね?」
「知ってるよ。永遠ちゃんも知ってたんだね。」
「さっき、山野上さんから聞いたんだ。…だけど、山野上さんはケダモノについての調査を極秘でやってるって言ってたんだけど……」
「あぁ……。それ、ただ単に彩音ちゃんがキザってるだけだよ。」
「キザる?」
「かっこつける…みたいなものかな?極秘なんて嘘。菫草学園への入学招待状を貰った時から説明を受けてたよ。」
山野上……本当に何がしたいんだ?
「じゃあ、本当に帰るよ。」
「そっか。また来てね。…と、その前に!」
「なに?」
「ポーションあげるよ。ポーションは回復薬の役目があるから。何かあったら使ってね。」
「ありがとう!大切に使います!」
「うん!それじゃあ、また明日ね。」
「さてと、これからどうする?」
「帰る。神崎君は?」
「俺は……特に予定なし…かな。」
「じゃあ、家来る?」
え?
「面白い物とかないけど、それでもいいなら…」
「行く!!絶対に行く!!」
「…了解。早速、行こっか。」
「あぁ。」