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助けは不必要だった様で…

「先生!!大丈夫ですか!?」

「…!!来るな!!どっか行ってろ!!」


「え…?」


ケダモノの爪は毒牙の目の前まで来ていた。


「チッ……耐えるしか無さそうだな。」


「せんせ…」

「毒牙!!伏せなさいっ!!」


「…!?お前、何を……早く逃げろ!!」


「うるさい!!消え散れ!!」

「ギャアァッ!?」

「誰…?」

「話は後。連続で行く。」


ケダモノを前に、女は慣れた手際で攻撃を繰り返す。複数の斬撃を与えた後、女の剣に白い光が集まり……


『百花繚乱・降咲霙舞!!』


女はケダモノを8方向に斬り落とした。


「ヒギィ…アァッガァ…」



ケダモノは再生することなく息絶えた。




「す…凄い……!!」

「先生!ひゃっかりょうらんふりさけみぞれのまいっていうのカッコよかったですよ!」


「いや…あれは俺じゃな……私ではありませんよ。」

「あ、毒牙先生じゃなくて!こっちの女の先生ですよ!」

「…ん?」


ちょっと待った。結城は何を言っているんだ?


「なぁ、結城……女の先生なんてどこにいるんだ?」

「え、だから!今、ピカーン!みたいな必殺技使ってた先生だよ。ほら、この人!」



ピカーン!みたいな必殺技って……それよりも、何となく原因が分かった。


「こいつ……先生じゃなくて、俺たちと同じ生徒だよ。」

「……先生って、私のことを言っていたのね。」

「え?えぇっー!?生徒!?生徒!?本当に生徒!?」

「ねぇ、そこまで否定されると流石にいい気分はしないんだけど。」


やっぱり…か。


「で、でも!さっき、先生のことを呼び捨てで呼んでたし、先生よりも強かったし……」

「…」←少々頭に来た模様

「まぁね。毒牙は毒牙。私は毒牙よりも強いし、何も教わることはない。放送をしたのも私だから。賢明な判断でしょ?」


「あ、自己紹介してなかったよね!僕は結城永遠。今日からお世話になります。よろしくね!」

「さっきも聞いたわ。」

「え?クラス一緒なの?」

「待って。クラス一緒なのも知らなかったの?」

「うん。…ごめんね?」

「別にいいわ。人間、誰でも間違いはあるもの。」



「ところで、結城さん。なぜ、ラケットなんて持ってるんですか?」

「うーん……僕の武器だから。としか、答えがないんですよねぇ。」

「見せてもらってもいいですか?」

「あ、はい。構いませんよ!」

「それじゃあ、失礼……っ!?」


先生がラケットに触れると、手からは血が流れた。



「先生!?どうして…」

「いえ、大丈夫です。すぐに治りますから。」

(俺がラケットに触ると出血が起きる……あまり、触れない方がいいか。)



「次は私から。私は山野上彩音。最近、今みたいなバケモノが発生してるみたいだから、私と毒牙が極秘で調査してるの。この学園で慣れないこともあると思うわ。良かったら相談しなさい。」


「極秘なのに、極秘で調査してると言ってしまった件について。」

「…………しまったぁぁぁぁぁぁー!?」

「声デカイな…」


「まぁ、いいわ。」

「いいんかい!」

「委員会?」

「違う!!」


「……私たちは、あのバケモノをケダモノと呼んでいるわ。最近、ケダモノが増えて来たみたい。そこで、菫草学園の生徒たちにケダモノの討伐をお願いしようとしてるわ。他のクラスの子たちからは魔力は感じない。けれど、あなたたちのクラスの全員からは、魔力が感じられる。神崎君が菫草学園に入学出来たのも、結城君が菫草学園に呼ばれたのも、魔力を感じたから。だから、お願い。私たちに協力してくれないかしら?」


「……長い。」

「いいよ。でも、力になれないかもしれない。それに、ケダモノの討伐に慣れてきたらゲームの雑魚キャラ扱いになっちゃいそう。」


「一言余計よ。だけどね、あなたの持っているラケット……きっと、ケダモノの特攻兵器になるわ。」


「なんで分かるの?」



「毒牙が、ラケット触れた時に出血を起こしたからよ。」

「毒牙が先生とケダモノは関係なくない?」


「先に言っておいた方がいいわね。毒牙はケダモノなのよ。」



「……え?神崎君、先生って」


「大丈夫。ケダモノにも、味方になってくれるケダモノも居る。先生は味方の方だ。」

「そっか。…神崎君も知ってたんだね。」

「初めから、その説明は受けてた。」

「えぇ!?」


「ごめんなさい。単なる説明忘れだわ。」

「忘れちゃダメだよ!!」


キーンコーン カーンコーン


「チャイムが鳴ったわね。教室に戻りましょうか。」

「帰りのホームルームを始めましょう。今日はこれで終わりですからね。」

「気づいたら午後だったよ〜。」

「そういえば、俺たち……昼ご飯食べてない。」


「あ…」



その後、教室に戻ってホームルームを終わらせた。




「部活?」

「あぁ。結城は部活やるの?」

「部活かぁ…神崎君は何部?」

「俺はバスケ部。まだまだってところだ。」

「じゃあ、バスケの技術を利用した魔法が使えるといいね。」


「そうだな。……あ、そうだ。」

「どうしたの?」

「そういえば、結城って魔法は見たよね?」


「うん。毒牙先生の魔法見たよ。凄いよね。あれで防御力上がるんだって!!夢みたい!!」


「落ち着け。じゃあさ、先生が言ってた『錬金術』っていうのは、見たことある?」

「見たことないよ。さっき、初めて聞いた。」


「だよな。この後、時間ある?」

「あるよ。どうして?」


「ついてきてほしい場所があるんだ。多分、錬金術のことを知れるよ。」

「おぉ…!!行く行く!!」

「決まりだな。行こうか。」

「うん!」

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